戦闘的なものがあった夜のこと
短いよ!
頑張って読んで下さい、哀れな英雄よ…
*** *** *** *** *** ***
王女のおかげで、まるで俺は居ないかのように扱われた。こうみえても、俺は英雄だ。英雄のはずだ。この話しの主人公も俺だ!おい作者、聞こえるか。俺が主人公だぞ、王女を贔屓するな。でもそんな扱いも中々良い……うわああああ、どうした俺!!
ちなみに今は夜。野営中だ。俺の目の前で、王女が得意顔で料理をしている。
心配だ。スープの色が大変なことになってるぞ。
この魔のスープから逃げるために話題をそらすが、王女は野営を拒まなかった。俺が野宿にしよう、と言ったら、ええ、いいわよ、で済まされてしまった。寧ろ、野宿かー、怠いなー、と男の俺が嫌がる始末である。
そういう意味では王女はさっぱりしていて、勇ましい。否、何にせよ彼女は勇ましいのだが。
そんな王女に弄られるのが俺は嬉し……違う違う!!
オレハアタマガオカシイデスHAHAHA★
王女に出会ってから、おれは変わった気がする。前よりもおかしくなれた。前よりも明るくなった(色んな意味で。前よりもイタくなれた!
あれ、俺って、王女に出会ってから良いこと一つもないね。国民なんてもう、王女万歳って泣きながら言ってて、おれに興味ねえっぽいし。
「ねえ、愚物。聞いてるの?せっかくこの私が料理をつくってやったのに」
しまった。恐怖の色のスープが出来てしまった。俺は、きっと死ぬだろう。父さん、母さん、ごめんな……。
ニコニコ笑顔の王女の前。ここは男らしく散るのみ。
………ぱくっ。
「どうかしら?」
「うおっ、美味いっ!!」
「うふふ、でしょう?」
笑顔の王女。可愛い。料理もおどおどしい感じだが、普通に美味かった。あれ、なんか足りない。待て待て、俺は一体、何を求めているんだ?
/// \\\ /// \\\ /// \\\
夕食の後、「明日の朝食の獲物を捕まえてくるわ」と言い残し、足早に王女は茂みの奥へと消えた。相変わらず勇ましい。憧れてしまうよ………(棒読み
そしてなぜか王女は夕食を食べなかった。
少し引っかかる所があるが、気にしたら負けだおと思った。……だお??w
俺は大人しく寝袋に入る。俺のは穴があきまくってとても寒いのだが、隣に置いてある王女の寝袋は何だかたくさんの装飾がついていた。しかも、とても暖かそうだった。綺麗な割に、寝袋が使い込まれた跡のようなものが残っているのは気のせいだろうか?
まあ、二回目だけど、気にしたら負けだと思うんだ!開き直ることも大切だよ。はい、ここ、テストに出ます!自分でも、誰に何を言っているのかが分からなくなってきた。これも王女の影響だろうか。
余計なことは考えずに寝ようと思い、目を閉じる。が、まったく眠れない。目を閉じると
王女の顔が浮かび、俺を罵ってくる。やっぱりこれがないと俺は生きていけない……いや、全然生きられるからね!?
ーーそういえば……
王女に関しての噂を、旅していた時に少し聞いたことがある。銀髪の美女までは合っているのだが、それからがまったく違う。
一、大人しく礼儀正しき王女様。
ニ、可憐でか弱い王女様。
三、優しく気高い王女様。
この中で一つでも王女だ!と思える者は手を挙げるんだ!そして、王女の素晴らしさを俺に教えてくれ、何か見えるかもしれない…。
そんなこんなで、やっと俺にも眠気という神様がやってきた。俺は深い眠りへ落ちて行く……。
深夜。突然の激しい痛みに俺は叩き起こされた。腕が痺れ、大変なことになっている。ちなみに王女は俺の隣で小さな可愛らしい寝息をたてている。
「ぐふっ……がはっ………」
激しく咳き込む俺に背を向けるように、王女は寝返りをうつ。そして、小刻みに揺れる。笑っているような気がした。
Sにしては酷すぎる。しかし王女の仕草は俺の萌えポイントを……じゃねええええ!!!
でもこれは殺人事件の領域だ!誰かぁ、お助けを…………
*** *** *** *** *** ***
「あら、おはよう。寝坊助さん」
しれっ、ミセスしれっ!何その平然とした態度!マジありえねぇ!涙出てきた!
「なにゆえ泣いているのかしら?可哀想に、そんなあなたには私の朝食スペシャル・毒蛇バージョンをどうぞ」
「も う 要 ら ね え ! ! ! !」
俺たちの旅はまだまだ続く。
このシリーズを読んでいただいて、ありがとうございます!!
短いですねえ………(笑)
すこし疲れました、これからも短いものをバンバン出していきますので、よろしくお願いいたしますw
感想なども待っております!