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13.宿でのしごと

何からしましょうか?と聞いたらおばさんは、大笑いして

じゃぁ、下ごしらえからしようかねぇ

部屋、見に行ってもいいかい?

と矢継ぎ早やに聞くので、頷きつつ厨房にむかった


「おう、来たか」

大きな袋かと思っていたそれが動いてこちらを向いた


つるりとした頭に、むきむきのおじさんがひげもじゃな顔でこちらを見ている

熊です


「あ、はい」

気おされてそんな言葉しか出なかったけど

あわてて自己紹介したら、おじさんも自己紹介してくれた

宿のおばさんの旦那さんらしい

二人で切り盛りして、軌道にのってほっとしてる

ということを、じゃがいもみたいなのを剥きながら話をしてた


見た目熊さんだけど、かなりおしゃべりみたい

子供さんが、女の子二人だったから

お嫁にいって、ちょっと淋しくなって宿兼食堂をはじめたらしい


宿としては中の下ぐらいのランクで

ガラが悪すぎることはないから、配膳も手伝ってほしいと言われて

早速手伝った


料理としては、具だくさんなスープとパンが多いらしい


おばさんの希望で、石窯があるのが自慢らしい

普通は共同の窯で週1で焼くから

焼き立てパンの食べられることから人気になったとのこと

うんうん、焼き立ては最高だもんね


早起きは得意かって聞かれて、私はうなずいた

おばぁちゃんが惰眠を許してくれなかったから


私の生活は10時睡眠5時起きですとも

これでも寝すぎだけどねと

おばぁちゃんは4時に起きてた

実はおじぃちゃんもだけどね・・・


年寄りの朝が早いんじゃなく

本当は、お天道様(太陽)が沈んでちょっとして寝て

お天道様とともに起きるのがいいらしいけど

世間とあわせて残りの時間

ドラマとか、もうぎりぎりで見てたもんね


だから、早起きはできると、頷いた

そのかわり夜は早く寝ますよと言うと

「娘っ子を夜中に働かすほど酷じゃない」と笑われた


とりあえずは、朝食のパンを焼く

朝・昼・晩の料理と配膳を手伝う


部屋を見たおばさんが、上手に掃除してるってことで

おばさんと持ち回って二階の客室の掃除を左右毎日交互で掃除

そうすると、得手不得手があったとしても、二日に一回リセットされるから

といっても六部屋しかないから、そんなに時間はかからないと思うけどね

と笑ってた


「いい子がきてくれてうれしいよ

 あんたの住処と、仕事も安泰だよ

 学校行く時も、少しは手伝ってくれるとありがたいね」


とのことで、ちょっと緊張してた気持ちがふっと抜けた


おばさんは、それに気付いたみたいで

ただ、にこにこ笑ってた


もし、使役獣が手に入れられなくても、仕事ができたから

どうにか生きていける状態になったんだ

ってその時思ってほっとしたのもあるのかなって

後でそう考えた


「これから、よろしくお願いしますっ」

そう、私が言うと

おじさんもおばさんも笑って握手したり抱きしめてくれた


ちょっと家族ができたみたいで嬉しかった

その夜、ベットで一人泣いたのは秘密にしておきたいんだぜっ☆

センチメンタルジャーニーすぎて

こっぱずかしーっ


予約忘れずできましたよーっ

無理せずみんなちやんとねるんだよっ

(私だけですかね・・・)

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