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どうしたものか





 はてさて、どうしたものか




 『西堀の隠居』こと、セイベイとは、はじめは商売を通して知り合ったのに、そのあとに起こった不思議と因縁の煮込み合わせのような出来事により、なんだかおかしな《つながり》ができてしまい、そこにはこの年寄いうところの『この世の中で一番かわいくない猫』の、死んだはずの乾物屋もはいってしまっている。


 この《つながり》は、お互いを《おしはかってのみこみあえる》とかいう意味などではなく、ただたんに、自分と相手の身に起こったことをそのまま受け入れているということだけだ。

 



 まあべつに、それが嫌ってわけじゃあねえが






 年寄に渡された手紙が懐でカサカサと音をたてる。


 それをたたいて角をまがったとき、むこうでさわぐ一団がめにはいった。





「 ―― そうよ、あれはただの金持ちの道楽ってやつでな、なにもわかっていないうえにろくなはなしもかけぬようなやつらが、その金だけ目当てに集まってるだけよ。 それにくらべ、おれはどうだ?いよいよ本をだせるのだぞ」


 足もともふらついた細身でせいの高い男が、後ろに引き連れる男たちへ、つぎの店にゆくぞ、と大声でいうと、その両側についた男たちが、さすが『せんせい』だ、なぞと脇からささえる。




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