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マジックセンス  作者: 金屋周
第一章:冒険者
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07:クエスト

遅れて起床したジギタリスを加え、四人で朝食を軽く摂り受付へと足を運んだ。



「調査系のクエストですか……?」



サンナの提案により、まずは軽めなクエストを探してもらう。



「ああ。ありましたよ。砂漠にある遺跡の調査です。大広間があるのですが、そこの壁画の奥にも部屋があることが分かりました。その部屋の入り口を探すのがこのクエストですね。」



「じゃあ、それを……。」



クエスト内容が書かれた紙をフィカスは受け取り、四人でギルドを出る。



「砂漠まで行くとなると、装備を整えていきたいところです。」



馬も欲しいです。とサンナは付け足した。



「うん。けど……。」



肝心の資金がまだない。


フィカスは武器も持っていない。



「歩いて行けないことはねぇ!歩こうぜ!」



「そうね~。そうしましょう。」



ジギタリスの提案とアベリアの賛同によって、徒歩での移動が決まってしまった。


町を出て、西へとひたすら歩く。やがて草木も少なくなっていき、気が付くと辺りは荒野のようになっていた。



「それで、砂漠にはいつ……?」



「は?もう着いてますよ?」



「え?」



砂なんてほとんどない。



「あら~。砂漠って礫砂漠のことだったのね~。」



聞き慣れない言葉にフィカスは首を傾げた。



「砂砂漠なんて、ここいらにはありません。大体、世界の砂漠はほとんどが礫砂漠でしょうが。」



「あーうん……そうなんだ……。」



これまで村から出たことがなく、勉強もほとんどしたことがないフィカスにとって、当然のように言われてもピンとこなかった。



「ガハハ!でも砂漠って聞くと、やっぱ砂があるイメージだよな!絵本とかでも普通そうだろ?」



「まぁ……そうですね。」



キツイ言い方をしてしまったと、サンナは反省するようにジギタリスに同意した。



「ところでサンナ、その格好だと暑くないか?」



黒づくめの肌を隠す衣装に不安は確かに出てくる。



「いや、慣れてるので。これくらいの暑さなら……。」



よく見ると頬に汗の粒が浮かんでいる。


少なからず、暑いとは感じているらしい。



「そう言えば、フィカスの武器はクエストの報酬で買うとして、もし他のパーティーと当たった時は、どうするんですか?」



「他のパーティー?」



「ええ。同じクエストを受注したパーティーがいても不思議ではないので。報酬の取り合いになるため、大抵は勝負になると思いますが。」



その点を全く考えていなかった。


そうか。戦う相手は何もモンスターだけじゃない。


自分がまだ戦えないことは一先ず置いておいて、リーダーとして考えなければならない。



「できれば、戦いたくない。けど……。」



「けど?」



フィカスは真っ直ぐにサンナを見る。



「譲ってばっかりだと、こっちも生きていけないんだ。だから、状況によっては戦った方がいいと思う。」



生きるために何かをするのはお互いさま。思いやりばかりが良いとは言えない。



「じゃあ、そういうこととして……アベリアとジギタリスは戦闘経験は?」



「ない!」



「ないわね~。」



サンナは肩をすくめた。



「そうですか。まぁ私が戦うので、サポートをやってください。」



「おう!任せとけ!」



「あっ……見えてきた。」



遠くに見える断崖。その一角に洞窟のようなものがある。


地図によると、それが調査対象の遺跡のようだ。

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