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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

カビパン? ~スカートめくりをされた女子高生が、今度は自分からめくらなければならなくなった時の話~

作者: 栗野庫舞

多分、仲良し三人組のお話です。

 あなたは高校の廊下にいる女子だった。休憩時間に、友人の女子二人と喋っている。


 そんな中、あなた達女子三人グループのうちの一人が、不意にもう一人のスカートをめくり上げた。


「きゃあっ!」

 めくられた女子はすぐにスカートを押さえた。


 その女子のすぐ横にいたあなたは、彼女のスカートの中を目撃してしまった。


「いきらり何するのっ!」

 恥ずかしがりながら抗議する女子。


「ごめーん、ちょっとやってみたかっただけ~」

 悪びれる様子もない、いたずらしたほうの女子。


 ここで、そのやり取りが終わっていれば、どんなに良かったことか。


 あなたが見てしまった女子の下着には、不審な点があった。そこを知ったあなたは、目に入れてしまったことをひどく後悔した。

 なぜなら、彼女の白い下着に、緑の小さな粒々がついていることに気づいたからだ。


 その事実を、あなたはさり気なく本人に伝える。……パンツにカビが生えていないかと。


「えっ、嘘っ?」


 スカートを押さえていた女子は、一転して自分でスカートを(まく)り出す。彼女も必死だったのだろう。人目も気にせず中を自ら(さら)して、穿()いているものを見回した。


 スカートをめくった女子も、さすがに友人を心配する顔になっていた。


 三人が三人、女子の下着を確認したところで、結論が出る。


 真相はこうだった。


「……それって、模様じゃない?」

 めくった女子が的確な答えを口にする。


 女子の白い下着は、数は多くはないが、緑のぼやけた点々模様が入っているデザインだったのである。


 全体的に見たらかわいい印象の下着で、白みには多少は穿()き古した感があるものの、カビの持つ不衛生さはなかった。


「なーんだ、良かったぁ……」

 ほっとした女子はスカートを元に戻す。どうも彼女は、今日穿()いてきていた下着の模様を忘れていただけのようだった。


 この時のあなたは思う。


 はたして、本当に良かったのだろうか? と。


 いたずらされた女子は、スカートをめくられて恥ずかしい思いをし、日常では見られないようにするべき下着を二度もあなたや友人に見られて、下着にカビが生えているとさえ疑われた。もっとも、最後のは勘違いで悪気はなかったのだけれども。


 疑問が解消されないまま、あなたは考えるのをやめる。


 休憩の終わりと授業開始の両方を告げるチャイムが鳴った。


                    (了)

最後までお読み頂き、ありがとうございます。


もし良かったら、作者の別作品、『サキュリバーズ!』や『ホラチョコ! ~チョコミント好きな女子高生の恐怖体験談~』などもよろしくお願いします。

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