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第一話 旅立ち
「カルム、誕生日おめでとう。…今日から、旅に出るのね。気をつけて、いってらっしゃい。」
15歳の誕生日、元勇者の父親と、村で一番美しいと言われてた母親から産まれた俺は、今日から魔王を討伐する旅に出る。
父親は、俺が小さい頃、魔王に殺された。
魔王は悪だ、国民の敵だ。そう教えられてきた俺が、魔王を恨むのは必然だった。
実際、勇者になることが夢だったし、憧れでもあった。だから、今日この日が来るのをずっと待っていた。
「母さん、行ってきます。絶対、魔王を倒してくるからね!」
そう言って、故郷の村を離れた。
寂しさと、不安…そして、それを上回る正義感を胸に、新たな旅の1歩を踏み出して行った。
やっと勇者になれる…
そう、思ってたのに…
「勇者カルム、貴様は何を望む?」
「……私は、魔王様に…忠誠を、誓います…。」
なんで、こうなってしまったんだろう…。
初投稿です。
1話1話は短いです。
更新速度はかなり遅いかもしれません。