01 聖なる都、伝説の都
ここは伏線です。
地球には、月と言う衛星がある。
地球生物にとって、太陽に並ぶ重要な天体であり、目の見えない珊瑚ですら、満月の日を選んで産卵する程である。
この月の誕生については、諸説ある。
・先ずは、双子星説。
太陽系誕生の際に、他の惑星達と同様に生まれ、地球と同じ軌道上に、寄り添う様に誕生したと言う説だ。
しかし、これは現代、否定されつつある。
地球と月のサイズ比較だが、直径が1対4と、近似値過ぎる。
他の惑星と衛星の比率は勿論、太陽系で、かつては双子星だったと推測されている海王星と冥王星ですら、海王星は直径が約49,528kmで冥王星は直径が約2,370 kmと、およそ25倍の開きがある。
異質である。
加えて、近代観測結果では、月は地球から離れつつあり、古代は今より近い位置に有ったと推測されている。
と、すれば、月が誕生していた時期には、ロシュの限界に近く、天体としての誕生が怪しまれる。
・次に、親子説。
地球が出来かけの時に、その一部が飛び出したとする説だが、現代では否定されつつある。
・更に、他人星説。
彗星の様に、太陽系を遊覧していた岩石天体が、地球の重力に捕らわれて、衛星になったと言う説。
月は、いつも地球に同じ赤道面を向けている。
木星の衛星にも見られるという、この現象は、天体誕生時に、他の天体の重力に影響を受けて、衛星の重心がズレた故の現象だと言われている。
つまり、他所で形成された天体だと、自転により裏側が見えなくてはならない。
よって、現代では否定されつつある。
・今、一番有力なのが、天体衝突説。
地球が、ある程度の形成をした段階で、他からの天体衝突が発生し、重力により再構成する際に、大小ふたつの天体として、安定したと言う説で、辛うじて成り立つらしい。
しかし、カルトな面々が唱えている説が、もう一つある。
・人工天体説。
月は自然天体ではなく、高度な知性体により作られた、巨大な宇宙船であるとする説だ。
人間の技術力や常識論では、容認出来ない、この説には、先に述べた多くの不可思議の他に、常識的な矛盾点がある。
それは、位置である。
地球上で、定期的に起きる日食は、世界のどこで起きてもテレビ放映される程に、周知な物になっている。
そして、完全な日食は、太陽のコロナを肉眼観測できる程に、見事な物だ。
太陽系では、稀な0.0549と言う真円に近い軌道離心率を持つ月の軌道の為に生じる金環食も美しいが、これらは、地球上から見える、太陽と月の見掛けの大きさが、ほぼ同じだから起きる現象である。
それが、たまたま、大きさの比較が出来る知的生命体の生まれた惑星上で起きる?
奇跡は、確かに有るだろう。
確率論からも、有り得ると言える。
ただ、常識的には有り得ない。
二つの仕掛けの無いダイスを振って、1のゾロ目が一万回連続で出る様な物だ。
常識ならイカサマを考えるだろう。
その結果、現代の現実主義者が辿り着いたのが、人工天体説なのだ。
太陽光の影響を受けにくい観測の為か?単なる娯楽や謎かけの一つとしてかは不明だが、あまりに作為的な位置に、月は存在する。
そして、地球を観測しやすいかの様に、相対的な自転をしていない。
月面での地球観測施設は、一つで済むだろう。
月が人工天体であるらしい記述は、伝承の中にもある。
聖書の『ヨハネへの啓示』には、以下の様な記述がある。
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21-10
そして彼は、霊の力のうちに私を大きくて高大な山に運んでいき、聖なる都市エルサレムが、天から、神の元から下って来るのを、
21-16
その都市は四角であり、その長さは幅と同じである。また彼は葦でその都市を測ったが、一万二千ファーロングであった。その長さと幅と、高さは等しい。
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自称、信者達の大半が、神の裁きを口にするのに、この辺りは読み飛ばしている。
聖なる都市エルサレムの形が、正立方体なのか、四角錐なのか、ダイヤマーク型なのかは意見が別れるが、最大値を出す正立方体で、サイズを検証してみよう。
1ファーロングを1スタリオンとし、185メートルとする。
それによると、聖なる都市エルサレムの一面は、2,220キロメートル~2,412キロメートルとなる。
これが構成する正方形の対角線は、3,111キロメートルにも及ぶ。
一辺を2,220キロメートルとする正立方体の最大幅は、3,810キロメートルに及ぶ。
これに近いサイズの天体は、太陽系では、
地球の衛星:月
赤道直径3,476km
木星の衛星:イオ
赤道直径3,630km
木星の衛星:エウロパ
赤道直径3,138km
位である。
数字は嘘をつかないらしい。
更に、この書には、次のような記述がある。
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11-02
しかし、神殿の外側にある中庭は、これを全く放っておき、そこを測ってはならない。それは諸国民に与えられているからである。彼等は聖なる都市を42ヶ月の間、踏み躙るであろう。
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42ヶ月。1,260日と11-03でも唄われる日数だが、この三年六ヶ月は、アポロ計画の月着陸期間に、酷似している。
アポロ11は1,969年7月。
最後のアポロ17は1,972年12月である。
その期間に月面を歩いた/踏み躙った人数は12人で、偶然にもペドロをはじめとする使徒の人数と、符合する。
更には、東洋の日本と呼ばれる国には、中世に月から飛来した人間の伝説があると言う。
現代地球人の盲信は、これから真偽が正される事になるのだろうか?
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古代伝説の一つに、一夜にして海中に沈んだとされる、古代大陸アトランティスがある。
様々に脚色されて伝わっており、古代ギリシアの西にあったとされているが、大西洋には、その様な大陸の痕跡を発見できず、また、北米大陸とも違う様だ。
勿論、アトランティスが大西洋に有ったと宣う者達は、プラトン全集のティマイオス等を、ちゃんと読んでは居ないのだ。
ティマイオスにおいて、アトランティス大陸が語られる前に、太陽の運行が、つまりは地球の自転軸が、不変ではない事を語っている。
22頁3段落
/// パエトンの墜落 ///
アトランティス大陸があった神話の時代、ギリシャの西/太陽の沈む方向は、必ずしも大西洋では無いのだ。
更には、この様にも書かれている。
アトランティスを囲む、正真正銘の大洋、全ての海に繋り、全ての大陸に囲まれていると。
25頁1段落
実際に、地球儀を眺めても解るが、大西洋からは、海洋を使って、オーストラリア大陸までは直線では行けない。
確かに、時代的な世界観は有るので断定は出来ないが、現実には、全ての大洋に直接に直線で繋り、全ての大陸に囲まれて直線的に囲まれている大陸が、地球には存在する。
それが、『アトランティス・南極説』だ。
ギリシャとインド洋を繋ぐスエズ運河は、有史以前から有ると言われており、その周辺には塩湖が点在している。
地球の回転軸が異なれば、地球の遠心力で、スエズ運河周辺の水位は上昇し、二本の巨大な運河/ヘラクレスの柱が誕生する。
ギリシャから、スエズ運河を経て、更に先には、南極大陸がある。
ティマイオスには、アトランティス大陸の主神ポセイドンの長子としてアトラスが居る。
ギリシャ神話での同名の神は、彼はゼウスに負けて、天が落ちてこない様に支える宿命を背負わされた巨神だ。
現在、南極大陸には、天から太陽放射線が落ちてこない様に支えている、地磁気極が存在している。
また、あまり公表はされていないが、アメリカの調査隊が、南極大陸の一部に、森林跡を発見している。
アトランティス大陸は、亜熱帯地方だったとも伝えられている。
急激な地球自転軸変動により、気候変動が起きて、大陸が雪の下に沈んだのは、想像に難しくない。
※パエトンの墜落
太陽神と人間の間に生まれたパエトンは、地上で暮らしていたが、地上の人達は、パエトンが偉大な太陽神の息子だと信じてくれなかった。
考えあぐねたパエトンは、天界に行き、父である太陽神の乗る太陽の馬車に無断で乗って、太陽神の息子である事を証明しようとした。
太陽の馬車は、天高く飛び立ったが、馬が途中で乗っているのが太陽神でない事に気付き、暴れだしてしまい、太陽の道筋を外れて、パエトンを落としてしまう。
恐らくは、急に太陽の運行が変わった事に対する、古代人が後付けで考えた神話と考えられる。