12 衝突!~2-A~
今回は健悟が戦っているときの菜那の様子です。
もちろん戦ってますよ。
粛清屋にはいろいろな武器を持った人がいる。
健悟も武器が剣なのでかなり珍しいのだが、菜那も珍しいのである。
しかし菜那の武器は銃。この世界ではあまり珍しくない。むしろポピュラーだ。
なぜ菜那が珍しいのかは、後々わかることになる。
菜那は自分の担当である、2-Aに向かっていた。
「そういえば、あいちゃんが言っていた、モンスターってどんな奴だろう・・・」
半分心配、半分期待の状態で、菜那は2-Aの扉を勢いよく開けた。
「ナ、ナンダテメェ!」
と、健悟と戦っていたような、カエル型モンスターが驚いている。ちなみにここには一匹しかいない。
「うわ・・・気持ち悪いな・・」
と、菜那は半分この仕事が嫌になりながら、銃でモンスターに攻撃していった。
「よーし。まずは喰らえ!」バーン!
と、一発モンスターに向けて弾を放った。
カキン!「ヘッ。ソンナンジャイタクモカユクモネェナ!」
「クライナ!ダークボール!」バシュン!
モンスターの手から直径50センチぐらいの黒い玉が出現し、菜那に向かっていく。
「そんなものあたらないよ!」
菜那はそれを軽くジャンプして避けた。しかし、玉が当たったところには大きな穴が開いている。
「一発で喰らわないのなら、何発も喰らっちゃえ!」
バババババババババババン!!
銃から何十発という弾がモンスターに飛んでいく。
「ダカラソンナモノキカナイッテイッテルダローガ!」
モンスターは菜那の一瞬の隙を突き、飛び蹴りをお見舞いした。
「ぐっ!」
菜那は飛び蹴りと、壁に当たった衝撃でかなりのダメージを受けた。
「このままじゃ負ける・・・。こうなったらあれを使うか・・・」
菜那は必死に立ち上がり、ズボンのポケットからあるものを取り出した。
あるものとは・・・弾丸。しかし、普通の弾丸ではない。弾丸に色が塗られている。
「色弾丸・・・まずは・・・赤!!」
菜那は赤色の弾丸を銃に装填し、引き金を引いた。
「フフフ・・・ソンナモノキカナイッテ・・・ナ?!」
ボウッ!と突然、モンスターの体、赤色の弾丸が当たったところから、炎がモンスターの体を包み込んだ。
「まだまだ!次は・・・黄色!!」
バン!と銃から黄色の弾丸がモンスターに当たり、モンスターの体中に電撃が走る。
もともとカエルなので(カエル型だし)、炎には何とか耐えることの出来たモンスターだが、電撃には無力だった。
「グアアアアアア!!」
「とどめ・・・」
と、普通の弾丸と同じ黒色、だが、銀色で小さく「Darkness」と書かれた、弾丸を取り出した。
「黒!!」
バン!と放たれた弾丸は、モンスターの体に当たると、黒色の渦巻き、例えると小さいブラックホールのようなものが出現し、モンスターを飲み込んでいった。
「オ、オノレェェ・・・・」
菜那が珍しい理由。それは、弾丸に何かしらの能力を付加する弾。色弾丸を持っている唯一の人間だからだった。
「ふぅ。」
菜那は一息ついた。結構やってきた粛清屋の仕事でも、あんなにダメージを食らう仕事は初めてだったからだ。
「あ・・・あの・・・」
「?」
あまりの出来事に唖然としていた2-Aのクラスの一人が声をかけてきた。
「あなた・・・なんなんですか・・・?」
「・・・・・」
菜那は、ばれるといけないので、無言でその場を去り、他の場所の応援に向かった・・・
菜那は戦っている最中に結構声出してたんですけどね・・・
菜那が所属しているのは1-Eだからばれてない!ということで。