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緑翠館殺人事件  作者: 戸坂宗次郎
プロローグ
3/9

プロローグ 2

嫌な思い出は電車が進む度、少しずつ具体性を持って木村を襲ってきた。なすすべのない彼は思い出さずにはいられなかった。そして……


あの日は、と考え出す。

暑いじめじめとした季節にありがちな、大雨の中。

私たちが訪れる屋敷、いや館の云われ。そして謎。

不気味ななぞりによって殺められていく彼ら。

ああ、と彼は一つため息をこぼした。そして犯してしまったあの人のことも思い出す。

彼は何かに動かされていたのだ。彼は確実に私たちを殺そうと云う感情を持っていたのか?

持っていたなら、なぜ……

木村の頭の中は混乱を呈していた。

解決した事件のはずなのに、記憶がその事を無かったことにしている。


ダメだ!、と思っても記憶と云う奴は忘れようとさせる。

木村はかぶりを振った。そうだ、今さら考えても無駄なんだ。彼らは死に、犯人は捕まったのだ。

ふと、耳にアナウンスが飛び込んでくる。

「次は久留米、久留米です。お乗り……」

木村は立ち上がり、車窓を見た。懐かしいビル街が映し出されていた。

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