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グラデーション・コントラスト
「おーっす。待たせてごめんよ」
「悪いと思うなら、説教食らわないようにしてくれよ」
「そいつは難しい相談だね」
大口開けて笑う様はなんとも男らしいが、ケイは歴とした女子高生だ。紆余曲折の後、晴れて先日付き合うことになったのだが、十年近く幼馴染として過ごしてきた関係はなかなか変えられず、傍目には以前と変わらないと言われている。
だが、ケイはずっと可愛くなった。夕陽よりも顔を真っ赤にして手を差し出されるとき、俺はこの上なく幸せを感じるのだ。
「あのさ、手……繋ごうよ」
いつもと同じで、ほんの少しだけ違う、幼馴染との楽しい夕方。これから見せてくれるだろう彼女の一面を想うと、頬が緩むのを止めることができなかった。
三題噺かんがえたー http://shindanmaker.com/493831からのお題。
『楽しい』『幼なじみ』『夕方』




