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プロローグ

最後に見た景色はぐちゃぐちゃになった風景だった。

俺は電車の脱線事故で死んだのだ。

最近の小説だと真っ白な世界に飛ばされたりするが、そういったこともなく、次に目が覚めたのは何処ぞの路地裏、文字もわからない異世界での名無しのストリートチルドレンとして生きて約3年目になる。

転生当時5~6歳程度だった俺だが、文字は知らずとも言葉は理解できた。

死なないためのサバイバル知識もあったのでどうにかこうにか生き延びている。


さて、そんな俺が暮らしている街を紹介しよう。

どうやらこの場所は大きな都市で、馬車で3日ほどの場所にフェラルーシという王都があるらしい。

王都へ行くためなのか、その逆で王都から来ているのかはわからないが貴族のものだと思われる紋章が描かれた馬車が大通りを走るのを見かける。

その大通りの先には俺が貴族街と呼んでいる場所、要するに屋敷やらホテルやら、治安がしっかりしていて、衛兵もしっかり仕事をしている土地がある。

向こう側はやはり管轄が違うのか、俺が行こうとすると衛兵に目を付けられるため遠目に眺めたことしかない。

1年ほど前、7歳ぐらいになったころに路地裏で見かけたことがあるホームレスの一人が貴族街へ入っていって衛兵に殺されていた。

盗み聞いた話だと、盗人と間違われて追われ、逃げ切れずサクッと殺されたらしい。

その死体からは古めの指輪以外は何も出てこなかったようで、昔からいたホームレスなので大きな問題ではないと判断されたらしい。

いい年の爺さんだったから呆けていたのだろうと俺は勝手に思っている。

ただ、貴族街で殺されてしまうなら右手にはめていた指輪をもらっておけばよかったと少し後悔した。


また、貴族街を見て左手には歓楽街がある。

表通りは貴族も来るのか、小奇麗にした店が並んでいるが少し後ろに行けばそこらの平民が通うような酒場なんかもある。

その歓楽街を奥に進むといわゆる色町と呼ばれる場所がある。

歓楽街を挟んで貴族街からお忍びで来られるようにしているようで、やすい連れ込み宿から高級な娼館も少なくない。


俺が一番初めに目覚めた場所はそんな色町の路地裏、貴族が裏取引に使っているような場所だった。

それを知ったのは目が覚めてから一月もたってないとき、真っ黒ローブが路地裏の小汚い店に入っていって、何かの取引をしていたのを見た。

その時の俺は言葉もまだ曖昧でよくわからなかったが、たまたま黒ローブが外に出た時に目の前にいたホームレスが一瞬で首を跳ね飛ばされ、店の人間と思わしきやつが杖を振り、魔法と思われるもので死体を消していた。

俺はそれを見て見つからないように息をひそめ、いそいそと逃げ去った。

そして悟ったのだ。

これはいわゆる剣と魔法の、The ファンタジーな世界である、と。


そうと決まればやることは一つだろう。

魔法を覚え、功績をあげて、名声を高め、一財産作って引きこもる!

完全な勝ち組として、早期のリタイアを果たし、惰性を貪って生きるのだ!!

…まぁ、まだ文字を完璧に覚えられてないから、残飯を漁りながら捨ててある新聞で勉強するしかできないけどな。

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