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喩え話
朝早く家を出ると、道端で猫が死んでいるのを見かけることがあります。
不思議に思いませんか。
例えば、今と同じくあなたが余裕を持って生活しているのを前提として。
お腹を空かせた猫が目の前に現れたら、餌をやるでしょう?
フロントガラスの向こうに飛び出して来たら、ブレーキを踏むでしょう?
なのに現実のこの猫は冷たいアスファルトに横たわっている。
まるで卵の殻をかぶった雛鳥の踊りのようだと思いませんか。
ああ。
いえいえ、私にはそもそも猫アレルギーがありまして、それには触れないのです。
どうかそんなことを言わないでください。
さてと。
え?
この携帯電話で何をするのか、ですって。
清掃局に連絡するに決まってるじゃありませんか。
藍島歩様からのお題。
『猫』『卵の殻をかぶった雛鳥の踊り』『携帯電話』




