表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蓮池の白い煙のはなし  作者: ぽすしち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/73

あんたしかおらん



 洋館におさめたろうそくは、そこですべて確認してから、お屋敷へ運ばれることになっていた。




 おさめた四日後にまたぼっちゃまによばれたヒコイチが足をはこぶと、ときどき通いでぼっちゃまの世話をしにくるばあさんが、ぼっちゃまは流感にかかってふせっているので、代わりにこれを《お屋敷》に運んでほしいと、積みあがった箱をしめした。



「 なんだか、これをはこぶはずだったぼっちゃまのお友達もみなふせってられるようでな、あんたしか丈夫なのがおらなんだ」


 かか、と歯のないくちで笑いながらお茶をわたす。

 

 みやげに持ってきた大福をかわりにわたしながら、「みんなかい?」とききなおす。


 みんなだよ、と大福の包みをあけたばあさんは包みをおしいただき、奥へともってきえる。


「それなのに、このろうそくはもってけって?」


 ずず、とお茶をすすり木箱をにらんでいると、「おぼっちゃまのお友達のお友達あたりが、行けるそうだよ」とばあさんが奥からこたえる。


 

 ならその『お友達のお友達あたり』が運べばいいだろう、という言葉はお茶といっしょにのみこんだ。

 いくら文句をならべても、自分がこの箱を運ぶことはもう決まっている。

 

 それに、なにしろ、どうしてダイキチが、この『百物語会』をやろうとしたのかが、気になって仕方ない。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ