4話
詩緒理と雅久との出会いを果たした私は、お二人と共に毎日を勉強に費やしてました。詩緒理も雅久も疑問に思うこともあるでしょうに、毎日私に付き合ってくれます。ですが、魔術の勉強や歴史の勉強にのめり込んでいるといつの間にか家にある書庫の本はある程度読み終えてしまいました。
「わたくし、かていきょうしがひつようですわ」
「お嬢様は頭が良いですから、その辺の家庭教師では役不足ですわ」
私が独り言を呟くと詩緒理からなかなかの毒舌が返ってきました。最近、詩緒理も雅久も私に対して過保護が増してきてまして私に近付こうとするものは家の者でも警戒するようになりました。一緒に過ごして1年も経っていないのですが。
「これいじょう、じりきでべんきょうするのもむずかしいですから、おとうさまにたのむしかありませんね」
「だんなさまなら、しっかりとめききをしてくださるでしょう」
「旦那様に問い合わせてみますわ」
家庭教師は取っておかなくては後々のことを考えると厳しくなってしまいます。雅久は、私の意見に賛成のようで頷いていた。それを聞いた詩緒理はお父様に掛け合うみたいで部屋を出て行きました。
お父様への問い合わせが成功したようで私はお父様の部屋に呼び出されました。詩緒理と雅久にはお父様の部屋の入り口で待っていてもらうことにして私はお父様の仕事部屋をノックをすると中から入れと短い返事が返ってきた。
「しつれいいたします。じかんをいただきありがとうございます」
「家庭教師が必要だと詩緒理から聞いた。ちょうど付けようと考えていたところだ」
「え、そうなのですか?」
頭を下げ言葉を告げれば予想外の返事が返ってきましたので驚きで頭を上げ素で驚いてしまいました。お父様は私が驚くことは予想済みなのか反応はなかった。
「そろそろ来るはずだ」
そう一言言えば、タイミングよく部屋の扉がノックされる。お父様が入るように指示を出せば1人の男性が入って来ました。私はこの方を何処かで見たような記憶がありますが思い出せません。
「よく来てくれた。娘の麗華だ」
「みどりかわれいかともうしますわ。よろしくおねがいいたします」
「初めまして麗華お嬢様。私は黒崎翔蓮と言います。今日からお嬢様の家庭教師をさせていただきます」
紹介された男性の名前を聞いてしまえば嫌でも記憶は思い出されてしまいました。彼は恋愛対象者の一人で確か教師だった気がしましたけど、まさか私の家庭教師として来るとは思ってもいませんでした。
「これからよろしくお願いします」
「よろしくおねがいしますね」
本心は宜しくしたくありませんが、繋がってしまった縁は解かれることはありませんね。