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11.学長

「ああ、起きなすったかね、異世界の方よ

 名前を伺ってもよろしいかね」

やさしいおじいさんの声


白い長い髪と同じぐらい長い髭

それは、まっすぐで、憧れの魔法使いによく似ていた


だから、夢だと思った

こんなリアルな夢を見るなんて

どんだけ好きなんだよ

と、くぅぅぅっと照れそうになったけど

内心だけにして

私は体を起こした


スプリングがきいてるとは言い難いソファは

手をついたとたんごそごそと音を立てて

普通ではない感覚に、目がどんどんと覚めていく


どんな感覚かと言えば

お米を入れた麻袋に手をおいたような感覚


「大丈夫かね」

水が入った茶色い器を持っておじいさんは尋ねる

声を出そうとしたら、喉がいがらっぽい

少し不安の残る水を、軽く口に含み

飲み込む


つるんっと滑りこむ水

一口では全然足りなかった


後でトイレの友達となっても、今は飲もう


そう頭の片隅で思いながら

私は器を傾ける


一度水を含むと、体が水を求めるのが分かる

部活の走り込みの後みたいな感じ


そして、気がつけば器は空になっていた


「ありがとうございます」

御礼を言うと、おじいさんは目じりに皺をよせて笑った


「さて、異世界の方よ、お名前を伺ってもよいかね?」

私は頷き答えた

名前と言われたが、持ちえる情報は渡しておくのは必須条件に思えた


紺屋 杏子

年は15で、高校1年生

料理クラブと陸上部の短距離に所属しており、運動と料理が得意

家族構成は、祖父母、父母、三人兄弟の真ん中

手のかからない良い子だと言われ

それを誇りに思って、

人さまに迷惑をかけないがモットーであることを伝えた


おじーさんはにこにこと聞いてくれ

学生であることを二度確認し

私を出現したこの学校に入学させてくれることになった


そして、私の失神の原因である

光の人


これは、使役獣で、おじーさんを含み

この学校の全員がいろんなのを連れているらしい


某羅針盤的とか、女神転生シリーズ的なのかと思えば

魂の形でもなく、いるものを捕まえるのでもなく

生み出すらしい


それは、授業の最初で習うらしいが

それが生まれなかったら、この学校には通えないらしい

あと、使役獣使は人気の高い職業であり

いわば、あとあと困らないとのこと


だから、できれば、なれるといいと言われた


もし、この学校に通うつもりがあるならば

異世界人故に、学費の支払いを免除してくれ

昼ごはんは、学食の利用でどうかすることを約束してくれた


だけど、それ以外のは自分でどうにか稼ぐようにと言われ

学校にほどほど近い宿が私の住処となった


おじーさんは、ちなみに、学長で一番えらい人だったらしい

一緒に異世界に来た、学校の机と椅子は必要ないかと思ったけど、

私の地球での最後の思い出なので、宿に運んでもらった


ちなみに、お弁当は二人で食べた

おいしいと喜んでもらえてよかった


それとも異世界人についてと

帰れるかについても教えてくれた


異世界人、地球とはかぎらない人によく似た生物が何らかの原因で

飛来することがある

帰ることはできないらしい

異世界研究の人たち曰く

飛来する際、分離という現象が起こるらしい


私という存在が分かれてしまい

地球と、この世界にあるようになるらしい


地球にも私がいて、お昼の弁当を笑いながら食べるってことになるらしい

だから、私が帰る場所はない

だから、この世界で生きる術をつかむしかないらしい


まだ私は、いいほうらしい

裸一貫で、街の外に出たり、良くない場所にでて

即死したりする人もいるらしい


うん、たしかにそれは良かった

まぁ、くよくよしてても仕方ないし

家は家で大丈夫なんだからって思うと

なんだか安心とともに、楽しくなってきた


だって、面白そうじゃん

異世界体験なんてできるもんじゃないもんね

よーし、がんばろうっ


まえむきにごーごごーっ♪こんな風にアンちゃんは元気に進んで行きます

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