表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蓮池の白い煙のはなし  作者: ぽすしち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/73

みていたような

 


 格子越しに部屋をのぞくヒコイチにその女の姿はみえない。


 座敷で両手をつき、一人で二人分はなしていた男も、顔をあげてあたりをみまわしている。


「ど、どこにいる!おまえが何かカエにしたのか!これはなんだ?どういうことだ」



「 それは、さきほどわたくしが『おはなし』で語った通りでございます。 ―― 先生とカエさんのおはなしでございましたでしょう?」


「っば、ばかな!おれは、」


「 死人にくちなしとお思いなのはまちがいでございます。 ―― 刃をうけたようなふりでカエさんをだまし、うしろから首を絞めて殺したのは、あなたでございます。 ・・・殺してしまったとおもった先生に首をしめられ、安堵するのと同時にカエさんはどうして先生がそんなことをするのかと・・・自分があやめられているのもわからぬうちに、亡くなってしまったのでございましょう・・・」


「なにを、みていたようなことを」


「 そのときのカエさんの着物は、黒地に赤い梅の花を大きく描いたものでございましょう? 大雨の夜、盗んだ荷車にのせ、一番近い山までゆき、あの、―― 沢をとめたせきへ放り投げるときカエさんの顔を石でつぶしたのは、 顔をみるのがこわかったからでございますか? それとも、獣に早く喰われるように、とお思いになられましたか?」



「・・・そ、ん、 『 ああ・・・出会ったときはたしかにつぼみのような美しさだったが、おまえはもうとっくに枯れていて、見る値もないような姿になってるのに気づかないのか。そういうところが、うっとうしいのだ、とせんせいは言いました 』 」


 男の口からまた、かぼそい女の声がうったえた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ