工房での出来事 って感じ(4)
遅くなってすいません。お詫びではないですが気持ち長めです
2015・5/24 改定
裁縫場に入ったのはいいが、
………なんかマダムが、お茶会してるよ~。自作であろう、どっかの舞踏会に出そうな人たちがロビーの机で談話をしている。見た感じは20代半ばから30前後くらいかな?
ほっておこう、俺はやりたいことを先にやるだけだ。
受付のおばーちゃんに挨拶をし、アレックと自分、お互い使用料を払い、”皮細工道具”・”裁縫道具”をレンタルし、共同作業で個室を繋げ中に入る。
アレックに皮のグローブを細工の権利を渡し、自分はGジャンの細工の権利をもらう。
”裁縫”を取得しセットする。Gジャンの前に、弦だった【????:基本】を取出し、両端を裁縫道具で切ってみる。
【【ピコーン】”裁縫場”で”魔晶3個”の発見がありました】
と、あっさり出来てしまった。鑑定すると【ひも(基本:素材)】となっている。
続いてGジャンに取り掛かるが、全部を分解するのはもったいないので、両袖だけを切って開いき布状にし切り口を綺麗に整える。
【【ピコーン】”裁縫場”で”魔晶3個”の発見がありました】
鑑定してみると【帆布(基本:素材)】になっていた
小さい布が2枚あってもあまり意味がないので、縫い合わせようとするが帆布だけあってなかなか固く力がいるな……チクチクすることしばし、どうにか縫い上げたが不思議なことに、合わせた縫い目がなくなり綺麗な1枚の帆布になった便利なものだ。
アレックとはいうと、分解しただけでは【????:基本】のままみたいだ、帆布が縫い目がなくなったので、左右の甲・手のひらの部品に分解した4枚を、縫い合わせてはどうか?とアドバイスする。
することが無くなった俺は、Gジャンの残骸でまだ【????:基本】となっているものを切り口を綺麗に縫う作業をしてみる。
アレックのほうが、縫う作業が早いみたいだが負けじと作業する。
横目で見てると繋ぎ合わせが完了したかな、という時に劇的な変化が起こった。
どう間違えてもA4用紙にも満たないはずの皮が、伸びて1、5m角の正方形になったのである。
【【ピコーン】”裁縫場”で”魔晶3個”の発見がありました】
完成したみたいだが、鑑定結果は【皮(基本:素材)】と見たまんまである。
俺の作業が終わり
【【ピコーン】”裁縫場”で”魔晶1個”の発見がありました】
とインフォメーションが鳴ったのは予想しなかったが、嬉しい誤算である。
ちなみに袖がなくなっただけのGジャン、鑑定した結果【ワイルドなGジャン(上半身:基本)評価2 DF+2】になっていた。
ここまで作業し終えたところでアレックが
「この基本素材で何か作れないかな、一緒に何か作らない?」
と言い出したので、作戦のことを教えてやると是非参加したいとのことだったが、他のメンバーの意見もあるから保留にしてもらった。
たとえ参加が駄目でも情報は漏らさないし、よかったらと買占めの為に、倉庫を貸してくれるというので協力をお願いした。
”皮”・”帆布”・”ひも”の3種はゴミがでるらしく掃除をし、外に出る。他PCにばれないように、作品はもちろん冒険者バッグの中である。
受付のおばーちゃんにレンタルした道具を返し出ようとすると、マダムからお声がかかってしまった。
「先ほどの発見はあなた達が、したものなのかし『そういえば、貴方達はもう冒険者になっていますか?』
最後まで言わせる気はない、情報は少しでも漏らさないほうがいい。
『冒険者になってないと、宿に泊まれなくて馬小屋とかに泊まるようになるらしいですよ?そんなに綺麗で立派なお洋服姿なのに、そんな事にならないように ギルドに行って登録したほうがいいんじゃないですか?』
と言った所、
「「「「なんですって~~~」」」」
と早々にお茶会セットを片づけ走って行ってしまった。
唖然としていると、ここでやっとWIKIに連載されたみたいだ。
急いで自販街を回り、初期装備を買占め倉庫に入れる作業をしているが、やや販売価格が高くなってきているが仕方がない。
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【ゲイルより、個人チャットの申請があります。許可しますか?】
とインフォメーションがあった。個人チャット?と思いながらも許可をすると
「セイか?俺たちは今、講習が終わった所だ。これから工房に向かおうと思うが今どこだ?」
と話しかけてきた、チャットとは電話みたいなものなんだろう。話を聞くとギルドカードの機能の1つらしく、講習そこそこで説明書を読んで見つけたらしい。
ちなみに講習はカールが担当だったらしく、ぶっちゃけでいいから早くしろ、と言ったら本当に……ぶっちゃけて早くしたらしい。
今は裁縫場近くの自販街にいて1人協力者の元、買占めを続行中と伝えると、ゲイル達も買占めをしてアイテムボックスがいっぱいになったら工房ロビー集合という流れになった。
『あと、こちらも報告があるが新たに3種基本素材を発見したぞ』
と教えたが話はその時という流れになった。
その後一旦、アイテムボックス内を倉庫に預け、再び自分とアレックが、アイテムボックスをいっぱいにし、工房に着いた時にはメンバーが全員揃っているようだった。
『こいつはアレック、石工をやってるみたいだ。悪いが俺の思い付きで基本素材の存在をバラしてしまった。その後、こいつは俺に、一緒にこれで何か作れないか?と、考えたからそこそこ頭の切れる奴と思う。もしもこのクエストに参加できなくても言いふらしたりはしない、と言ってくれたが俺は、仲間に入れたいと思うがどうだろうか?』
とメンバーに聞いてみたが、皆の返事はまだ空きがあったからか「協力してくれているんだ、拒否する気はない」とのことだった。めでたくメンバー入りできたアレックだったが、買占め料の2万に加え、手持ちの残りの6個の皮のグローブも提供するという。
本人曰く「途中から参加を認めてくれたんだから当然だよ」とのことだった、「あ、でも残ったら1個は後で欲しいな」
と言わなければ”おぉ~~男前だ”と評価出来る所なのだが、イラン一言を言う所がやっぱりちょっと残念なやつだ。
メンバー全員でタイミングを合わせ、レイドクエストを受けるた。参加人数が ”20/21”と1人足りなかったが無理に人を増やし、情報漏えいの危険は回避しようと、増員は保留となった。
レイドリーダーを決める時に、作戦発案者のゲイルが「俺では貫禄がない」とそれを拒否し、話し合いの結果”ドラン”さん・”ゲン”さん二人の変則的?なダブルリーダーとなった。
どうやらお二人はリアルで、鍛冶と大工の経験者らしいのもリーダー決定につながったようだ。
最後にレイドグループ名を決めることが必要らしいが、ドランさんの
「ごちゃごちゃ考えるのは面倒だ、工房で出会ったんだ”工房衆”ぐらいでいいじゃないか」
の鶴の一言であっさり決定した。
「これからは、レイドチャットで話をして他の奴らに話を聞かすな」
とリーダーを拒否したゲイルが指示を出す。 ちなみにレイドチャットとはレイドメンバー以外、聞こえないようになっているが、口は動かさないといけないので、はたから見ると不気味な集団になってしまう。なお個人チャットは思うだけで、会話ができるので、はたからは会話しているとは分からない利点がある。
それからというもの、どんな特性があるのか素材の”研究班”・”買占め・素材制作班”にそれぞれ分かれ行動した。
俺はアレックと、工房衆紅二点のうちの”ラナ”さんとともに、裁縫場に移動し”皮””帆布””ひも”の作成に精をつくした。
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強制睡眠まであと3時間、となった頃。
「初日から根を尽くしてもいいことはない。情報の摺合せもかねて、どっかに食いにいかんかの?」
とのゲンさんの発案で夕食を食べに行くことになった。分かった都度、レイドチャットで報告をお互いしていたが、やっぱり面をあわせて話すのがいい。
店を探し丁度2階が宿屋になっている、居酒屋風の店を発見。ここで食事をすることになった。
ビールを飲みながら情報を合わせて行く、もちろんリアルの未成年者はウーロン茶やコーラみたいだったが、仕事の後のビールはうまい。ただし料理は……不味くはないのだがなんか味がぼやけてる。どうやったらこんな味ができるのだ?目玉焼きだって塩だけの味付けのはずがぼやけている。…こんなもんだと納得し、話し合いを続ける。
摺合せの結果、ある程度仮定ではあるが素材の全貌がわかってきた。
”1つ:基本の武器防具は素材になるスキルを取得し、基本の道具でないと【????:基本】にしかならず、素材にならない”
”2つ:【????:基本】でも、基本素材でも、1回分解してしまえば道具の初級でも加工は可能(中級以上は現在、所持者がいないため確認できていない)”
”3つ:皮・黒曜石・帆布・しなる木は、小さく加工できる。
木・堅い木・魔木・鉄は一定の大きさより小さくしようとすると消滅してしまう(どれくらいの大きさかは要検証)”
”4つ:同じ木材同士で接ぎ合わせて大きくしようとするが、どれだけきつく接いでもスポッと抜けて駄目。しかし違う種類の木材同士の継ぎ合わせは可能。
帆布と皮とひもは同じ素材同士縫い合わせるとつながり縫い目も無くなる(残そうと思えば残せる)”
”5つ:基本の素材は普通の素材と合わせる加工は不可能。ただし道具の初級 に付いてくる永久使用アイテムと言われるものは使える”
”6つ:基本素材でできた作品は、普通の素材でできたのとは別でカウントされて同じようなものを作っても発見とされることがある”
まとめると今日分かった事はこの6点みたいだ、確認すると俺とアレック以外、先に工房に入ったメンバーは良い品物が作れるとの説明で最初に道具を購入しておりレンタルの道具を使用しなかったので、基本素材の発見が遅かったのではないかと仮定できた。
5個目に出てきた、永久使用アイテムとは初級を買ったら付いてくる、いくら使っても減らないアイテムで、木工なら釘・鍛冶なら研石、がそれぞれ初級についてきたらしい。まあ研石は加工で使えないけどね
あと、冒険者ツールに入っていた、スコップは鉄に、ピッケルは鉄としなる木に、手斧は鉄と木になった。
明日からは買占めは続行、ただし帆布は武器に使えそうにないので、今ある5枚だけで保留になった。
一応確認の為、各種道具を購入して永久使用アイテムが何があるかの確認、中級に変えれる者は変えてテストしてみる。
今日に引き続き、作品は出来る限り多様なものを作り発見で魔晶を稼ぐ、素材がもったいないから作ったら分解し素材に戻す。
という流れになった。今日作った作品のレシピを全員コピーし共有化しておき、数日たって見込みのあるのは改良改善を行い出来の良いものを商品にしようという方針になった。
ミーティングが終われば雑談会になった。紅二点の”ラナ”さん”ユリ”さんはやはり他のメンバーに囲まれている。
ちなみにラナさんは18歳位の関西弁のちゃきちゃきっとした子だ、緑の髪のポニーテイルをしている。
ユリさんは15歳くらいのおとなしそうな感じで、黒髪セミロングだ。言葉使いは標準語みたいだが、京都風の訛りが時々出ているのがまた可愛らしい。若いキャラだがビールを飲んでいるあたり、リアルでは成人なんだろうう。
俺はというと、
『いやードランさん、今日は鍛冶教えてくれてありがとうございました。助かりましたよ』
とドランさんにお礼をいっていたが、ドランさんが何やら不機嫌っぽい?少しよいしょでもして機嫌をなおしていただこう。
『しっかし、1発目で片刃剣なんかAT+3とかすごいですよ、ドランさん』
と言っていたが、
「わしは、ドランなんかじゃなーい。わしの名は”山形総一ろ「わー、おやっさんいくらレイドチャットでもリアルネームはまずいっす」
と突然、怒鳴りだしたドランさんをゲイルがとめた。
落ち着いてもらって話を聞くと、ドランさんはお孫さんからのプレゼントでVRギアを入手し、本名で登録しようとしたところ、お孫さんに止められ奨めがあって”ドラン”と登録したらしい。
が、偽名はいやじゃと駄々をこねる始末、仕方がないので今後は”おやっさん”と呼ぶことで納得してもらった。
………しかし、ドランさん山形総一郎って言いかけなかったか?
確かちょっと前に引退した、人間国宝の刀匠がそんな名前だったような……
まぁ思い違いだろう、と思っていると。
「ふぉっふぉっふぉっ。お前さんも孫から貰ったものなのか、わしは名前の一部分使っておるからいいが、名前を呼ばれんのもさみしいの~。わしは総さんと呼びたいがええかの?」
と割り込んできたゲンさん。
それ以降ドランさんはゲンさんを”源さん” ゲンさんはドランさんを”総さん”と、呼び合い仲良くなっていった。
ちなみに、この二人はレイドメンバーから”親方さん’Sと、呼ばれるように後日なってゆく。
頃合いを見て食事を終了し、2階の宿を使わせていただく料金はというと一泊が本来は500YANで空腹枯渇メーターMAXになる所を、先に食事をしたというので250YANにしてもらえた。差額より、食事代のほうが高かったけどね。
ぼちぼちやろうとしたが、ガッツリ系のプレイになってしまった。………どう間違えたのか?後悔はしてないけどね。そうやってゲーム内1日目が終えた。
やっとアプリ内一日目が終わりました
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【PC名】セイ
スキル:”小手先器用LV1””身体能力上昇LV1””鑑定LV1””槍LV2””火魔法LV1””木工LV1””皮細工LV1””裁縫LV1””魔力魔法LV1(強制)”
装備:武器 無し
防具 Gジャン (上半身:基本) (評価2)DF+2
Gパン (下半身:基本) (評価2)DF+2
皮のスニーカー (足:基本) (評価2)DF+2
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感想 意見 評価いただけると 作者が踊りだします
えっ?見えないですって?
まぁ 作者がモニターの前で踊るだけですから^^;




