04:アサシン
「うん……そうだけど……。」
きちんとした言葉遣いだが、どこか怖さを感じさせるその少女に、フィカスは委縮しながらも頷いた。
「やはりそうですか。では、私をパーティーに入れてくれますね?」
「ええ。いいわよ~。」
今度はアベリアが返事をした。
「どうも。」
少女はわずかに表情をゆるめた。
何の衣装だろう……?
全身を黒く覆うような服を着こんだ少女に対し、フィカスは頭の中で首を捻った。
アベリアとは対照的に露出の極端に少ない格好。
大きなマントのようなものなのか、身体の線が分からない。
その黒づくめの服装には似つかわしくない、ふわふわした桃色の肩まである髪。
「それじゃあ、ちょうど飯を食おうと思ってたんだが、パーティーも完成したことだし、自己紹介といこうか!」
ジギタリスの元気な声がかえって気まずさを生む。
「完成?四人でですか?」
「おう!俺たちは全員、素人……もとい初心者だからな!大所帯は無理ってことよ!」
少女はそれを聞いて「なるほど。」と納得した様子だった。
「じゃあまずは俺から。年齢は全員同じだから省いていいな!俺はジギタリス!職業・ヒーラー。種族・悪魔だ!よろしくな!」
「ジギくんよ~。……次は私ね~。私はアベリア。職業は武闘家。種族は人間よ~。よろしくねぇ~。」
桃色の髪の少女は椅子に腰かけ、口を開く。
「私はサンナ。職業はアサシン。種族は天使。よろしくお願いします。」
「じゃあ、サーちゃんね~。」
アベリアが軽く流したことをフィカスは拾う。
「天使?」
「ええ。そうですが。まぁそこに悪魔がいるので、特に珍しくないと思いますが。天使の特徴はただ一つ、空を飛べることのみです。」
「飛ぶための羽はどうしたんだ?」
サンナの背中には何もついていない。そのことに疑念をもったジギタリスがそう質問した。
「収納できるんです。飛ぶ時には翼が生えます。」
「そうか、イカすな!」
「えっと、いいかな?」
「おう!止めて悪かったな!いいぞ!」
遠慮がちなフィカスに先を促し、ジギタリスは笑った。
「じゃあ……このパーティーのリーダー……になるのかな?僕はフィカス。職業は魔法使いで……種族は人間。えっと、これからよろしく。」
「フィーくんよ~。」
「ええ。よろしくお願いします。ちなみに、フィカスはどんな魔法を?」
そういえば聞いてなかった、とジギタリスとアベリアもフィカスに視線を向けた。
三人から一斉に視線を向けられ、フィカスは緊張を解くべく大きく息を吐いた。
「僕は……頭の中でイメージした何か……物をそこにあるってイメージすると、本当にそこに出てくる魔法?が使える……これって魔法になるかな……?」
それを聞いて三人は固まった。
真っ先に反応したのはジギタリスだった。
「……そりゃあすげぇじゃねぇか!何でも出てくるってことだろ!?」
「ああ、うん。けど、イメージできないと出てこないから……何でもってわけじゃ……。」
たじろぎながらそう答えたフィカスにサンナは詰め寄る。
「つまり、創造魔法ということですね!?アサシンとして活動してきましたが、そんな魔法は聞いたことがありません!もしかしたら……。」
「世界で唯一かもなぁ!良かったじゃねぇかフィカス!」
背中をバンバンと叩かれながら、予想していなかった反応にフィカスは目を丸くしていた。




