表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蓮池の白い煙のはなし  作者: ぽすしち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/73

池に煙でる


 ヒコイチは、さきほど女の『先生』がいたところに立ち、むかいに座り口もとをおさえるよう手で覆っている男をみおろしていた。


 それから、なんだか気になった庭をみやる。



 すこし前までまぶしく暑く照らされていた庭は、いまは雲をとおしたうすい光に安堵しているだろう。

 だが、やはり、蝉も鳴かない庭にはどこか生気がない。

 

 ふいに、 ―― 湿った匂いがしたと思ったら、すぐに、枯れて立つハスの葉が雨に打たれだす。


 音は大きく激しくなり、庭の池の水ははねかえり、枯れたハスたちがしろくけぶるほどに降ってきた。


 いや、雨でけぶっているだけではない。



 庭のハスといわず、池の水からも、《白い煙》がゆるゆると、のぼっている。



 それはゆっくりと漂うようにひろがり、大雨だというのに、池の上はあっというまに白い煙におおわれた。




「 『 ・・ああ、・・くるしい・・ 』  っひいい!なんだ!これはっ 」


 自分の口が苦し気な女の声をこぼすのをどなりつけるように、男がさけぶ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ