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甘く美しい青春の一ページ。一方その頃。
十七年生きてきて、これほどまでに戸惑いを感じたことがあっただろうか。
いや、体操服を取りに帰った放課後の教室で同級生の告白を目撃してしまうこと以上のことなんてかつてなかった。おかげで私は身に覚えのない苦痛を強いられ、あまつさえため息をつくことすら許されない状況ときている。
いったいどうしてこんなことになったのか。ロッカーに充満する雑巾の匂いに辟易しながら、とっととくっついて、さっさと帰れと念じていた。
三題噺かんがえたーhttp://shindanmaker.com/493831より三題。
『戸惑い』『同級生』『教室』