01 悪友カフェ
「なんや、今日も良い天気やんなぁ・・・」
アントーニョは空を見てそう呟いた。
「トーニョ!そろそろあの子達の来る時間だぞ!」
「ホンマ!?」
フランシスの呼びかけにアントーニョが目を輝かせる。
あの子達というのは・・・
カランカラン
お店のドアのベルがなり2人の女子高生が現れる。
そう、あの子達というのはこの二人の女子高生のことである。
ここは、商店街の一角にある小さな小さなカフェ。
店員が全員イケメンということで巷ではちょっとした噂になっている。
「「いらっしゃいませー!」」
とびきりの笑顔を二人に向けるフランシスとアントーニョ。
一人はそれに答えるように満面の笑みで答えてくれた。
・・・が、一人は表情ひとつ変えることもせずボーっとしている。
「えっとぉ…いちごパフェ一つと…姉ちゃんは?」
「チョコパフェ」
それだけ言うと店の角の席に座ってしまった。
「いつも来てくれるお礼やで!今日は半額や!」
アントーニョは2人の所に行ってわざわざそんな事を言ってみせる。
「本当!?わーい、ありがとー!姉ちゃんもう一個頼もうよ!」
「ん、そうだな…じゃ、私はココア。デイジーは?」
「え、姉ちゃんそんだけ?ヴェー・・・じゃあたしもー!」
「了解!ココア2つやな!」
「どう?名前聞けた?」
「妹の方は分かったけど肝心のあの子は駄目やった。」
フランシスが直接聞けばいいのに…なんて呟いてるとギルベルトが話に割って入ってきた。
「おー!なんだなんだ!お姉さまの事好きなのか?」
「なっ、お姉さまとか慣れ慣れしいねん!知り合いでもないのに・・・」
アントーニョがギルべルトを睨みつける。
一方ギルベルトはきょとんとしていた。
「知り合いだぞ?」
「なんやて!?」
「ちょっ、トーニョ!声大きい!それにギルちゃん今なんて…」
「いやだから知り合いだって…」
「なんでや!」
ギルベルトはケセセ!と笑うともったいぶって言った。
「だって俺の弟とデイジーちゃん付き合ってるし?」
「名前!名前なんていうんや!」
「ロヴィーナ。」
「呼び捨てすんなや!」
アントーニョがギルベルトの頭をべしぃ!と叩く
「証拠。」
「なんのだ。」
「あの子らのストーカーじゃないかの証拠。」
「失礼だぞ!」
なんていいながらもデイジーの所までギルベルトが行く。
「よぉ!デイジーちゃんとお姉さま!」
「あ、ルートのお兄さん!」
「おう、不憫じゃねぇか」
(俺の名前…)
こうしてギルベルトの疑いは晴れる。
ここからアントーニョの奮闘劇が始まるのであった