26.人影発見
よーし、今日もがんばるぞー
あの脅威の雨から、五日ほど過ぎました
噂によると、あの雨で、半数ぐらいの人が、リタイアになったらしい
うん、こんだけ、リタイアしたら、もう全員退学なんてありえない
あれは、先生がはっぱかけるための、都市伝説だよね
という会話が飛び交っていた
あの雨で、荷物が流されたり、水がうまくとれなかった子がいて
水を欲しがられた
うん、いいよ、いいよ
ラムムンぶよぶよで持ち切れないぐらいだから
じゃーっと、ついであげて、皮袋のない人は、予備のある人からわけてもらってた
スライムもいいねって言ってくれたりする子がいて、ちょっと嬉しかったなぁ
そんな感じで、荷物取りに帰るグループ
先に進むグループに分かれてたりして
ほんと、大変な感じ
雨の後の太陽は結構、精神的にもきつかった
ちょっとリタイア者が出たみたい
でも、さすが、トップグループっ
誰も脱落してないの
最初、あんな短いスカートで大丈夫なのかな
とか
飛ばしすぎじゃないのかなっとか
思ってたけど、余計なお世話でした
ほんと、トップグループなだけあります
あ、時計で、そういう情報も見られるんだよね
今回の全行程を50ブロックぐらいにわけて
その中にいる人数が表示されてる
トップグループって本当にあの人たちなのかはわからないけど
なんとなく、あの人たちしかいないって思えるほど
頑張ってたもんね
あとは、リタイア
こちらも、ブロックでわかれてて、ここら辺で
今日、リタイアあったよー的な速報がはいる
この前みたいに、近くじゃないと、リタイア者が出たとかわからないもんね
まぁ、リタイアを迷ってる人には、
リタイアしてもいいか・・・もうゴールしてもいいよね・・・的な気持ちに
持っていけるようにしてるんだと思う
自分で区切るのって結構つらいもんねー
もはもはっとした砂の感覚が気付けば
ざくっざくっにかわってた
おお、これが、依頼にあった砂だね
綺麗だけど、ちょっと痛そう
もし私のかんじきが、発泡スチロールやビート板とかだったら
もうざっくざっくのぼろぼろになってそう
サボテン板でよかったー
収穫用の袋にいっぱい詰め込んで、鞄の中に入れる
いっしゅんずしりっとした感覚があったけどすぐにふっと軽くなった
軽量化の魔法の範囲に入ってくれたってことだよね
ラムムンもおりて、もそもそと食べてる
取り込まれていく、きらきらの砂が
太陽に照らされて、ラムムンがラメラメ状態になってちょっと綺麗
「ラムムン、素敵よ」
そう言うと、意味がわからなかったのか、なに?という感じ
いや、だってきらきらして、綺麗なんだもん
あー、そうだねー
水のりの中に入ってる、ラメとか
私は結局付けられなかったけど、マニキュアの透明ラメ入りって感じ
思えばあの世界から遠いとこまできちゃったなぁ
あちらの私は、何してるんだろう
ピンクのラメ入りのマニキュアつけちゃえっ
おばーちゃんの浴衣きて、夏祭り行っちゃおーよ
なんて、思っちゃう
ん?人が見えてきた
おお、あれは、トップグループの人たちだ
二組ともいるのか、犬猿の仲だけど
ライバルって感じがして、見てて面白い
でも、なんだろう、今は、ちょっと近づきたくない雰囲気だね
ラムムンもなんか不安そうだし
「お前っ」
はい?男子グループのリーダー格の人が、こちら指差してる
遠くて、ちょっと聞こえづらいし、なんか怒ってるっぽいので
かなり行きたくない
女の子グループもなんか言ってるっぽい
ひぃぃぃ、先頭争いに入っちゃったのかな
喧嘩してないで、歩いたほうがいいって・・・
半分は超えたとはいえ、先はまだ長んだよ
使役獣たちが、警戒している姿勢をとっている
うーん地味に怖い
ラムムンもいやがって、私をどろりと包み込んでいる
顔だけだしたロングパーカーを着てる気分になる
ううう、嫌だけど言った方がいいのかな
ねぇ、ラムムン
そう問いかけたと同時に
ばさり、という羽音が、頭上から降ってきた
え、と見上げると
どろっとラムムンの膜が顔にも覆い被さり見えないし
びっくりしたし苦しい
ラムムン出して、見えないよ
と訴えてみたら
がるるっという唸り声が四方八方からする
ラムムンがぶわりと広がるのを感じる
どこをみてもラムムンの白濁した膜の色
一体何事なのっ
依頼品は随時確保してます、
アンちゃんは真面目で良い子なのです
え、お金がほしいからって、いやーんホントのこといわないでー
解りづらいとのことで訂正少しいれました




