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蓮池の白い煙のはなし  作者: ぽすしち


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19/73

くらい穴


「あのウ、西堀のいん・・大旦那さんにきいたところじゃ、・・・ケムが」


「三年前、買い取ったはじめの年の夏場のおわりに、ハスの実が、ならぬことに気づきました」


 わざと、こちらの言葉をさえぎるように年寄のはなしが、また、はじまる。



 目は、池のほうをむいたままだ。



「 ―― 実をつけなくとも、あの蜂の巣のような重いかたまりはできますし、そのまま池に落ちるのです。 あの大きな枯れた葉や茎もほうっておくと池が早くにごるので、家のものと掃除をすることにいたしました。 そのときはまだ、ここに使用人も連れてまいっておりましたので、おおぜいで。 ―― 熊手で枯れた草をかいだし、買い取るときにもっとたしかめればよかったなぞと、文句をならびたてて、・・・なにもはいっておらぬ、枯れはじめたハスの、くろい穴をのぞきましたらな、―― 」



 そのくらい穴、すべてにおさまっていた目玉が、ぎょろり、と。



     「こちらを見つめ返してきました」



「っひい!」

 うしろ首をおさえてヒコイチはのけぞった。



 それをみて、としよりは声をだしてわらう。




「わたくしもそのとき、いまのヒコイチさんのような声をあげて、池の中に尻をつきました」


 助け起こされ、もう一度気をとりなおして池をみた。


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