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蓮池の白い煙のはなし  作者: ぽすしち


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30/73

じゅうぶんで




「ヒコイチさん、お茶はいかがです?」


 いきなり気配もなく横にいた奥方の声で、我にかえった。



 

 庭の草木や垂れ下がったハスの葉に、雨水がのこり、陽に照らされている。


 さきほどのことが夢だったように、暑さがもどりはじめてきた。





 奥方が出してくれたのは水出しのお茶で、ヒコイチはそれをいっきにのみほすと、うれしそうにこちらを眺める年寄にあきらめたように言った。



「・・・旦那さん・・、言っとくが、おれはほんとに、なにもできねえよ」



 うなずいた年寄も、お茶に口をつけてから言った。



「ヒコイチさんも、あれをみて『こころぼそい』と感じられたとわかり、それだけでもう・・・、じゅうぶんでございます」


 こちらに頭をさげるのに、なにもかえせないままだった。


 







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