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緑翠館殺人事件  作者: 戸坂宗次郎
プロローグ
4/9

プロローグ 3

足早に改札口を抜けると、あの日と変わらない街並みが、雨の中ぼんやりと浮かんでいた。

木村は雨を避けるようにしてバス停へと向かう。

次のバスまでは、まだ20分近くあった。


待ち時間の傍ら、携帯電話を手に取った。

ディスプレイはメッセージの受信を表示していた。送り主の名を見て、木村は空を仰いだ。


「お盆、今度の土日からだよね? みんなで例のビデオを見たいと思っています。着いたら連絡ください」

ざっとこんな内容であった。


木村はディスプレイから目を離す。一台の気道車が駅から滑り出しているところだった。

再び携帯電話に目を落とし、電話帳を表示させた。

そして、一つ電話をかける。


2コールもしないうちに相手は出てくれた。

『木村?』

「おう。久しぶりだな」

『今どこいる?』

「もう久留米だよ」

『早く連絡しろよ!』

「すまんすまん。今日空いてるかな」

『ああ、多分みんな空いてるよ』

「じゃあ、今日見よう」

『わかった。決定。じゃあ、3時ごろ例の場所で』

「了解」

『変更したら追って連絡する』

電話を切ると、バスは既に停留所へ止まるところだった。

木村はバスへと駆け込んだ。


雨はまだ止みそうになかった。

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