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恋の教科書はどこにある?

 世界の銃器シリーズ第二巻をスコーピオンまで読み進めたところだった。

「関係代名詞と二次関数と歴代総理大臣と化学式が分からない」

 ドサッと問題集が四冊、目の前に積み上げられる。

「国語は大丈夫なんだ?」

「まあ、それは雰囲気で」

 彼女が出席日数の不足を補う課題を貰ったのは一週間前だという。初めに確認したときから一向に進んでいない。

「あのさ、殺し屋だって言うなら深夜に答えを盗んでくるとかできないの?」

「そういうことに技術は使わない」

 可愛らしい仕草で片目の眼帯をこすって、再び問題集に向かう。

 三か月前のあの日、僕は彼女に命を奪われる代わりに心を奪われてしまった。それからはお菓子をあげれば毒を警戒し、遊びに誘うと待ち伏せを疑う彼女に比喩でなく命を顧みないアプローチを続けているのだけど、功を奏しているとはいえない。

 ガラスの破片のようなこの心を思うと、目の前が歪むような気がする。こんな加虐心を恋する少女に抱くのはおかしいのか、恋したことがないから分からない。僕の想いなど知らずに机に向かう彼女にため息をつきそうだ。

「君はあれだね、どうしてそんなに馬鹿なんだろうね」

「今すげえ殺意が湧いたんだが」

 ああ、たまらない。

シークレットお題で創作してみましょうhttp://shindanmaker.com/a/186190からのお題。

「片目に眼帯/ガラスの破片/歪んだ目の前/加虐心/殺意」

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