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第7話.異世界出勤

誤字、脱字はご容赦下さい

●7話.異世界出勤 


よいしょっと。

ふー。やっと運び終わりました。

恰好は例のボロ服。制服?いや作業服と呼んだほうがいいか。


今、俺は異世界にいます。

メルシオール世界管理(株) ホースト支部。住居も兼ねてる素敵なログハウスですね。

今から素敵な生活(仕事)が始まります。


ここでサボるって?いえいえ出来ませんよ。

世界が違うとはいえ、部屋1個挟んだ先が会社のオフィスですしね。


やましいことやってたら17時までなら吉村さんが覗きに来るかもしれませんしね。

会社の隣の部屋に住むようなもんなのですよ。


とりあえずPCを立ち上げて情報を収集。

支部近辺半径500km圏内ぐらいの地図ってやつを

PCのファイルからダウンロード。

うわこれ、原本、手書きじゃん。

子供が書いた宝の地図みたいだ・・・・(笑)

とりあえず倍率5倍拡大して100km圏内ぐらいの地図をプリントアウトして壁に貼った。


ここは異世界で大陸の中西部。

すぐ南にはアステル王国という国があって北にはキスヤ帝国といった国がある。

ここは二つの国に接した国境近く辺境地。

今いるログハウスはサラン大陸の中西部をにある霊峰メルシオールの麓の森の中との事。この場所はかつてこの場所で暴れた怪物を倒した神メルシオールが住まう霊山ということでこの山の一帯は、二国の統治下でなく中立の自治区として存在しているエリアにあるとの事だ。

ここから南に20キロ程行くとラサンという名前の小さな街があって、そこからはアステル王国の領土との事だ。


ちなみにこれ以上、広域の地図は無い。

だいぶ大昔になるので国や地名も地形も変わってるうえ当時の手書き。

あまり正確でないので使えないとの事らしい。


「霊峰メルシオール・・・・会社の名前だ。何か会社がやったんだろうか?

最寄りの街まで歩いて3時間以上はかかるな。うわー、秘境だねこりゃ。」


そんな今はどうでもいいような事をぼやく。


工房に行った。


おお!高炉あるじゃんか。

規模は小さいけど製鉄とか出来そう。

各種ヤットコとハンマー。ノミもある。大きさも種類もいっぱい。

カンナもあるし木材加工も出来るのね。でも全て手作業なのね・・・。

あんまやったことは無いけど古代の鍛冶職の仕事ぐらいなら大体知ってる。

そそ、ドワーフ達が鉄を溶かしてあとかんかん叩いて伸ばして錬鉄するアレね。

立派な高炉だし火力も出そう。

ついでにガラスなんかも作れそうだな。


そうだな、ここからちょっと歩いたとこに沢があるらしいから

砂鉄でも集めて早速やってみるか。


とりあえず魔物いるみたいだし

身を守れる武器や傷んだ工具を手入れできないとそこで詰むし

業務上、なるべく早くこの拠点からひとまず出て、世界の調査しないといけないからな。

ここからスタートだな。


まぁ、設備で文化水準は分かった。

現代みたいな細かい細工なんかは大変そうだが

このエリアまでは地球の工具使えるからここだったら一人でもやってもなんとかなるかな。



工房を見た後

とりあえず、外に出てみた。

「まだちょっと寒いな。」


現世界では三月上旬。

ここも暦は全く同じになっているらしく、場所は山の中。

季節は春になるが風はまだ肌寒くボロい服でうろつくにはやや寒かった。


納屋に布っぽいの物があったのを思い出し、

納屋に向かう。

納屋は広い。バレーボールのコートぐらいの広さ。高さも結構ある。


「あったあった。」


入口から入って右側の目立たない所に大きな茶色の毛布みたいなモノがぐるぐる巻きにして置いてあった。中には丈夫そうなこげ茶色の皮と灰色の毛皮っぽいのが包まれていた。


普通の布。茶色。結構大きい。リビング用カーテン位のやつが10枚分くらい。

次は丈夫そうなこげ茶色の皮。凄まじく丈夫そう。毛は無くツルツル。

とても大きい。ぐるぐる巻きになっててここでは広げられないが、体育会みたいなイベントでグラウンドでよく使う設営テントの三倍以上はありそう。それが1枚。どことなく不思議な品がある。

毛皮、オオカミの毛皮かな?10枚あった。たぶん10匹分。


「おっ!良かった糸もある。」


タコ糸みたいな太さのやつと太目の毛糸ぐらいの太さの糸と

タコ糸よりもやや細い糸。

普通の糸もあった。


使い方は

太いのは狩猟とかで罠にでも使うのかな。

タコ糸ぐらいの太さの糸は漁で、普通の糸は衣服かな。


使っていいか聞いてみよう。


吉村さんに電話した。


「もしもし・・・・あっ社長?吉村さん?えっ?、お昼ご飯食べに行った?」



・・・・いなかった。



「納屋の布? あー、鈴木君の好きに使っていいよ。まだ寒いしねぇ。」


社長との電話中。

吉村さんはお昼休み、社長は留守番で東京のオフィスにいるらしい。


「あ、そうそう、それとその中にある毛皮もあげるよ。灰色のやつは普通のオオカミの毛皮だけど、茶色のやつは丈夫だから防具にするといいよ。」


「有難うございます。あ、それと社長、

そういえばここの拠点の場所ってメルシオールっていうんですね。」


ここで何かあったのかなぁ?


「そーだよ。昔その世界作った後、何度かしばらくそっちのログハウス住んでてね。

暫くそこに住んでたらその近くにでっかい魔物が出てきたんだよ。

儂、仕事忙しかったかったし、留守中に拠点でも壊されたら嫌だから、

さっさと捕まえて皮をログハウスの屋根に使ってみたんだよ。

イヤー、非常に良かったね。あの皮、防火、防水ですっごい丈夫だ。

その魔物レアらしくてね、屋根に使った残りは勿体ないから納屋に丸めて入れて・・・・・」


「あのー、なんていう魔物ですか?」


「ん? 鈴木くん、ベヒーモスって知ってるー?そいつはねー・・・。」


しってるわー。

きいたことあるわー。

そんなのゲームにいたわー。

やっぱり反則級につええ奴よねー?


「・・・そしたら近くの住人たちがやたらと儂の事拝むからもうあそこには住み辛くなってねー・・・・。」


なんか電話の向こうで社長の声が聞こえ続けます。


その後、何を言っているのかわからなかったです。




・・・・そんなのがいるんかい!





読んで頂き誠に有難う御座います

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