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13 今更なご両親への挨拶

ご挨拶

「なあ、清香よ」

「なんですか晴太さん」

「俺はお前に好かれてると思っていいんだよな?」

「はい。私は晴太さんのこと愛してますよ」

「ならこの状況はなんなんだ……」


場所は美澄の実家。送り届けてからすぐに帰ろうとしたら美澄が家に寄っていくかと聞いてきて、それを聞きつけた美澄の母親が美澄の父親を呼びに行くというまさかの展開になっていた。


うん、そりゃね、確かに美澄に対して俺も色々打ち明けたから、色々思うところは出来たのだが……それでも、言いたい。いや、確かに家に来させてるし、挨拶は必要だろうけど……今唐突に必要なことか?


「先生、お待たせしました」


そんな風に話していると、カタギの雰囲気じゃない明らかに頭文字にヤの付きそうなイケメンなお父さんが姿を表した。ちなみに美澄の母親は美澄をさらに大人にしたような人だったりする。


「いえ、夜分遅くに申し訳ありません」

「こちらこそ、娘と妻が無理強いをしたようで申し訳ない。娘は強引なのでご迷惑かけてないか心配です」

「迷惑なんて……むしろ、子供達の面倒を見てくれて助かってます」


思ったより穏便に済みそうでホッとしていると、美澄のお母さんが微笑んで言った。


「そんなに畏まらなくても、この人見た目こんなんでも普通に穏やかな人ですから大丈夫ですよ」

「いえ、別にそこには萎縮してませんが……」

「あら?それとも娘に手を出したことを責める父親がお望みかしら?」

「俺にそれが出来るわけがないだろうに……すみません。先生。あまりお気になさらず」


なんだろう……お父さん普通に気が合いそうだ。めっちゃいい人っぽい。


「まあ、冗談はさておき……そう緊張なさらなくても大丈夫ですよ。私も夫も先生のことはとても認めているので」

「……俺の経歴とか全部知ってんですよね?」

「はい。娘が調べたものですが存じてます」


やっぱりか……


「あ、そうそう、明日遥香さんと健斗さん……先生のご両親と会う約束してるんですが何か伝えますか?」


というか、めっちゃ家族ぐるみの付き合いになってるやん……


「いえ、特には。親父にはこないだまでよく会ってましたし。お袋はお袋で多分酒に付き合わされるので」

「遥香さんお酒強いですしねぇ……でも、健斗さんは先生のこと心配してましたよ。今度安心させてあげてください」

「……はい。あと、娘さんにはいつもお世話になってます」

「いえいえ、婚約者なのですからいいんですよ。これも嫁入り修行ですからね」


嫁入りか……なんか、教師としての倫理観的にはあんまり好ましくないのは変わらないんだけど……ここまで慕ってくれてる美澄と子供的にはそれもいいかと思い始めてる自分がいる。何より守られるだけが女じゃないか……わかってても耳が痛いな。


そんな風にご両親とは和やかに済んで良かったけど……最後に確認したいことがあるとは感じた。







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