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SUICIDE35〜決意の死神、制止する天使〜

しつこいようですが、是非とも前回と今回の後書きを見てください!!






人は神の創った土人形……

……人が醜いのは、神が手ぇ抜いて適当に創るからだろ?









―――――――――――――――













「お前には一ヵ月後……秦と戦ってもらう」



親父の口から出てきた言葉……それは確実に『お袋との再戦』を意味していた。



「……理由は?」

「ん? なんとなくだけど」



……

親父のふざけた答えに対して、俺は親父の顎に出刃包丁の側面を当て、その切っ先を喉仏に向ける。



「……もう一度聞くぞ? 理由は?」

「チョッ、チョイ待てッ!! 喉元カッ裂かれるとしばらく話せん!」

「その場合は紙に書いてもらうから問題無し。さぁ、首チョンパかまともな理由を吐けや」

「分かった! 分かったからやめれ!!」



両手を上げて完全服従のポーズを取った親父は、額に汗を浮かばせながら弁解する。

まぁ、書いた紙の処分が面倒クセェから言葉で聞こうじゃないか。



「じゃ、簡潔に説明するぞ。正確に言えばお前には俺と一緒にとある組織を破壊してもらう」

「組織? 私設武装組織のソレスタルなんとかか?」

「いや、戦争根絶とかしねぇし、最終回で二部に向けてキャラ&機体の一掃なんてしねぇ」

「……だいぶ詳しいな」



……そういや、黒ヘルとしてココにいた時も毎週見てやがった。

つか、毎週楽しそうに見てたクセしてだいぶ辛口コメントだな、オイ。



「まぁ、そっちの話は置いといて本題に戻るぞ。その組織は黄泉に蔓延はびこる鬼の団体様だ。鬼は人の欲望や狂気の集合体で、黄泉に辿り着く前の魂を喰らってる。今までは鬼も輪廻バランスの一部だったが、最近は自殺や猟奇的殺人が多くなったせいで、生命力が残った魂を鬼がガボガボ喰って力つけてやがる。そのバランスを修正するために、俺達は一部の鬼が作った組織を破壊する。……これで説明は終了だ」



親父は説明が終わり、グラスに残った少量の酒を飲み干す。

てか、それ俺のグラス……まぁ、今はそんなことは問題じゃない。


「……大体のことは分かった」



大体といっても、輪廻やら鬼やらの意味はほとんど分からない。

……でも、それは本当に些細なことだ。


輪廻なにかのためにテキを倒す』


これさえ分かれば問題ない。



………………で?



「俺の耳がおかしいのかなぁ? 俺の鼓膜には『お袋』や『秦』や『世界最凶』の言葉が一文字もヒットしなかったんだけど?」

「落ち着けッ!! 重要な事をちょっと言い忘れただけだから……そのアイスピックを早く退けてくれッ!! 喋るたびに喉にチョイチョイ突き刺さ…痛ッ!?」



俺に『お袋と戦ってもらう』と言っておいて、説明聞いたら『鬼と戦ってもらう』じゃねぇか。

ここで一思いにグサッと殺ッてやりたいけど、話が進まなくなるので一先ひとまずアイスピックの先端を親父の喉元から外す。

そして、親父はここに来て何度目かも分からなくなったため息を吐いた。


あきれからじゃなく……憂いを帯びたため息を。















「ハァ……その組織のドンが秦なんだよ」



…………は?



「あいつは俺がキャバクラ通いしてたの知ってから、報復とばかりに鬼を率いて俺を攻めてくる。……鬼達が魂喰らいしてるのを知らずにな」



………………はぁ!?



「まったく、困ったもんだぜ。男の夢とロマンを奪おうとするなんて……」



……………………。



うん、これはあれだな。

一度、抹殺けすしかないね。




「あそこは天国だぞ……ってや、やめろ!! 俺は男のロマンについて語っただけジャブォッ!?」


容赦なく粛正開始。




※※※※※※※※※※※※※※※




―またまた、しばらくお待ちください♪―




※※※※※※※※※※※※※※※




親父は頭に作られたタンコブの山から、白煙を上げて倒れていた。



「ゲフッ……この展開、そろそろ飽きてきたぜ?」

「うっせぇ、テメェの発言がその原因だ。文句があんならその口一生開くんじゃねぇ」

「うむ、自由な発言権は欲しい」



親父は頭のコブはそのままに立ち上がり、さっきまで座っていた席に戻る。

平然としやがって……俺は除霊師じゃねぇから幽霊おやじ抹殺けせないのが残念だ。



「で、どうすんだ? お前のことだからもう決まってんだろ?」

「取り合えずな」

「まぁ、ここまで言っといてなんだが、一つだけ忠告しておく。……黄泉あっちの戦いで足を失ったら、現世こっちで下半身不随だ。そして黄泉で鬼に食われれば……二度と現世に帰っては来れない」



親父の瞳は真剣みを帯びている……つーことは、本当のことだな。

黄泉で下手すりゃこの左目のようになるって事か……



けど……それがどうした?



お袋は世界最強の主婦で、正義の味方だった。

そのお袋が、夫婦喧嘩のために悪に手を貸している。

例えそれが騙されてるとしても、事実に代わりない。


親の不始末だ……俺が一発ブン殴って目ェ覚ましてやろうじゃねぇか。




「分かった。分かった上で結論だ」



俺は俺の意志を伝える。

左目を治すためなんかじゃない、俺自身の魂が求める答えを……




「俺は……「行かない」」



……えっ?

俺じゃない言葉が入ったぞ。



「……行かねぇのか?」

「いや、俺は……「行かない」」



なぜか関係のない声が被る。

それも、俺と親父の声とは違う。

この部屋には俺と親父の二人しか……




「シン……行かない。行っちゃダメ」



リビングの入り口に、その声の主がいた。

……どうやら、時間を伸ばしすぎたらしい。



「小夜……」

「超長髪少女か。帰ってたんだな」



俺と親父の目線の先には、無表情で俺を見つめ返してくる片翼天使……笠井小夜がいた。






携帯水没によって、文章と執筆意欲を失った神酒です。

細かいことは聞かないでください……トラウマですから(涙



さて、前回の後書きで読者の皆様に意見を聞いた所、予想を超えた量の意見が送られてきました。

この場で再度感謝させていただきます。


留龍隆様、封禁様

タナチュウ様、ジョーカー様

魚磁様、RUMOUR様、神羅様


本当に有難うございました。



中間結果としては三番、一番、二番の順位です。



……しかし、まだ決定ではありません。

評価点はいりませんので、感想やメッセージで読者の言葉をドンドン下さい!!

お願い致します。



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