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SUICIDE3〜人間サンドバッグ!?〜








〜前回のあらすじ〜



真慈と第二様は、ヒムホーム(彼の家)でインタレスティング(面白い)なプレイ(遊び)をしていた。


そんなタイム(時)、ドア(扉)をノック(叩く)するヒューマン(人)が…



ガゴンッ



ゴルァ黒ヘル!! 変なあらすじすんなゴラァー!!

ルー〇柴か!?

ヘルメット殴ったらからイテーじゃねぇか!!{逆ギレ}

……あっ、スイマセン。

あらすじなんて面倒なんで、本編の方どうぞ!





―――――――――――――――








「シ〜ン〜ジ〜! 薄汚いパイプ椅子持ってきたからピッキングして上がるよ!」



ヤベェ! パネェ! どんだけぇ!!



「早く降ろせッ!! ヤツが来る!!」

「なんでそんなに急いでんの? お隣さんには見られたことあるんだから、別に大丈夫じゃね?」



俺がこんなに焦ってるのに、呑気に言う黒ヘル。



「いやいやイヤイヤ嫌々否否IYAIYA!! ピッキング止めさせたいし、ヤツに一度見られたからもっとヤバいんだって!!」



マジで死ぬ! 死んでも未練タラタラだぜおぃ!!



「未練あるまま死なれたら、減給されかねない……オシッ、今助けるぞ」



どんな理由でも助けてくれんのは感謝するけど、人のプライバシーを侵害した罪は、あとでしっかり償ってもらおう♪

でも、ちょっとまて……

首吊ってるって事は、俺の体を持ち上げるのと、ロープを緩める二つを同時にしなきゃならない……



それって一人じゃムリじゃね?



「黒ヘル!! ものを浮かべる魔法みたいの使えるか!?」



ホグ〇ーツ魔法学校の初歩的魔法みたいな感じのが使えれば、この作業も一人で出来る!



「うん、ムリ♪」



……うわ、正直に言うのはいいけど、なんかスゲェムカつくわぁ。




「じゃあ、とっとと手頃な足場持って来い!!」

「イエッサー!!」



黒ヘルはドイツ式敬礼をしてから、リビングから出ていった。

早くしてくれ、足場さえあれば俺一人で脱出でき……



「いい椅子持ってきたぞ!」



早ッ!!

こういう場合、探すのに時間が掛かって手遅れになると思ったんだが。



「まぁいい、早くその椅子を足元に置け!!」

「おう、合点承知!!」



カシャン(独特の金属が擦れる音)



……あれ? 家にパイプ椅子なんてあったっけ?

さっきまであったけど、吹っ飛んだからあるわけないよな。




「……お前、この椅子どこから持ってきた?」

「ん? ちょうど玄関に入ってきてた、ちっちゃい少女が持ってたから返してもらったんだ」



う〜ん

たぶんそのちっちゃい少女って……



「今現在進行形でお邪魔してるよ……って真慈!?」



リビングの入り口から現われた例の『少』女は、完全に俺に気づいた。

赤みがかった髪の、短いツインテールにほっそりとした手足の童顔『少』女。

その姿は『小さな』美『少』女……



アハハ……やっぱりヤツでした。

今の俺を見たなり、すぐに俯くヤツ。



「……真慈……なにしてるの?」

「いやっ、これは、その……」

「真慈は、自殺しようとして首吊ってたんだ!」



なに言ってくれてんじゃボケェェェエエエエ!!!

まるで『三角関係で片方の女が「私、出来ちゃったの」って言っちまった』みたいな状態を作るなァァアアアア!!!



「……真慈ぃ…」



やばいやばいヤバイ燬瑪いヤバいィィイイイイイ!!!!



俯いた顔から落ちる、一筋の光……



「あーぁ、泣かしてやんの」

「泣かしたのはお前だろバカ黒ヘル!!」



手遅れになっちまったじゃねぇか!!

逃げようとしても、この宙吊り状態でじゃ逃げらんねぇ!!

あぁ、俺も黒ヘルのように幽霊だったら、見られずに済んだのに…





「……真慈のバカァァァアアアア!!」





顔を上げて叫びだし、こっちに走りだしてきたヤツ…

見えた泣き顔は小学生のようで、強烈に罪悪感を与える。

普通なら、なんとかして泣き止ませたい衝動に駆られる。





でも、この子は普通じゃないんでムリっす。



「バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカァァアアアア!!!!」



※これはジョジョではございまブベシッ!!



「ちょっブッ……まてグッ……補足中ウッ…死ぬ死ぬ死ぬジグッ!?」



続くラッシュラッシュラッシュラッシュラッシュパトラッシュラッシュラッシュ……

まさにサン…ドバッグ状…態の俺……の意…識は、薄れ……て…



「……アタシの拳が光って祈る、真慈を殴れと輝き叫ぶ……必ッ殺!! シャイニング〇ィンガァァァァアアアアアア!!!」




……逝きました♪







→→→→→→→→→→→→→→→







『…ヒッグッ……』

『ヤツ、もう泣くな。泣いていいって言ったけど、一時間と三十七分間も泣かれるのは結構ツラい』

『…グス…だぁってぇ……』

『ったく、一緒にいてやるからもう大丈夫だ』

『………ぅん……ありがと……グッ…』

『…ハイハイ、俺の胸の貸しは昼飯一回奢りで許してやるよ。今はとっとと泣け』

『うん………ゥァァアアア!!』

『…ウッセェな』







→→→→→→→→→→→→→→→







懐かしい夢から覚めた時、目の前にあったのは天井と、今でもよく見るヤツの顔だった。



「よかった! やっと起きたよぉ」



その顔には『さっきまで泣いてました』って書いてあるみたいだった。

ってか、この位置と後頭部に当たる感覚は!?

早く起き上がらなければ!!



ヒタッ



起き上がろうとする俺の額に当たる、ヤツの冷たい手のひら。



「ダメだよ。さっきまで死にかけてたんだから」



ったく、死んでもよかったし……てか、俺が死にかけたのはお前の連撃のせいだろ!!

……って声に出したらなにがあるか分からないので止めておく。




「羨ましいアルヨ! 女の子に膝枕なんブギャシッ!?」



ヤツと逆の位置から聞こえた声に無性にムカついたんで、一発殴っといた。



――さっきから『ヤツ』と呼んで少女は『奴』という意味じゃなく『谷津』って呼んでいるのだ。



哺乳類、霊長類、ホモサピエンス

正式名称:谷津 麻依子

(やつ マイコ)

年齢:16歳

性別:ちゃんと女

身長:詳しくは知らないが…140cm後半ぐらいの小ささ

体重:聞いたら殴られたため不明

スリーサイズ:よく知らないけど、ダチ曰く『あの身長であの豊満なスタイル…殺人的だ!!』だ、そうだ

棲息地:お隣

生態特徴:『痴漢対策』って言うことで俺のお袋から色々教わったため、こいつの鉄拳は恐ろしい……

『変な所から来た人に、料理をさせちゃダメよ』の発言者だったりする。

こいつの泣き虫+暴力癖で、俺の服をいくつ濡らしてきたことか(ヤツの涙と俺の血で)――






「おい谷津……」

「だ〜か〜ら〜ッ!! 幼馴染みなんだから、苗字で呼ぶのはやめてって言ってるじゃん!」

「いやっ!? 『幼馴染みなんだから』って言う意味が分か…」

「それに!!!」



額に当てられたのと逆の手の人差し指が、俺の口に当たり言葉を止める。



「真慈、約束したよね? 『次に自殺するトコ見つかったら、願いごとを三つ聞く』って」

「イヤイヤ、んなの記憶にない。てか、『願いごとを三回』って俺は〇ィズニーの体が青くて陽気なランプの精霊か?」

「………忘れたの…?」

「分かった! 分かったから泣くんじゃねぇ!!」

「やったぁ♪」



くぅぅううううッ! 女の涙は核兵器か!?



「んじゃ、お昼ご飯作って!!」



確かに、時計を確かめると十二時を回って、昼飯時になっていた。

だけど……



「イヤイヤ、普通『名前で呼んで』とかじゃないのか?」

「おいおい、なに期待してんだよぉ。人生そうは甘かブァッ! グビッ! ッベジィ!?」



俺は無意識にヤツの手をすり抜け立ち上がり、右ミドルキックで相手の態勢を崩し、体を右に回転させ腹部に右ソバット、その勢いを殺さず右足で顔面にローリングソバット……

プロレスで、ローリングソバットラッシュと言われる技を、ムカつく声の方に食らわせた。

座ったままの谷津……分かりやすくチビでいいか。

チビは、身長が低いからミドルキックさえ当たらずにすんだ。



「ヒドーィ!! アタシだって気にしてるのに!!」

「酷いのはお前だ、人のプライバシーに入ってくるな……メシにグリンピース入れるぞ?」

「ダメッ!! 二つ目のお願いは、お昼ご飯にグリンピースとホワイトアスパラガスとハイポーションとマジックフルーツは入れないで!!」



チッ、せっかくグリンピースとハイポーション以外で料理作ろうと思ったのに…



※ハイポーションの後に言ったので、ファンタジーのアイテムみたいだけど、マジックフルーツは実際にあるので注意!



「んじゃなにがいい?」

「う〜ん……アームストロング!!」



注意しとくけど、このチビはハガ〇ンのマッチョな雷撃オッサンを食う気じゃないぞ。



「……分かった、ビーフストロガノフだな。ちょうど作り置きがあるから、二人分食器出して」

「わかったよ〜♪」













二人で昼飯をとった後、俺はチビを麻依子と呼ぶことになった。

したかも分からない約束を守るとは、我ながらお人好しだと思う。

まぁ、死ぬ前にいいことをするのも悪くないだろう。



……それにしても、黒ヘルが幽霊でよかった。

あんなのが一緒にいるのを見られたら、俺の短い人生をドブで漬けられるようなものだ。



「そういや真慈。さっきのヘルメット被った人って誰?」




……えっ、いきなりIN THE ドブ?





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