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クラス分け

試験を受けた翌日、クラス分けが張り出された。

クラス分け自体はすべての生徒が見られるように各寮や校舎に掲示され、上級貴族に対しては手紙まで送っているらしい。

1クラス20人+αで6クラスに分かれている。学年の総人数としては124人。

院長の時代は学年で60から70人だったと聞いたので、ほぼ二倍の生徒数になっている。

これが次代の王族が生まれた年のベビーブームなのだろう。

アクトから聞いた話だと他の国でも同じような現象は起きているらしい。

もちろん、寿命が違うためそう頻繁に他国の王族と同時期に子供が生まれることは少ない。

はずなのだが、人族、エルフ族、獣人族の王族は±5年ほどで生まれており、10年前にドワーフの、60年前には不死族の王族が生まれたらしい。

そんな理由もあり各国で王族、貴族教育により一層力が入っているらしく、それにあやかれるようベビーブームは加速したのだとか。


その影響もあってか、最近の各国の経済状況は右肩上がりなのだとか。

アクト曰く、外交的にもいい流れが多いという。

商業用道路の整備や一部の都市部での建物の新調、町の拡大などが盛んに行われていて、国を超えた取引も増えてきたらしい。

その為、俺が食べたいと言っていた米についても大きな商店なら取り扱うかも、と言っていた。

その日が来るのを楽しみにしたいと思う。

調味料などは前世に近いものを揃えられている。

後は米、米なのだ。

それさえあればしょうが焼きだろうと、餃子もどきだろうとおいしく、満足して食べられるのだ。

勘違いしないでほしいのは、今でも十分においしく食べられるということ。

寮生活中に再現してみて、アクトからも太鼓判を貰っている。

しかしながら、パンと一緒に食べるのはどうにも違う。

やはり米、米なのだ。

日本人の魂に刻まれた、まさしくソウルフード。

あれがないと満足には一歩及ばない。

その一歩が欲しいのだ。


アクトから聞かれたため、米の魅力について熱弁したところ、知り合いの商店に掛け合ってくれるらしい。

おぉ友よ!我が敬愛すべき同居人よ!

安心してほしい。

米を手に入れた際には絶対にガッカリさせない。

俺が持てる120%の料理スキルを持って絶品の料理を作ってやろう。


そんな会話をしていたらフィラソピアとハンスが近づいてきた。

話を聞くとどうやらハンスだけ別のクラスになってしまったらしい。

俺とアクト、フィラソピアは同じクラスだった。

どうやらクラスごとに平民の数を調整しているらしく、1クラス3~5人ほどになっているようだ。

ハンスも、同じ部屋の人間と同じクラスだったと言っていたので、部屋分けの時点でクラス分けの草案も出来ていたのかもしれない。


今日発表されたクラスに出向くのは明日になる。

実際の授業に移る前に、全体案内や授業に関する説明会などが行われるらしい。

そこで改めて学園としての目標を聞き、個々人での進路の話も含めて何を目指すのか話ができるそうだ。

いよいよ魔法を本格的に学ぶ時が来ているのだ。

今でもこっそりとランニング中に魔法の鍛錬をしてはいるが、やはり物足りない。

もっと効率よく、自分自身に何ができるのかを把握していかなければ、ぐうたら生活とは程遠いだろう。

なにせ、まともな魔法を使ったことがない。

魔物相手だろうと、的めがけてだろうと、実技に勝る学びはない。

今まで通りの、魔力を体内で回す行為だけでもある程度の慣らしにはなるが、実際に技術として使えるのかも不明なのだ。


孤児院に保護されたときに見た院長の捕まえるための魔法、それよりも昔に見た人殺しのための魔法、使い方も目的も属性や方向性も、全てが違う2種類の魔法。

一度は爺になった身、それでも、今は子供なのだから。

――いいだろう?許されるだろう?

此の身に宿る、己が心の熱が、焦がれている。

もっと、もっと、と理性を焼いていく。

目標が、目指す先が多少不純であろうと、この炎は本物なのだ。

我が儘を言おう。

幼子がべそをかくように、駄々をこねて、恥も、外聞も、全てを投げ出してそれが欲しいと叫んでやろう。

それで魔法を手にできるなら、安いものだ。

全ては己が欲のために。

学ぼうじゃないか。

楽しく、愉しく、ひたすらに。

長らく待たされたのだから、それくらいは許されるだろう。

今は子供なのだから。

我が儘を言うのは当たり前なのだ。


唐突にフィラソピアに頭をはたかれた。

曰く、気持ち悪い笑い方をしていたから、と。

理不尽である。

少なくとも前世よりもイケメンだぞ。

そんな気持ち悪い笑い方などしてないだろう。

それを聞いたハンスが即座に、というかかぶせ気味に、あのニヤケ顔はだめだろ、と言われた。

思わずアクトを見ると目をそらされた。

ちらっと見えた横顔は引きつっているように見えた。

悲しい。

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