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魔力検査

どうやら、大聖堂に向かう道の入り口にいた軽装の騎士は常駐している門番だそうだ。

院長が口酸っぱくおとなしくしろ、と言っていたのは間違いではなかった。

今回の魔力検査を大聖堂で行うことはやはり超特別措置のようで、トラブルがないように元王宮騎士団長兼現王宮剣術指導官の威圧騎士が護衛兼監視につくらしい。

そこまでして大聖堂でやる必要はないと思うのだが、何か特別な理由があるようだ。

院長にそれとなく聞いたら濁された。


その院長だが、どうやら元王宮騎士団副団長だったようだ。

平民からそこまで成り上がったのは院長含め片手で数えられるレベルらしく、相当の実力者なことがうかがえる。

そんな人間がなぜ院長なんてやっているのだろうか。

確かに少しぽっちゃりしてはいるがまだ現役として働いていけると思う。

やはり、魔力検査を大聖堂でやることと何か関係でもあるのだろうか。


雑談を聞き流しながら無駄な考察に意識をやり、到着してから40分ほど、ようやく大聖堂へ入る許可が出たそうだ。

許可待ちということすら知らなかったが、待ちに待った魔力検査だと考えると心が躍る。

院長と威圧騎士を先頭に孤児組、年長組の順番で入っていく。

大聖堂の中は外に劣らず圧巻で、厳かな雰囲気以上の神聖さとある種のすがすがしさを感じる。

これは俺だけじゃなくて、大聖堂に入るまではしゃいでいた孤児組も入った瞬間から一気に静まり返っていた。

中にいたのはまさしく、といいたいくらいの男女の聖職者が2人。

決して大きくはなく、かといって聞き取れないわけでもない、軸がしっかりしているきれいな声で検査をするための部屋へ案内を受ける。

大聖堂の雰囲気にのまれていた孤児たちも、院長に促されて少しずつ動き始める。


案内された先にはソファのような椅子が並ぶ待機室だった。

待機室には廊下と反対側に扉があり、その扉の先で魔力検査をするらしい。

どうやら魔力検査は個別に一人ずつしていくらしく、年長者と女性の聖職者が孤児を待機させ、院長と威圧騎士、男性の聖職者が魔力検査に立ち会うようだ。

年齢順に行うようで、12歳の俺は4番目。

同じ12歳のやつは誕生日が早いため俺より先に受けるらしい。


まずは一人目、14歳の男が検査室へ入っていった。

10分も経たないころ、院長に慰められながら出てきた。

どうやら魔力を持っていなかったようだ。

とはいえ、その男もそこまで落ち込んでいるわけではない。

確かに、自分が魔法を使える1割の平民だったら、と考えることはあるだろうが実際にそうなると考え、期待している人間はなかなかいないだろう。

次に、院長は13歳の女と検査室へ入っていった。

結果を待っている間は男の年長者が14歳の男に向かって、少しは期待するよな、とからかいを含めたような、じゃれあいのような感覚で慰めようとしている。

14歳の男も、やっぱ男なら期待するだろ、と返答している。

わかる、と俺も話に同調しようとしたら12歳の男が自信満々に俺なら絶対に持っている、と断言してしまった。

それを聞いた女性の聖職者や年長者は生暖かい目で見守っており、さっきまで話していた男たちはからかいの標的を12歳の男に向け始めた。

11歳の女が魔法を使えたら何をしたいかを語り始め、他の人間もそれに同調し、大神殿の雰囲気にのまれ、緊張気味だった孤児たちのメンタルをほぐしていった。


13歳の女が検査室に入って12分ほどだろうか、少なからず14歳の男より時間がかかっていた検査が終わったらしく、検査室から院長と威圧騎士と共に出てきた。

なぜ威圧騎士もいるのかと思ったらどうやら13歳の女は魔法が使えるレベルで魔力を宿しているらしい。

それを聞いた孤児たちは少しはしゃぎながら祝福の言葉を送っている。

とはいえ騒ぎすぎると院長からおしかりを受けるため、少し抑え気味だ。

今日の宿で抑えたものが爆発しないか、少し不安になってくる。


次に順番が回ってきたのは俺なら絶対に持っている、と断言してしまった12歳の男。

院長と威圧騎士と共に入っていき、15分ほど待機室で雑談をしていた。

13歳の女への祝福や、魔法を使って何がしたいのか、実際に魔法を使うにはどうしたらいいのか、など魔法に対して興味津々な孤児たちもさすがに遅いと気が付いたのか、まさかの二人目なのか、とざわつき始めた。

そのざわつきを収めるように検査室の扉が開かれ、立っていたのは自信と誇り、自尊心が満ち足りたような顔をした12歳の男であった。


どうやら12歳の男は上級貴族と同等、もしくはそれ以上に魔力が多いらしく、14歳になったら迷宮都市と呼ばれる迷宮を中心にした街の中にある国営の魔法学園とへ行くことになったらしい。

それを聞いた孤児たちは大はしゃぎ、女性の聖職者も驚きを隠せていなかった。

どうやら平民の魔力持ちはどれだけ多くても下級貴族並みで、上級貴族並みの魔力を持っているのは非常に稀なのだとか。

院長が孤児たちにはしゃぎすぎるな、と注意し12歳の男に対して魔力持ちとしての責任を後で教える、と天狗にならないように注意した。


そしていよいよ俺の番だ。


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