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ドローライフ

「シャム猫の話を知っているか」

 禿頭の大男が青年に語りかけた。

「飼い主の僧侶が旅に出る間、仏様の像を護るように言いつけられた猫は朝も夜も目を凝らしていたおかげでサファイアのように青かった瞳は真っ赤に染まり、片時も離れずに像に巻き付いていたから尾はくるりと回ってしまった。そして声はしわがれ、顔は黒くなったという」

 頭から被っている布のせいで青年の表情は読めない。

 男もまた引き結んだ唇を解く気はないようだ。

「別天地を求めてあちらこちらとふらふら彷徨う貴様はまるで悲鳴をあげているようで見るに堪えない」

「それはな、幸運で稀な例だよ」

 何かを嘲るように吐き捨てた。

「お前は友に、仲間に、伴侶に満足しているのか?」

とにあ様からのお題。

『別天地』『悲鳴』『シャム』

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