表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蓮池の白い煙のはなし  作者: ぽすしち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/73

『なにか』を


 納得いかないようなこちらの顔に気づいたぼっちゃまに、ヤボですねえ、とわらわれる。


「ダイキチさんはカンジュウロウさんと同じで親戚もいないですし、奥さんもとらなかったので、跡継ぎがいないお店を、番頭さんに任せて、自分は余生をあのお屋敷で静かにすごすって決めてらっしゃるんですよ」

 そこに一人ぐらいお相手をよんでも問題はないでしょう?ときかれ、「まあ、そりゃあ・・」とこたえをにごす。


 


 たしかに、ずっと独り身をとおしたのは、『みえて』しまうから、いろいろと面倒だったのかもしれない。

「でもそれなら、いっそあの『先生』といっしょになりゃ」



 まあいいじゃないですか、とぼっちゃまにいさめられる。

「いろいろな生き方があっても」


「・・・」たしかに。

 自分とぼっちゃまだって、『枠』におさめられたくない生き方をしている。

 



 それにしても、といつものすこし意地の悪そうな笑顔をうかべたぼっちゃまが、積まれた箱をみまわした。

「 ―― このろうそくに囲まれてする《百物語》、きっとなにかがおこりそうで、こわいでしょうね」



 その『なにか』とは?

 


 あの《屋敷》で『百物語』をすることで、なにかがおこるのか?

 

  

  それとも、―― なにかをおこそうとしているのか?




 まあ、そのあたりはもう自分の関係のないことだ


 桐箱をしまいながら、そう願うように考えをたちきった。





  

  

 それなのに、―― 。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ