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中学1年生-1学期

 小学生の頃は成績優秀。

 そんな私が中学生になった。しかし、地域で優秀者が集う塾の受験に失敗。そして、地域で2番目に有名な塾に入ることに。

 私の住む地域では、3つの小学校出身者が集まって一つの中学校に通う。当然、今までに遭遇したことの無い優秀な人と、学力争いが始る。運動御地の私は勉強だけが取り柄だった。

 そうして中学生活が始った。まず友達になったのは3人の男性。名前は吉田、北岡、坂井。ゲームの話やテレビの話。馬鹿げた話で大盛り上がり。気の合う友達も出来てまずまずのスタートを切った。

 しかし、この友達が私を追い詰めた。中学生活わずか1週間で、私の実力無きプライドは砕け散った。

 異なった小学校出身の3人は今までの生い立ちなんて全くわからない。仲良く遊ぶ3人の正体は意外なところでばれたのだ。

 昼休みに塾の宿題がまだだと友人達3人が共通の話題で盛り上がりだした。そしてテキストを見て唖然とした。

 そう、私の落ちた塾のテキスト。お世辞にも優秀に見えない3人は実力者だった。当然、落ちたなんて口が裂けてもいえない。知らん振りしてやり過ごした。

 別に頭が良いから友達を辞めるつもりも無い。大事な友達だから大事にしようと思った。そして、そのまま1ヶ月が過ぎていった。

 私の通う中学校は2つのクラスが合わさって体育の授業をする。男子、女子に分かれて授業が進むので都合がいいのだろう。隣のクラスの人間とも仲良くなり始めた。

 飯島、高瀬と言う友達が体育の時間だけ加わることに。

 そしてたまたま塾の宿題の話に。新しく出来た友達の前で、私はあたかも吉田達と同じ塾に通ってるように嘘の振る舞いをしてしまった。

『塾の宿題は終わったの?』なんて気軽に。すると飯島は北岡に『お前はのんびり屋だからまだだろうと』。そう、この飯島も吉田達と同じ塾の出身者だったのだ。

 自分が入れなかった塾にあたかも通っているような嘘の振る舞い。本物を目の前に話をはぐらかすのに精一杯だった。

 そして始めての中間テストを向かえることに。

 しかし、中学1年生の中間テストでまたも挫折を味わうのである。平均点80点。数学、理科、社会、国語、英語の合計点で400点が優秀者と平凡社のボーダーライン。私は、理科、数学でこのラインをクリアするも、他の教科は悲しい結果。合計350点ほどと学力に自信の有った私は初めて挫折を味わった。当然、小学校からの友人達はいい点採っただろうと話しかけてくる。ここで、平均70点そこそこなんて悔しくて言えたものではない。

 ましてや友人3人は平均点85点などとハイレベルな話をしている。ここで私は嘘を付いてしまった。平均点82点と。当然、疑わない友人達は答案用紙を見せろとは言わない。唯一80点を超えた理科90点、数学82点の答案用紙をチラ付かせて乗り切った。そのまま無事、家に帰宅して嘘を隠し通したのである。

 しかし、安心したのも束の間。塾にテストを提出しなくてはいけなかった。同じ学校の友人が居なければ問題ないが、そんな事あるはずも無い。クラス中で平均点82点と公言していた私が、塾で実は嘘でしたなんて言ったら、学校中で笑いもの。いじめの対象にもなりかねない。そこで、理科、数学以外の答案用紙をなくしたことにして難を逃れた。

 その後、期末テストも、平均点を80点と嘘を突き通し、塾には毎回無くしたとここでも嘘を突き通したのである。成績書を見られれば一発で見抜けただろう。いや、見抜かれていただろう。大人の優しさで何も言われることは無かった。

 こうして無事、中学1年生の1学期が終了した。テストの点で嘘を突き通してしまった。しかし、優秀では無いものの少しは優秀な私をクラスメイトは誰も疑うことは無かった。平均点70点の私は、嘘を付いて優秀になりきった1学期が終了した。体育、音楽、美術、家庭科。いわゆる副教科は苦手でも5教科は優秀。公立受験は難しくても私立受験なら難関高校も突破。そんなキャラクターが出来つつあった。

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