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第2話.面接

誤字、脱字はご容赦下さい。

●2.面接

翌翌日朝の事


‘着信メール1件


面接のお知らせ

ご応募頂き誠に有難うございます。

採用につきまして面接による試験を行いますので下記日程時刻にご来社下さい。

202△年 △月 △日 

AM10:00~

東京都文京区●●×丁目‐1‐×× ◇◇ビル6階

メルシオール世界管理株式会社 

代表:江楠 太郎


「おお!メール来たよ、面接キターーーーー!」


俺は昨夜寝る前にどうしても気になったので取り急ぎ作り置きしていた履歴書を添付して求人に応募していたのだった。


結婚しているわけではないし、子供もいない。

今住んでいるアパートが生活の拠点だが、出張、駐在で住むところがあるなら全く気にもならない。会社の内容は詳細の説明文だけではいまいち理解できない仕事内容と変な会社名だが、まず面接までいった事の方が僥倖だ。


とりあえず、上手くいけばいいなぁと思いながら面接当日、会社に向かった。


案内に従って移動した先が以前の職場関連でよく訪問していた得意先の近く、見知った場所だったので拍子抜けした。だが


「何度も通っていたけどこんなビルあったっけ?」


そこは小さな6階建てのビルだった。

いずれにせよ拍子抜けした表情のままその6階建てのビルの一角にある会社に訪問した。



オフィスに入る大きな机がおいてあり小さな呼び鈴を押す。

すると比較的ラフな格好をしたおばちゃんが出てきて、その奥の小さな会議室みたいなところに案内してくれた。


小さなオフィスだった。

ガラス越しの会議室の壁からオフィス全体が見える。

おばちゃんがいる部屋には机にPCと電話とコピー機と事務用の書棚

その奥に社長室の扉ともう一つ扉があるだけ。おそらく社員は社長とおばちゃんだけなのだろうか。



しばらくすると会議室に人が来た

白髪の老人。身なりは小綺麗で仙人のような髭は生やしてはいないが好々爺。

どことなく日本人ぽさのない顔立ちをしていた。

江楠 という日本人の名前だが西洋風の顔立ちでどう見ても外国人に見える外見だった。


「いらっしゃい。君が鈴木君かい。履歴書は見ましたよ。私が社長の江楠えくすです。 ああ、吉村さんお茶を出して。早速面接を始めましょうか。」


おおっ!

何というアットホーム的な会社なのだろうか。

突然のリストラをくらって、求人に書類選考で質問の有無もなく落とされまくって擦れてしまった俺の心にはとても嬉しかった。俺の好感度は上がった。面接でお茶出るとは!

社長や社員の仕草には堅苦しさはほとんど無く、吉村さんは程無くしてお茶を出してくれた。


「早速面接をするのだけど、ここには今私と吉村さんの二人しかいない小さなオフィスですし緊張しないでお話しましょう。まずこの会社は・・・・」


「・・・・・・以上です。 何か質問はありますか?」


!!!


驚愕の仕事内容だった。

驚愕のあまりに出されたお茶をもう一度ぐいっと飲んだが、どうやらここは現実のようだ。

仕事内容は、とある人物が異世界を作ったのでそこに住んでもらう事だった。

勤務時間は月曜日から金曜日の週5日勤務。土日はこっちに帰って来てもいいとの事。


どうやら異世界というものがあるらしく、そこには文明もあり人も住んでいるとの事。

そこに駐在勤務という形で長期的に住んで、その世界に起こっている危機があれば報告する事だった。

ノートパソコンと住宅、事務機器は会社が手当で現場に支給するとの事。


「他の社員は各自他の異世界で駐在で働いているからねぇ・・・」


まじか!


異世界物

ラノベの定番コースで時代は中世ぐらい。魔法ありの世界。

作った異世界はそこを作った人物の完全な趣味の世界のようで、詳細は後々説明するとの事。


「鈴木君は機械設計技師で護身術も出来るんだよね?」


俺は、元設計技師だった事もあり、生活に必要なモノ作りもやろうと思えば出来る。

雑魚ではあったが高校一年まで近くの道場で護身術の剣道もやっていた。

誰でもとれる2段までだが・・・

俺は呆然としながらも笑顔で聞いてくる江楠社長に現在までの自分の生い立ちを説明した。


「うん、うん。なかなか君のような人物がいなかったから是非うちに来てくれたら助かるよ。

仕事内容は住んでみる事。好きにやっていいから。でも世界を破滅に導いたりしないようにすればいいからね。」


「はい。頑張ります。」


「ええと私のことは、現地では神様と呼ばれていますが、現地の人にそう聞かれると不味いので社長かミスターXとでも呼んで下さい。」



・・・・おい!名前、そのまんまやんけ。



俺は採用となった。



読んで頂き誠に有難う御座います。

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