人助け
とある村に立ち寄った時のことだ。
その村は、以前魔物に襲われたらしく酷く寂れていた。
戦いで疲労した体を少しでも休めようと思い宿に向かったのだが、そこである問題に巻き込まれることになってしまった。
「勇者様、どうか子供たちを探して貰えませんか?」
「当たり前だ!困ってる時は助け合うのが普通だからな!」
近くの洞窟に子供が行ったっきり帰ってこないらしい。
宿代はタダにするから様子を見てこいとのことだ。
正直行きたくはなかったのだが、勇者ということで顔を知られている。ここで断って悪評が付くのは今後の旅にも影響していくだろう。
それに仲間たちがやる気になってしまった。ここで行かないと誰が言えるのだろう。
そして、件の洞窟まで出向いた訳だが、当然のようにそこまでの道のりに魔物が大量にいた。
子供はどうやって洞窟まで辿り着けたのだろう…。
話を聞く限りでは自分から洞窟に言ったように聞こえたが…魔物にでも操られていたのだろうか?
洞窟内は薄暗く、少しジメジメしている。そしてやたらと広い。分かれ道が多く、マッピングをしないと帰れなさそうだ。
「…すみません、少し、休んでもいいですか…?」
流石に歩き疲れたのだろう。シャルの顔色が少し悪くなっていた。
「…大丈夫?一応、回復魔法かけとくよ。」
「あ、ありがとうございます…。」
「ちょうど休めそうな部屋もあるし、そこで休憩しようぜ!な、勇者!」
「…そうだね、無理は禁物だ。」
無理をして全滅…なんてシャレにならない。
加護があるとはいえ、またこの洞窟を1から歩き回らなければならなくなる。
それは避けたい。
そして、俺らは少し休憩をとる事にした。