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初PT って感じ(2)

最初は慣れが無い分、やや足を引っ張っていたが、4階層を突破した位である程度慣れてきた。

各階層にある宝箱は、人数分あるみたいで、アイテムの取り合いにはならなかったが、中身は回復薬(5)・毒消し草・ムーレング2とやはり微妙、ムーレングなんかはソロダンジョンで入手したのよりやや小さい。


罠の無効化も順調にできている。罠は落とし穴これは20フィート棒では軽すぎで無効化できず鉄球にたよりっぱなしだ、張ってある紐を踏むと毒ガスが出る物・壁のスイッチに触れてしまうと矢が飛び出すもの・同じく壁のスイッチに触れると天井が開きモンスターがワラワラ出てくるものとか、実に多彩だが、これらは20フィート棒で発動させ無効化できている。

最初は解除しないで、発動させての無効化してゆく俺をみて呆れた顔をしていたPTメンバーだったが、慣れたのか何も言ってこない。


モンスターは深く潜るにつれ段々と強くなってきているが、PTで連携が出来てきているのでまだ窮地にはたっていない……マコトの支援とアイの回復はありがたい。

5階層になり、さらにモンスターは強くなっている。ワイトスノーの球種もカーブ・シュートも増えさらにマヒの効果も出てきた。ピノキンも毒効果が加わったようだ。

そして新たなモンスター”ジャッコ”見た目小学生くらいの男の子みたいだが手からツタを出し、鞭のようにして攻撃してくる。当然束縛もしてくる、これが地味に邪魔だ。束縛だけ見たら大したこと無いように思えるが、束縛されると他モンスターのヘイトがタンカーから離れて束縛されたものに攻撃が一斉に向かってくるのだ。モンスターもこのダンジョンで連携してくる。

ここまで見て、このダンジョンのコンセプトは童話なのかなと思うに至る。考えるに”舌切り雀”・”ピノキオ”・”白雪姫”・”ジャックと豆の木”なんだろうな。

普通道理のRPGに出てくる怪物でいいと思うが、運営は何を考えてるのか分からない。


さらにダンジョンを進んでいくと、落とし穴らしき罠を発見。メンバーに待機してもらい鉄球を転がして罠を無効化……と思ったが、落とし穴からスパロウカッツの群れ10匹が飛び出してきた。穴の向こうからはピノキンが向かってくるのが見える。

「こっちに向かってきやがれ!」

ゲキが威圧でヘイトを集める、シュウも前列に移動し攻撃に加わる、魔法が飛びスパロウカッツを迎撃している。俺もスリングを準備し迎撃をしようとしたが…違和感があり後ろを振り向く。

矢が飛んでいないのだ。


振り向くとアスカさんが動けないようだ、マヒを喰らったのか……他のメンバーは気づいていない。

アスカさんの後ろには、ワイトスノーが見えた挟み撃ちされていたみたいだ。

急いでマヒグミをアスカさんに向けスリングで放つ。驚いた様な顔をしたアスカさんだったがマヒ弾が当たり運よく回復したので理解してくれたようだ。そのまま俺は後ろに向かいワイトスノーに対峙した。

『アイさん、アスカさんの回復頼む』


そう言いワイトスノーに接近し槍を突き出す。当たったが攻撃が浅かったのか反撃されるが、盾で受けることに成功、そのまま胴に蹴りを入れる。よろめいた所に、百連突きを放ちどうにか倒すことに成功した。

後ろを振り向くが、最後のピノキンが消えてゆく所だった。

そのまま進み宝箱のある部屋に到着し、空腹メーターも減少しているので少し休憩しようということになった。

皆が、非常食で回復させようとしていたので、アイテムボックスからハシマキを出して、皆に振る舞った。今回PTに入れてもらったからな。

部屋の入口は1か所なので、俺とアスカさんの索敵でモンスターが近づけば分かるので休憩は出来る。


「しかし、さっきは焦ったわよ。急にセイが私に向かって撃ってくるんだから」

『すまんな、急いでマヒを回復させようとしてとっさに撃ってしまったよ』

「セイ、変わった弓と思っていたが、その武器はなんだ?」

とシュウが聞いてきたので、スリングの特性を教えてやった。

「だがそんな武器はどこ見ても売って無かったぞ」

『ああ、俺が作った。使ってくれている人もいるが、基本装備屋の装備品の一部は俺も作ったからな』

と教えてやった。シュウは片手剣と石の槍、ゲキはトマホーク、アスカさんは合成弓を使ってくれていた。


「…お前、生産職なのか?戦闘職なのか?何を目指しているんだよ」

と呆れた様なゲキの一言だが、俺は何も考えていない、オリジナル装備が欲しいだけだ。話を聞くとこういうゲームは基本的に戦闘職ならそれだけ、生産職ならそれだけでプレイするのが基本らしい。どちらもやっていたら成長が遅くなるからと言うのがその理由らしいが、いろいろやったほうが楽しいのではないか?

このメンバーは、スタートダッシュキャンペーンをスキルを10個以上取り終わらせていて戦闘職一直線らしい。俺が足を引っ張らずにどうにか付いてこれたのは、単に自分用に調整したアイテム群のおかげだな。


なら何故にさっきの挟み撃ちを簡単に受けたのかと聞くが、挟み撃ち自体はほとんど起こることが無かったので、油断していたとのこと。俺が前にマヒを受けた時はソロで気が付かなかったがマヒを受けている間は声が出せないので周りに知らせることができないらしい。


休憩中に、俺が使うブリットが気になっていたアイさんに、教えてやり攻撃手段が増えたと感謝もされた。今まで見る限り、戦闘中は敵に状態異常を与えるか、ダークネスで敵の動きをけん制がメインみたいだからな。なぜ魔力魔法を取得しているのかというと敵に寄られたらフォースで吹っ飛ばす為だけに仕様していたみたいだ。


さらにこのダンジョンが終わったら、一回一緒にルヌの街に帰り、基本装備の調整の依頼も受けた。もちろん有料だ。PTを組んではもらったが、なあなあですます気はない。シュウの槍を突きだけに特化して少し長めにすること、ゲキのトマホークはMT+を付ける事、アスカさんの合成弓にもMT+つける事だ。

マコトとアイさんの杖は流石に普通の素材の物で性能が高いので俺が何かするのは無理そうだが、商品化しなかった魔木で作ったメリケンサックの話に興味あるようだ。あれなら装備してても杖持てるからいいかもしれない。商品にするときは考えなかったが、現場(最前線)の意見は大事だという事だな。


休憩も終わり、6階層を目指すことにする。今まで特記していなかったが、宝箱の部屋の天井の数字は皆メモしている、PCによって見える数字は違うようだ。ダンジョン内のマッピングは、いざとなったら最短で逃げ切れるようにランナーの仕事らしい。


ダンジョンも終盤、今度こそクリア報酬が貰えるように、がんばろう。

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