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工房衆 って感じ(2)

2015・5/26 改定

4日目

朝からルリさんは、ラナさんユリさんと共に料理をしてくれている。レイドの仲間になったので、ぼやけていない味の秘密を皆に教えてくれた。

 

その秘密とは……なんのことはない、中級の道具の永久使用アイテムである”鯵の元”を材料にかける。ただそれだけだった。なんじゃそりゃ、と思ったが最初美味くできなくて、作業場の受付のおばちゃんに相談したところ教えてもらったという。


俺たちも永久使用アイテムが何かと聞いたが、口頭で聞いた為に”○の素”と聞き違いをしたのだ。

謎がわかったら後は簡単で、ラナさん達も美味い食事を用意してくれている。


聞いてみたが、ルリさんは工房衆の中で一番魔晶の保有個数が少なかった。

アレックですら道具を買っても残り魔晶11個だったのに比べ、ルリさんは現在7個、スタートダッシュキャンペーンで不遇なのは、薬学・調理なのかもしれない。

”作業場”で発見は厳しいみたいだ、薬学は治療薬以外は”毒”・”毒消薬”・”回復薬”を作成するぐらいで、今のところ発見はないみたいだ。


調理は、料理は他PCが先に料理は匂いがいいが、味はぱっとしないものを売り出した為、美味いのはないと思われて高いと買われず、安いと道具代の元が取れず稼ぎが少ないみたいだ。


ルリさんに、(工房衆)で情報料として一人当たり3000YANを渡した。申し訳なさそうにしていたが、俺たちにとっては貴重な情報なので当たり前のことである。


その後、工房の受付(おっちゃん)に頼み……もとい”揚げブリトー”と祭りとかである”ハシマキ”を賄賂として渡し、昼頃にハシマキをロビーで販売してもよいと許可を得た。

売上は工房衆の資金として活用させていただく。ルリさんが持っていた食材は、工房衆として買い取らせてもらった。少しでも楽になればいいのだが…


そして、なぜハシマキかというと、制作作業が比較的楽で、香りの威力も高い、原価も安いから100YANでも十分儲けが出るからだ。ただし、腹いっぱいになるには3個ぐらいは食べないといけないだろうから、購入者は結果的に高くつくだろうがな。

ルリさんも昼の販売以外は、武器の作成も手伝いだんだん慣れたのか、自分でも何かを作っている。

俺も仕事をしないといけないなと、素材作り班を今日はやる予定だ。



弦で”ひも”を作りに裁縫場に入ったのだが………マダム達に囲まれた。

「貴方は先日、冒険者登録を教えてくれたPCですよね?あの時はありがとう」

とここまでは、よかったのだが。


「あたくし達はとあるクエストをやっている、レイド”マスカレイ”私の名前は、あ…、好きに呼んで頂戴、貴方も”自動販売機で初期装備品を買い溜め”してたわよね?何か知っているのではなくて?」


と絡まれ出した「では、マダム」と思っていた名前で呼ぶことにした。鑑定すると名前が”あああああ”となっていたが、それを言うと何かヤバそうなのであえてマダムとした。 

が、話を聞くと基本装備が加工ができるとの発表後、俺たち工房衆と同じように基本装備(こちらは防具みたいだが)を作って売ろうと考え、買い溜めをしてみたが分かったのは帆布と皮の作り方のみで、他の物は加工方法が分からないらしい。


しかし、教えるわけにはいかない、工房衆だってタダでここまで情報を取ったわけではない。少ない数ではない素材を消滅(ロスト)させながら、それこそ”発見”したきた基本素材の情報だ、だが取り囲まれて逃げ出せない。悩んだ挙句、マダム達にばれない様ゲイルに、個人チャットを飛ばす。こういう時にはゲイルが一番計算高いと思うからだ。


『突然すまん、セイだ。ちょっと今トラブっってる、裁縫場で工房衆(俺たちと)同じようなことを考えて、基本装備を作ろうと考えてる集団”マスカレイ”に、情報を教えろと、とり囲まれている』


「なに!皆で助けに行くから待ってろ」

『いや、そこで俺は情報をある程度、売ろうかと考えてるんだがいいか?』

「何考えてるんだ、商売敵だぞ」


『いや、聞く限りマスカレイは防具を作ろうとしているみたいだ。交渉として住み分けを提案してみる。向うに武器は作るなってな。

俺たちは武器・向うは防具っていう具合に、まぁレイド同士の同盟って感じで、変に秘密にしすぎてこの世界で恨みを買うのも得策じゃないだろ?』


「ちょっとまて」

なにやら皆で相談しているみたいだ。

「こっちのメンバーも自分で自分の防具を作りたいってやつがいるんだ、それを踏まえてうまく交渉しろよ。情報代は不足している、皮を5個は最低でも確保しろ」

とリーダーを断ったくせに、妙にエラそうなヤツである。



『わかりました。私の名前はセイ、レイド”工房衆”のメンバーの一人です。

それでマダム情報をおしえてもいいのですが、条件がいくつかあります。いいでしょうか?

一つ、情報料として基本の皮を10個ほどいただきたい。

一つ、他の者には情報を漏らさないようにしてほしい。

一つ、情報は教えますが貴方たちは盾を除く、防具のみの作成だけにしてほしい。

これで、どうでしょうか?」


「「「なっ」」 それは酷くない?」

とマダム、それから交渉になった。工房衆(俺たち)だって研究で、いろいろ失っているものがあるし、情報だってタダじゃない。こっちの要望だってあるのだ。マスカレイと共同開発で個室を拡張し交渉を続けてゆく。


それで決まったのが

”今回は、情報料は皮8枚。マスカレイも何か優良な情報が入手できた場合、交渉にて工房衆に売れることとする”

”情報を漏らさない事は絶対”

”工房衆は武器を販売、ただし盾も可能とする。マスカレイは防具のみを販売、小手はマスカレイの権利とする。この条件はお互いのクエスト終了時までとする”

マスカレイはリアルで4月5日0:00までらしいので工房衆より1日長いことになる。

”お互いの住み分け(・・・・)以外を作成した場合、相手レイドにレシピをコピーし(もしも出来がよかったら)販売を認める事”

”違反があった場合、1回につき違約金として5万YANを渡すこと”


となった。途中断りを入れ、レイドチャットを繋ぎながらの交渉だったので工房衆には文句は無い。向うもレイドチャットを挟みながらなのだろう、たまに口パクをしながらの交渉だった。

交渉成立で握手をしようとすると、


【レイド同盟を結びますか?】


インフォメーションが流れほぼ(・・)同じ条件が出てきた。違いがあるとすると最後の項目が、5万YANでなく魔晶5個になってた位だ。お互いYESを押し同盟は成立した。

皮を8枚もらい、基本素材の説明をするが、消滅(ロスト)の説明だけは一定以上小さくは感覚で分かっているだけなので、大体の説明になってしまった。

なぜ8枚になったのかというと、落としどころと工房衆が見落としていた皮のスニーカーを分解して皮にする工程を、マスカレイは知っておりその情報として2枚減らしたのがその理由だ。

ちなみに皮は【グローブとシューズは作れない】という性能があると、鑑定のLVが高い者がいるのか知っていた。

広がった皮をまたグローブにしてまた開くという無限増殖を禁止する意味合いだろう。


その後、レイドリーダーである”あああああ(マダム)”と何かあった時に連絡が取れる様、フレンド登録をしタイミングを合わせてこちらのリーダーと合わせる約束をし分かれた。


その後、ひも作りをして工房にもどり、皆に皮のシューズの分解のやり方を説明し、その日を終えた。


マスカレイの作戦を聞き、フラグは立たなかったのかって? 立ちましたよ、しかしレイドクエストは重複して受けれないみたいで、どちらかを選べ。と表記が現れたので工房衆を選びました。




次の日 

昼頃、早速にあああああ(マダム)より個人チャットがあり、なんでも新しい”基本素材”を発見したらしく、交渉の結果Gジャン2枚(内1枚はワイルドなGジャンと端切れの帆布)で情報が聞けた。

なんでも帆布をほどいたらしく【糸(基本:素材)】になったという、基本素材をさらに分解するとは考えもつかなかったが、3個の発見みたいだった。

ちなみに糸は1回切ると”ひも”のように繋げて修復は無理みたいだ。

ただし、結び目はできるが結び合わせることは可能らしい。帆布の特性を引き継いだのか消滅(ロスト)はしない素材らしい。


この連絡から約1時間してインフォメーションが流れた。


【一定数の基本素材が発見されましたので、ギルドにて基本素材の販売を開始します】


俺たちのアドバンテージが……と思いギルドに確認に走って行くと、マスカレイのメンバーも真っ青な顔して走ってきた。それもそうであろう、せっかく買い込んだ初期装備のアドバンテージが無くなるのだから… 


しかし確認すると2万YANで、初期装備を効率よく分解するよりも小さい物が売られていた。特に皮などは1m×1mで半分にも満たなかった。 

どれくらいで消滅するとかの説明もないし、これではこれから研究するにも他PCはやっぱり赤字だろうと思い、納得して帰る。


様々な新武器を作成しては分解を繰り返してその日は終えた。





6日目

前日の終わりのミーティング?で、話をしたがリアルで朝になるし、用事がある者はこれからログアウトは自由、新武器を作るにもネタが切れかかっているために、今日から今まで作った試作品の武器を改良改善強化していく。

まだネタがある者は新武器を作ってもよい、ということになった。


俺はというと強制睡眠から目覚めた後、すぐにはログアウトせず工房で作業をする。リアルタイムで7:00になった頃、工房内で皆に断りをいれてその場でログアウトする。

まだ寝ている様なので、女房殿を起こさないように静かにパソコンを起ち上げ、ネットで世界の武器を検索して武器のネタを探す。


途中、アナザーワールドで検索すると、どっかのヒマ人が作ったのか公式のWIKIだけでなく、非公式?のWIKIまであったが、公式のWIKIの方が情報が多いし掲示板もある。非公式?を作ったプレイヤーはご愁傷様である。


アプリ内での書き込みであろう、めちゃくちゃ進みの早い掲示板をみてたが、立て続けにフィールドで10個の発見があったみたいだ。要約すると3か所でダンジョンが発見されたみたいだ。

街の形▽の辺の中央を先に戦いながらそれぞれ約10時間位道なき道を歩いてゆくとあるらしい。発見したPC達は12~24人のレイドを組み、代わる代わる睡眠しながら、戦いを続け発見したらしい。

入口に入ってすぐに睡眠もできる安全地帯があり洞窟?の奥に入っていくものらしい。


1個が、MMOダンジョンで、なにやら時間がたつと迷路が変わるみたいだが、出口までの道のりはマップ機能でわかるみたいだ。レイドでも入れるらしい。

1個が、ソロ用MOダンジョンで入るときに有料らしい。

最後の1個は、6人までのPT用MOダンジョンでこちらも有料…か。


と、掲示板をみていると女房殿が起きたのか、キッチンからいい香りがしてくる。

キッチンに行き、女房殿と一緒に食事をとりながら話しをする。

どうやら買い物は昼前に出たいみたいだ。どっかで昼食を食べて業務用スーパーに行きたい様だな。

了解の意を告げ、電話をかけてくれれば、すぐやめると話を終え再びログイン………


インフォメーションが流れ


【【ピコーン】”魔晶10個”の発見がありました】


と次々流れ説明が出てくる。掲示板にあったダンジョンの報告だが、もう知っているので無視をする。

1時間半位ログアウトしただけだが10倍速の世界だ、もう夜になっていた。 


個室では工房衆が、PVPで武器の使い具合をみていたり 料理を作っていつでも食べれるように作業台に置いていたり、新武器を開発したりと様々だ。

俺はネットで調べた結果、イメージがわいた武器を作成する。


黒曜石で、野球ボールより気持ち小さいぐらいの玉を2個作りビーズみたいに穴をあける。

ひもを中に通しコブを作り固定する。大きなアメリカンクラッカーみたいなものを作った。

これは東南アジアが発祥とされるが、インディアンも使用していたという”ポーラ”という武器だ。


【【ピコーン】”工房”で”魔晶1個”の発見がありました】


という、お馴染になったインフォメーションが流れた。鑑定してみたが【ポーラ(投擲:基本)(評価2)AT+2 束縛(微)】になっていた。

束縛が付いた武器は、今までも幾種かあるが、飛び道具では無かったので中々の発見ではないかと思う。

WIKIで調べてみるが、普通の武器でもポーラは無かったので、一応作っておくことにする。

誰も作ってないらしく、普通の鋼と皮で作成した所こちらも魔晶を1個GETできた。

できたものは【鋼のポーラ(投擲)(評価4)AT+4 束縛(小)】だった。


夜になったがログアウトしていた分、強制睡眠まで時間が少しある。

作業ででたクズを集めながら、残った時間は何をしようかと考えるが時間が中途半端だ。う~む

掃除をしゴミ箱に捨てようとしたとき、あることが閃いた。


捨てようとしたが急いでクズを冒険者バックに入れ、ゴミ箱をひっくり返し中身を選別し選別したものを、また冒険者バックに入れ。残りはきれいに掃除しゴミ箱に捨てる。 

日をまたぐと、ゴミ箱の中身が消えてしまう仕様なので、中身が消える前でよかった。 

足りない場合も考え予備にいくつか狙っている素材の小さい部品を持ち、2食分の食べ物をアイテムボックスに入れ、移動するついた所で、急いで食事をとり、作業する時間が無いので受付のロビーで強制睡眠をうける………

料理の味は ”鯵の元”ってネタで考えていました。 本来ならNPCよりマシな味で金を貯めて中級を買って美味しい料理を作ってね。という運営の考えでしたが、

PCが味を諦めるとは運営も考えていなかったのでしょう

調理が今は、不遇扱いになっていますが、だんだん意識改革がおき改善されるでしょう。

文章力ないくせに引っ張っていますが 次は最後の基本素材を発見します


感想 意見 評価いただけると 作者が踊りだします 

えっ?見えないですって? 

まぁ 作者がモニターの前で踊るだけですから^^;




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