似た者同士
学校から帰る途中、川のそばの道を使うことがある。疲れたときはこの土手から夕陽を眺めるように体が動くのだ。だからなんとなくここに足が向いたときには、「ああ、体が疲れているんだな」と納得している。
今日はいつもの場所に、見慣れた自転車が置いてあった。隣に停めて見ると、山ほどの本が籠に無いが、間違いなくあいつのものらしい。果たして持ち主は土手に腰かけていた。
「おうい」
「ああ、君か」
緩慢な動作で私を振り返る間に、私は座る。
「本は?」
「昨晩、僕にもついにデジタル化の波がやって来たんだ」
ちょっと嬉しそうに手元のカバンを叩く。
「僕の知識はすべてパソコンに入っている」
「へえ。なのに、こんなとこで何してたわけ?」
「善というものについて、考えを巡らせていた」
「つまり、ぼうっとしてたのか」
「君と同じさ」
その答えは不思議だ。
「なんで私がここを使ってるって知ってるの?」
彼は少し顔を逸らした。赤から黒へ変わっていく風景の中で、向こうに回ってみれば珍しい彼の赤面が見られるかもしれない。
「この間、偶然見かけた」
どうして彼はこう、からかいがいがあるんだろうか。
「あんたみたいなの、ツンデレって言うんでしょ?」
「君と同じだ」
あなたに10のお題を与えますhttp://shindanmaker.com/494533からのお題。
1:黒
2:自転車
3:赤
4:本
5:パソコン
6:カバン
7:善
8:ツンデレ
9:川
10:知識
早くレベルアップしたかったので、400字は飛ばしました。




