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さあ 商売開始だ って感じ(3)

2015・7/11 再改定

それから5日たったが、 

初日に買ったPCが宣伝してくれたのか、それとも使っているのを見て買いに来たのか分からないが、日に日に”基本装備屋”に客が増えてきた。

武器も売れるし、初期武器も集まる。

こちらとしては順調すぎるぐらい順調である。 

マスカレイも販売開始から2日目の夕方ぐらいから納品が始まったみたいで、こちらもまた注文が増えているみたいである。


この期間、起きては商品の作成・販売・食事しか行動していない(リアルで食事・トイレ・風呂は速攻で済ませてはいるが)リアルでこれが会社なら、立派なブラック企業であろう。過労死するのではないかと思うほど頑張ったんだ。 

この頑張りをリアルで出せ!と誰かに言われたような気がするが気のせいだと思う。

昼過ぎに突然


【【ピコーン】”魔晶10個”の発見がありました】


とインフォメーションが流れた、気になり調べてみると”草原フィールド”と”森フィールド”の境目あたりで”家”を建てたレイドがいるみたいだ。

ただしプレイヤー個人には建築物を所有権利が無く、以後発見したレイドの選択で、NPCが宿屋として管理していくようだ。

ゲンさんがえらく悔しそうにしている。自分が建ててみたかったのだろう。


少しすると


【【ピコーン】”魔晶10個”の発見がありました】


再びインフォメーションが流れる。連続かよ、と思いながらもWIKIで確認すると、それがなんと”家”を立てたレイドが”チーム”を組んだとのこと。

続きを読むと他のゲームでいう”ギルド”とか”クラウン”と呼ばれている物と同じみたいだ。

チームを組むとギルド内に、チーム専用の部屋が持てる上、建物もチームで所有が認めれるらしい。

フィールドだけではなく街中もギルドに行けば買える土地・建物の用意もしてあるみたいだ。

ただし、チームを組むのに600万YANが必要だとか……どこまでPCから金を毟ろうと考えているのか運営を問い詰めたい。

アナザーワールド初のチームは、NPCに”家”を売ったお金でチームを立ち上げたみたいだ。

そうでもないと、そんな大金持っているPCは今、いるとは考えれない。 


自分たちの拠点が持てるのは羨ましい、家も持てるとかリアルでは中古でマンションを買っているがやっぱり一城の主……ロマンがある。この世界でも欲しい名と思う。まぁチームでの所有であるわけだが…


そんなこんだもあったが、店の売り上げはうなぎ登りで売れている。これは勝てる(何に?)と確信し商売に、そして商品を増産に懸命に働き続ける俺であった。



さらに2日後の昼過ぎ商品の増産作業中、突然に

【○島さんの神主が~♪ おみくじ○いて~~申すには~~♪】

と携帯が鳴るので出てみると女房殿である。電話に出てみると、


「そろそろ、交代の時間よ~」

とのお言葉……忘れていた、というか交代する約束は廉価版を買ってチャラだと思い込んでいた。確認しなかった俺のミスだと考え逆らうのを諦める。

『少ししたらログアウトして交代するよ』

と返事をし作業をきりのいい所で終え、他の工房衆にまかせてログアウトの準備をする。


『皆、悪い前に言っていた家族と交代の時間になった。これで俺は落ちるわ。後1日がんばってくれ』

とレイドチャットを使い落ちる挨拶をしログアウトする。



「早かったわね」と言われたが10倍速の世界だ。少ししたらと言ったが、すぐだったのだろう。

はいっとギアを渡すと嬉しそうに、じゃあ私はこれで寝るわね。と言い残し女房殿は寝室に入っていった。

一応最初にギルドに行くほうがいいことと、フィールドに出る前に薬屋を一目見ていたほうがいいとは教えておいた。



取り残された俺の現在、寝るには早い夜の9時、明日は仕事だが通常ならシラフでは中々寝付けない自分、昼に1回アルコールを買いに出ればよかったと思っているとキッチンのテーブルに書置きが、


【飲み物が冷えてます】


とのこと冷蔵庫を開くと500mlの発泡酒が6本、隣には焼いたホッケが置いててある。

女房殿に感謝しつつチンしたホッケをつまみに、発泡酒をのみつつパソコンでアナザーのネタが何か無いか調べていく。

たまに換気扇の下に行き煙草を吸うが…美味くない。酔っても以前のように数は吸わない。確かに減煙の効果はあるなと、まだ3日も経っていないのにそんなことを考えつつネットサーフィンを続ける。


「ありゃ非公式のWIKIがなくなっている。まぁ更新するよりかはアプリの世界いる方がいいもんなー」

と独り言をつぶやくが答える人は当然いない。寂しいのぉーと思いながらふと気付く、金曜の夜から俺も女房殿を一人にさせていたんだよな。

それなのにこうやって晩酌の準備までしてくれている。

これは明日仕事帰りにでも何か買って帰ってやらねばなるまい。

ケーキがいいか?いやダイエットって言ってたから甘いカロリー高めなケーキなんか買って帰ったら怒られるかもしれない。持ち金なんかほとんどないので高い物は買えない。


こんな時に魔晶があれば1万(YANだけど)になって買い物できるのになー とかなりアナザーに毒されてるなと考えつつ、明日のお土産に考え付いたのが”梅酒”。

女房殿も好きだし食前酒にもなる明日の夜は二人でゆっくり飲もうと考えながら睡眠についた。



が、睡眠が浅かった。ヤニ中毒アルコール中毒より今はギア中毒なのか?俺? 女房殿の足音で起きてしまった。

時間は6時半過ぎか、寝た感じがあまりしない。しっかり寝れたからか女房殿は朝の情報バラエティを見ながら、朝食の準備をゆっくりするらしい。

出勤の準備まで、まだまだ時間あるのでギアで30分位寝るといいアナザーの世界へログインした。


ログインしたが……何もない、何故だ?レイドクエストの結果は?俺が見る限り十分な実績だと思うぞ?報酬は?インフォメーションは?

時間もあまりないし、何をやるにも中途半端だが結果が気になるので”基本装備屋”に顔を出すことにする。


『おはよーさん、ちょっと気になって30分ほどログインしたがレイドクエストはどうなったんだ? 報酬がないみたいだが?』

と工房衆のメンバーに声をかける、クエストは成功したみたいだ。

ただメンバーが全員そろった方がいいということで、報酬と売上の分配はリアルタイムの今日21:00にしようとなったそうだ。

他にも相談があるという。抜けてたのは俺だけだったのに、いい奴らだ。

ちなみにクエストが終わってるのにまだ店をやっているのかと言うと、防具のみになっては売上が落ちるかもしれないとマスカレイにお願いされ工房衆も店を続ている理由らしい。

任意で今はやっているので、クエスト終了後の売り上げは別に分けていて、クエスト後の売上は販売した者がもらえるらしい。

使った材料は後程分配分から差し引くというルールを工房衆内で決めたらしい。

(元々工房衆・マスカレイは売上、下取りは別で管理しているのでレイド独自のルールがある)


話を聞き『待っててくれてありがとう』と礼をいい、時間もないのでそのまま強制睡眠モードで寝ることにした。

目覚めはスッキリである。

朝食をとりつつ女房殿と話をする。助言通り先にギルドに行き冒険者登録をし、薬屋で薬の価格を見た後、初期で所持している薬を売り8000YANにし安い治療薬(10)500YANを3個買いフィールドに出たみたいだ。

その際にインフォメーションが流れて緊急クエルトなるものが発生したらしい、なんでも街近辺のモンスターが発生しすぎで討伐せよっていうクエストだったみたいだ。

報酬は働きにより討伐報酬とは別に魔晶1~5個だったらしい。 

それを初期装備の鉄の剣で戦い続けて魔晶3個GETしたという、初期装備でそんな働き出来るのか?

俺たちが作った基本装備ではないんだよな?


クエストが終わって街中を見て回ってると、ギルド前で変な店を見つけたという。基本武器って言って壊れない武器を売っていて同じ基本なのに、べらぼうな価格で売っていた……基本装備屋だよな……うん。


値引けと言っても取り合ってもらえず、しかし欲しい。その後はひたすらスライム狩り・ホーンキャット狩り続け治療薬が尽きたら、作業場で料理作りをがんばって……そして朝を迎えたという。

最後の料理で、サンマカレーパンなる物を作って3個の魔晶を発見した話は……あえて流した。詳しく聞いてたら実際にリアルで作りかねないからだ。たまに女房殿はチャレンジャーになるから、そのスイッチを押してはならない。


「でも、あの武器は欲しいけど全然(YANが)足りない。あの守銭奴達は酷いと思わない?普通始めたばかりのPCはそんなにお金持ってないわよねー?」

と女房殿……目の前にその守銭奴の一人がいます。内緒にしててもいいが、ばれたら後でどうなるかが怖い。


『あのーその店ってもしかして基本装備屋って名前の店なのかな?』

と聞くと「そう」だという、正直に話した方がイイよな。


『あそこって、この休みの間ほとんど外出無しでアプリやってた理由がそれなんだよ。俺含めてログインせずに魔晶を使いながらがんばった成果なんだから・・・あれでも安い価格で売ってるつもりだよ」

というと女房殿の目が細くなった……何か狙ってる目だ、先に俺が言った方が傷は浅そうだ。


『朝食が済んだら、もう一回ログインして俺のYANで好きな武器を渡すように言っとくからそれで機嫌治してくれよ。お前がログイン許してくれたからあの店に協力できたんだ、いわゆる内助の功ってやつだからそれぐらいは当然だよな』

というと納得してくれたみたいだ。まだ儲けも何ももらっていないけど、分配金から差し引いてもらおうと考える。


『詐欺扱いにされない様に、PCネーム聞いておくが何にした?』

と聞くと”スミカ”らしい……それって女房殿がハガキ職人時代のペンネームじゃんと思うが口にはしない。その名前を武器を売ってる奴に言うと武器を選べるようにしとくと再びログインする。


再び基本装備屋へ向かう「おや?また来たのか?」とか言われたが、しかたがない。今日身内が買いに来るんで、初期装備品を下取りしてタダで渡してもらえないかと頼み込んでみる。対価は分配後に絶対払うからと頼み込んだ……1割の利子でどうにか分配まで待ってもらえるようになったがしかたが無い。

1割の利子より女房殿の機嫌である。機嫌を損ねたままだとリアルでどんな事になるか分かったものではない。

”スミカ”というPCが来たら武器だけを下取りだけで売る約束済ませ再びログアウトする。


名前を言えば下取りだけで武器なら渡してもらえるということを話すと、機嫌が治ったようだ……うん分かりやすい

これで安心して仕事に向かう事が出来る。今日も1日がんばろう。

クエストラストまで見届けることが出来ないってのは、ちょっとぬけた感じでやっぱりそのほうが面白そうだからです。まぁ成功は成功です。どれぐらいの評価かは次回以降になります。


途中で出てきた薬の価格ですが

薬は効果(1~15) はその数の二乗×5  1桁を四捨五入

    (16~30)はその数の二乗×25 10の桁を四捨五入

    (31~45)はその数の二乗×50 10の桁を四捨五入

で買値で売値は半額と考えております。


感想 意見 評価いただけると 作者が踊りだします 

えっ?見えないですって? 

まぁ 作者がモニターの前で踊るだけですから^^;


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