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蓮池の白い煙のはなし  作者: ぽすしち


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33/73

どちらが 見染める



「・・こりゃ、お経か?」


「元締めに注文しておいたんですよ。ダイキチさんのところの『先生』からのお願いですから」


「『先生』?」


「いらっしゃいませんでした?あのお屋に、―― 四十路よそじぐらいの女のかたが」


「あ、ありゃ、奥方さまじゃねえのかい?」

 たしか『家人』といわなかったか?


 それに、奥方よばわりしたはずだが、二人はなにもいわなかった。



「ちがうようです」とわらい、ぼくもそうかとおもったんですけど、とぼっちゃまは、ろうそくをしまう。


「ぼくもあのお屋敷で一度だけお会いしたことがあるんですが、ダイキチさんに古今東西の《こわい》はなしを教えてくれる『先生』なんだそうです。たしかに、すこし独特の雰囲気をおもちの方ですよね。あのかたの話し声がまた耳にしみるようで・・・、先生というより、お坊さんに近いかなと思ったら、むかしはどこかのお寺で尼のまねごとをしてた、っておっしゃってましたよ。そのせいかな、―― こわいはなしばかりでなく、すごくものしりで、感心しますよ」


「まてよ?ってことは、あの奥方、じゃなかった、その、『先生』にそそのかされて、・・・あのお屋敷を買ったってことかい?」


「いえ、そうではなくて、お屋敷は買ったあとって言ってましたよ。  街中でみかけた先生に、ダイキチさんから声をかけたそうです」



 それはつまり、

「 ―― 《みそめた》、ってことで?」


「さあ、そこまで無粋なことはきけませんでしたが、そうなのかもしれませんね」



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