2 俺だけ知らなかったのか……
反応ありがとうございます(*´ω`*)
書ける時に頑張るので不定期になるかもですが……精一杯頑張りますのでよろしくですm(_ _)m
『清香ちゃん?もちろん知ってるよー』
姉の桜姉さんに電話をするとそんな回答を貰えたのだが……やっぱり姉さんも知ってるのか……
『ていうか、晴太くんだけ知らなかったんじゃない?千鶴姉も美穂ちゃんも真帆ちゃんも知ってるし』
「マジかよ……というか、誰もそれを俺に伝えなかったのは何故?」
『え?母さんに口止めされてたから。面白そうだから黙ってようって』
「あのババア……」
思わず頭を抱えしまう。そんな俺に対して桜姉さんは思い出したように言った。
『ただ、父さんはちょっと不安そうにしてたかなぁ。晴太くんは一途だから清香ちゃんのこと受け入れるには時間かかりそうだって』
「ならせめて事前に言って貰いたかったよ……」
いや、わかってる。親父はお袋にベタ惚れだし、よっぽどのことがない限りは従うってことは。まあ、お袋の方が親父にもっとベタ惚れだし、うちの家族は基本的に親父が1番好かれてるのだが……まあ、今はそんなことはどうでもいいか。
「なあ、桜姉さん。普通に考えたらダメだよな。教師が生徒に手を出すなんて」
『ん?まあねぇ。でも確か母さんは父さんをゲットする時に似たようなことしてたらしいけどねぇ』
「そうなのか?」
親の馴れ初めはそういや知らないな。いつもラブラブだし、全然そんな風には見えないが……
『まあ、でも禁断の恋も本気ならいいんじゃない?それに清香ちゃんに手を出すのをセーブして卒業まで隠せばいいんだからやれないことないと思うよー』
「あのな……俺は親御さんから信頼されて生徒を預かってるんだぞ?その信頼を裏切るような真似出来るわけないだろ」
『え?もしかしてこれも知らないの?清香ちゃんのご両親とも既に面会してて家族ぐるみで交流してるんだよー』
………本当になんで、俺だけこんなに知らないのだろうか。当人を置いてけぼりにして話が進むとか一種のイジメですよ。ええ。というか、美澄のご両親のあれは冗談じゃないのか?
『まあ、完全に外堀は埋められてるねぇ。清香ちゃんって意外と策士だし』
「その頭をなんでこんなことに使うのか疑問だがなぁ……」
『そりゃあ、晴太くんのこと大好きだからでしょ』
「俺、あいつに好かれるようなこと何もしてないぞ?というか、俺のせいでアイツが……玲子が死んだのにどの面下げて他の女とくっつきゃいいんだよ」
その言葉に桜姉さんはため息をついてから言った。
『うん、やっぱり晴太くん面倒くさいね』
「ズバッと言うなよ。へこむわ」
『だって、面倒なんだもん。据え膳食わぬは男の恥って言うでしょ?可愛い美少女に好かれてるんだからガッツリ食えばいいじゃん』
「そこに毒があってもか?」
『幸せ税だと思えば余裕だよ』
気楽に言ってくれるぜ……
『まあ、でも、父さんの負担が減るのはいいことだよ。かなりの距離往復してるし、母さんも孫のためとはいえ家に父さんが一瞬でもいないのが許せないみたいだしね』
「ガキかよ」
『母さんの独占欲強いからねぇ。千鶴姉も凄いけど』
しかし、美澄がここまで用意周到にしてるとは……これは、絶対に俺の前の妻……玲子のことも知ってるよな。まあ、冗談の可能性もあるしとりあえず帰るしかないかと思い桜姉さんとの電話を切ってから重い足取りで家に帰るのだった。