25.大雨とリタイア
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本当にありがとうございますっ
大きな音で目が覚めた
びくってしちゃった
「な・・・何?」
ラムムンの核がつるってテントの中に入ってくる
「何、時計?」
時計と便宜上よんでるけど、方位磁石
「リタイアしたんだ、この近く?」
ラムムンは頷く
ラムムンに包まれて外に出ると、豪雨もいいところ
音がほとんどしなかったのはラムムンがテントを包むほど大きくなったから
パンツ一丁だけど、この水のカーテンがあるから
外に出ても平気
「下?」
ラムムンが、下を見てって言ってる
ちゃんとした言葉じゃないんだけど、なんとなくわかる感じ
下をみると、すごかった
水が出るだろうなぁとは思ってたけど
ごりごりと削っていきそうな、荒波ができてましたよ
はい・・・
これはリタイアするしかない
使役獣の叫びも聞こえる
これもリタイアの声
リタイアの条件として
本人による連絡
使役獣が主の生命の危機を感じての連絡があるんだよね
その両方が眼下の水の中
または、流されながらしてる
みんな、無事かな
誰かが岩場を登ってきてる
ラムムン手を貸して
え、やだ?
なんで???
赤い核
ラムムンは怒ってる
理由はわからない
だけど、ラムムンが手伝ってくれなきゃあの人は助けられない
そうおもった瞬間使役獣が泣き叫んだ
ああ、間に合わなかった
ラムムンの核は普通の色にもどった
行くとあぶないから、駄目って言いたかったのかな?
綺麗な羽の使役獣なのにぼろぼろになってちょっとかわいそうだった
実は、まだ半分もきてない
だから、言葉は悪いけど、リタイアして、良かったのかもしれない
今だから、この洪水だから踏ん切りはつけやすいだろう
きっと退学なんて、嘘だろうし
まぁ今回の点数は赤点になるかもしれないけど
まだまだ頑張ればどうにかなるよ
実地だけで、決まるってことはないよね
うん・・・
なんか、ちょっとテンション下がった
学校の飛精霊が意識のなさそうなぐったりとした子たちを運ぶ影が
見えた
ぷよんっとラムムンが私に体当たりしてくる
「ん?何?」
心配そうな核の色
「うんうん、大丈夫、平気だよ」
みんなそろってゴールなんて出来ないことは頭ではわかってた
修学旅行みたいにわいわいがやがやでもないことはわかってた
数日前、話した人たちが、いなくなるこの現実
死んではないんだけど、それに直結しそうな現実
「ラムムン、お風呂入らせて」
まとってる箇所が私にべちゃりと密着してきた
「ううん、違うの、お風呂桶みたいになって
ちょっと水ためて
うん、そうそう
ぬくめてー
はいじゃぶーんっとな」
あー、気持ちいい
ざざ降りの雨、温いお風呂
ラムムンが丁度よく温度を高めてってくれた
よしっがんばろう
元気になったあと、ラムムン何がちがうのよーと
お風呂の入り方に文句を言ってきた
日本人はねーあっつあっつのお湯の湯船に浸かりたいのよー
そして、くっはーとか言いたいのっ
わかってぇぇぇっとスライムに言ってる私
ちょっと復活したかな?
お風呂これも日本人の執着ポイントの一つですよね
うんうん、さーて、温泉気持ち良く入ってると思います
え、旅行中ですよ
って今日が最終日帰って来る日ですね




