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冒険の続き
「それでお前はいつも屋上で黄昏てるのか?」
「どんなに親しい人間でも、腹の中じゃ何を考えてるのか分からないもんなんだよ」
あいつのことを話すとき、思い出すのはあの日の笑顔だ。あの表情の意味はまだ俺には分からない。
「よし、じゃあ会いに行こうぜ」
「でもさあ、今日は高橋の現代文があるぜ。サボったら一番ダルい時間割だ」
言葉では拒みながら、俺の頭はまるで一週間前から予定を立てていたかのように学校から出る段取りを考えていた。不思議に思いはしたが、同時に自然なようにも感じられた。
「何言ってんだよ。明日は待ってくれないぜ」
ドアを開けた風見が、振り向きざまに何かを投げて寄越した。
くじつきのチューインガム。小学生か。
【創作向け】100のお題から選んだー http://shindanmaker.com/a/196345からのお題。
【34/思い出すのはあの日の笑顔】 【02/明日は待ってくれない】 【53/一番ダルい時間割】




