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完結していない作品があるのに、こんな物にまで手を出してしまいました。
正直、息抜き用の作品ですのでノリと勢いだけで書いています。
不定期更新、設定の矛盾、等々問題も多い作品ですが、それでもよろしい方は読んでいただければ幸いです。
それは荒廃した都市の上空を飛ぶ一機の輸送機内での出来事だ。その輸送機から発進するのは、人に近い形をした兵器達……人型兵器『フレーム』である。14mの巨人であるフレームは、その基礎となる全身黒の基礎フレームに外部装備を装備する事により性能を向上させる事ができる。
空中から降下するフレームの一団は、全然装備に統一性がない。細身の機体もあれば、重量感あふれる機体まで揃っていた。そしてその一団を待ち受けていたのは、同じフレームの人型兵器の一団だ。しかし、こちらは全身が赤と白で塗装され、装備も似たような物で統一されている。
互いに装備した武器から銃撃戦が始まると、赤と白で塗装された一団が、次々に撃墜されていく……一方的と言っていい展開に、統一性のないフレームの一団は余裕で敵を殲滅した。
そしてそこからは狂気の時間の始まりでもある。フレームから降りてくるパイロット達は、いずれも若くて学生と言った感じの者達ばかりだ。その姿は、全身鎧を着ているかのようなパイロットスーツと、手に持った近代兵器『銃』が、いかにもミスマッチである。
しかし彼らの装備している銃からは、弾丸でなく光り……レーザーが放たれている。
逃げ惑う生き残った荒廃した街を守備していた兵士達や、撃墜したフレームから引きずり出されたパイロット達を、残虐に殺していく。
1人が記念に殺した兵士と写真を撮ると、そこからは遊び半分で笑いながら敵を躍らせながら殺したり、味方同士で殺し合いをさせるなどしていた。
そして輸送機が着陸すると、パイロット達は機体に乗り込んで輸送機へと帰還していく……彼らは、元は21世紀の日本の高校に通う一般生徒達だった。
その証拠か、輸送機やフレームの機体の左肩には
『018学校 3-4』
と、描かれている。
これはある企業が、新型ゲームであるVRゲームの為に新しい技術を開発した事から始まった。日々進化し続ける技術により、ゲーム世界を完全に再現した物を作り上げたのだ。今までの作成されたフィールドだけでなく、そこに生きる人々や、都市など……星1つ丸ごとを管理したゲーム世界を作り上げた。
作り上げたと言っても、条件を操作すれば管理AIがあとは勝手に世界を想像すると言う物なのだ。そしてこの管理AIも自動メンテナンスに、自動アップデート、イベント作成……それらを完全に管理してくれる。
莫大な量の情報を処理する事が可能となると、今度は星に留まらず宇宙にも手を伸ばし……そこには完全にもう1つの世界が誕生していた。
だが、ここで問題が発生したのだ。そんな世界で遊んで楽しいのか? それと目標は何なのか? 色々と浮上してきた問題に、企業はある結論を出した。
『なら、実際に人間でテストすると色んな団体が五月蝿いから、遊んで貰う年齢層の情報を埋め込んだNPCに実際に遊んで貰おう』
技術ばかりが進み過ぎた欠陥ゲームに、自分は生きた人間であると思い込ませたNPC達に命懸けで遊んで貰う……これが始まりであった。
人型兵器『フレーム』が活躍する異世界に送り込まれるのは、ターゲットとする年代である中高生を中心として選ばれた。学校に協力を要請し、技術的な発展と言う表向きの理由で多くの学生の身体データや、聞き取り、心理テストのデータを集めた。
そして数多くのデータからNPCを作り上げたのだ。企業は最初、このデータから新しいゲーム開発の発見や、管理AIの経験にもなると考えていた。別に悪い事をした訳ではない。本当に技術的な目的もありつつ、利益を得る事を目標としたのだ。
しかし……結果は最悪の形となる。送り込まれたNPC達は、企業の責任者を狂わせる程の結果を出してしまった。ゲーム性を出すためのシステムを利用したNPC達は、破壊と殺戮を繰り返した。
その世界で生きる人々を従えるか、殺すか……そんな事を繰り返し、最後には自分達でも殺し合いをし始める。そして最後に生き残ったNPCも自殺してしまい、世界が滅んだのだ。
企業側は、この結果を公表できないと悩んだ。一般人がここまで非道な事ができると言う証明と共に、自分達が非道な実験をしていた事になるのを恐れたからだ。
しかし、技術的な協力を関係各所に求めた手前、情報は公開する事になっていた。期限までには時間もあるし、理由を付けて先延ばしにする事も可能だろう……だが、この事実が明るみに出た時の企業の損失は計り知れない。
学校の関係者は勿論、多くの企業にも参加して貰っている。人気のある漫画やアニメとのコラボ企画に始まり、大学や研究者達の協力……すでにこの実験は多くの人々の知る所となっている。
人気漫画のキャラクターが生きている世界に行ける技術の開発に、すでに多くのユーザーから早く出せと催促まで来ている状態だ。
そんなゲーム業界では大手である企業が、人体実験の真似事をしたこの事実をメディアは誇張し、人々の関心を集めるように騒ぎ立てるだろう。そう結論付けた企業の幹部や責任者は、自分達の思惑と希望を胸に世界を一度『リセット』した。
そして見込みのあるNPCに、データを公表しても分からない程度の『贈り物』を送る事にした。それから強大な敵も用意して、協力しなければ生き残れない環境も用意した。
今度の結果が、希望と夢のある物になると信じて世界をやり直したのだ。
だが、ここで企業側にも変わり者がいた。
『みんな分かってない! これが人間の本質なんだ! 何が希望だ! 何が夢だ……そんな世界は、僕が認めない!』
開発チームの1人であるその青年は、責任者や幹部に反発して自分が見込んだ者達に『贈り物』をした。データを調べれば分かるほどの異質とも言える物を渡したのだ。
世界が動き出した時に気付いた幹部や責任者は、この青年を止める事が出来なかった。青年が仕組んだプログラムは、一度動き出した世界を止めるとデータが消去されると言う物。
そして、外から介入はできなくすると言う物だ。この2つにより、見守る事しか出来ない状況となる。
『ゲームタイトル未定のこのゲームは、クラス単位で行動をして貰います。クラスメイトを各部署に配置して侵略してくる敵から地球を守って下さい。ゲーム内での資産は『ポイント』と呼称します』
え? な、何この状況? 黒板に表示されるチョークで書かれた説明文と、それを教室の放送設備を利用して聞こえてくる声。
説明が続く中、僕は……『日野 孝平』は、説明よりもこの状況の確認を急いだ。ポケットの中にはある筈の物がほとんど存在しない。
あるのは学生手帳……書かれているのは先程から放送されている説明が書かれている。何なんだよこの状況は!
『クラスの人員を増やすためには、『カプセル』の購入でランダムで人員が補充されます。高いポイントをかけるとそれだけ優秀な人材が手に入る事もあります。これは各種アイテムでも同様です』
……課金させるつもりか? それよりもここは何処なんだよ! さっきまで企業の人から説明を受けて……確か人差し指を何かの装置の上に乗せた所までは覚えているのに……
『クラスが集まる『学年や学校』で協力しましょう。それから他校のクラスや学校とも友好を結べます』
周りを見ると、知らない教室でクラスメイト達が自分達の着慣れた制服ではなく、軍服に近い制服を着ていた。学生服の襟や袖に装飾が付いている。
『以上で説明を終わります……世界の平和の為に頑張って下さい』
周りを気にしていると、何時の間にか説明していた声が聞こえなくなり、黒板に表示していた声に合わせた説明文も消えていた。
……誰かこの状況を説明してくれる?
なんだかSFみたいな感じですけど、ファンタジーです。魔法はないけど火器はある!
急にロボットの戦闘や学園物が書きたくなって手を出しました。知識がないと本当に苦労しますね。
SFってすると矛盾に厳しいご指摘が入るので、この作品はファンタジーにしました。
VRとか人気だし書いてみたかったのもあるんですけどね。