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2節
「お前も誘われたか」
そう云った男の名は葉山。木村より10センチ程度身長が高く、足も長い。顔も整っていて、美青年の印象を受ける。葉山はにやついていた。
「行くだろ? 女の子と泊まるなんてそうそうないことだしな」
「いや、待て待て」
右手で制するポーズを木村はとる。
「誰が行くか、お前と若菜ちゃんしかわかんないし。まだ考えさせてくれよ」
「あれ、お前知らねえの?」
葉山は意外そうな顔をした。
「もう俺とお前以外に6人程度は行くっぽいぜ」
木村には初耳だった。よほど夏休みをもて余しているのかとも思った。
「じゃあ、俺も行くかな」
木村はそう云って次の授業がある社会講義室へと身体を向けた。