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紅の術者  作者: 結城光
第0章 異世界編
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第6話 入学式


学園編の始まりです!!



「行ってきます、お父様お母様」


「行ってらっしゃい」


「うむ、行って来い」


「行ってきます、旦那様、奥様」


「は~い、行ってらっしゃい」


「ティアの事をよろしく頼むぞ」


「じゃあ行ってくるわ、おっさん、クラリスさん」


「行ってらっしゃい。勢いあまってやっちゃダメよ? やる時にはお母さんに言うのよ?」


「認めんぞ、学園で叩きのめされてしまえ」



俺だけなぜか不穏な送り出され方をしながらも、3人は馬車に乗った。中心の都市には電車とかがあるらしいが、ナフィー家は山の方に家を建てているのでそこまでは馬車で行く事になった。ちなみに俺は荷物に囲まれ、ティアとヨミはラクラク座っている。



「これ、ケツにっ、くるっ!!」


「だらしないわね……このくらいの揺れで騒いでいたら、馬なんかには乗れないわよ」



乗る気は全く無い。だってフライの呪文があるんだからいる必要が無いだろ? どうせ人より魔力が多いんだから関係なし!!



「ガタゴト揺れるのはっ、ちょっとキツイぜっ」


「格好つけても、所詮はただの負け犬。犬小屋に帰れ」


「まぁ、もうすぐ街に着くんだしもう少しの辛抱よ」



そういうと前方に昨日来た街が見えてきた




●紅の術者

第6話 入学式





「昨日来た時は気づかなかったど、ここには色んな種族が居るんだな」


「基本的には魔族とエルフだけだけどね。ほら、あの子とかもルビニアの制服を着てるじゃない」



そういって指を指した方向には、メガネをかけた男がいた。手には何かの参考書を持って。

俺はああいったタイプは好きにはなれねぇな。だってガリ勉メガネって、絶対うっとうしいもん。



「とりあえず駅まで行って見ましょ」


「そうですね、駅は……こっちです」



そういって指を指した方向を見る。それは明らかに違う方向で、怪しげな森に入っていくものだった。俺はティアの方を見ると、まただからというような目をした。



「実はヨミ、方向音痴?」


「ーーッ!? そ、そんな事は無いです。ですよね、お嬢様」


「いや、事実だし」


「ガーン!! 薄々気づいてはいましたが、まさかイツキごときに……これでは恥ずかしくって、外も歩けません」


「歩いてるじゃん」


「うるさいっ!! とにかく駅まで行きますよ」



少し顔が赤くなりながらも地図を片手に進んでいく、ヨミ。いい弱点を見つけたぞ

あちこちキョロキョロして、周りの人に何度も聞きながらやっと駅に着いた。



「なんで地図離さなかったんだよ? 10分の所が、30分掛かっちまったじゃねぇかよ」


「申し訳ありません、ティア様。この処遇はいかなるものでも……」


「いいわよ、ヨミが一生懸命やってくれたんだから。どうせまだ出発しないだろうし」


「なぁ、なんで離さなかった?」


「イツキには負けたくないから。私がイツキに地図を渡すという事は、敗北を意味する。そんなんだったら死んだほうがマシ」



言ってくれんじゃん? やったろか? オラ?

てかティアがさっき言ってた出発しないって、まさか……裏ですごい事起こっちゃってます?



「さっさと乗りましょ? 荷物はここに預けて置けばいいし」


「本当にすごいんだな……」



目の前に待っているのは、本当の列車。ヘタしたら日本の技術よりもすごいかもしれない。そんな列車に俺達は乗り込もうとしているのだ。ここは魔法が進んだ所では無かったのですか? 科学とかもメチャ発展してるんですけど?



「ほら、早く乗る。みんな待たせてるから」


「誰のせいだよ?」


「ウ゛……」



これ以上言ってしまうと泣いてしまいそうなので、俺は列車に乗り込む。後ろでヨミが何か恐ろしい事を言ってそうだがそこはあえて無視。電車の中に入るとすぐに乗務員が案内してくれて、席に着いた。さっきとは違い、揺れも感じない豪華な部屋だった。

そして俺は2人が席に着くなり、質問をしてみた。



「なぁ、この列車どうやって動いてんだ?」


「何よ、突然?」


「いや、俺の居た世界くらい技術が発展して驚いたんだよ。で、コイツが動いてる原理が知りたくなったの」


「私が説明します」



さも、さっきの失敗を払拭するかのようにヨミが割って話しに入る。まぁそのくらいでは失敗は消えませんけどね



「この列車は、風の魔法を利用してます。列車の下に、薄い風の魔法を吹かせることで列車を浮かせて後ろから風を出してスピードを出しているわけです」


「そんな事をしたら、物凄く魔力を使うんじゃないのか?」


「いえ、それを行っているのは人間ではなく、このような石です。」



そういって腰に刺している短剣を取り出す。やはり、というか魔法石がこの世には存在していたんだな。また1つ知識が増えました!!



プルルル



どうやら出発のようだ。扉が閉まり、部屋の窓や扉までもが閉まった!?



「あっ、言い忘れたけどこの列車、瞬間移動するように手配しといたから」


「はぁ!?」


「いや、遅れちゃったからナフィー家の権限をちょっと使ってね?」



そういって前方のほうを見ると……確かに魔方陣が展開されてますね。属性魔法じゃなくって通常魔法。

さぁ……覚悟を決めますかね



『出発します。シートベルトをお閉め下さい。なおルビニア魔術学院まで瞬間移動を行いますので、ご了承ください』




「世界の果てまで飛んでけぇーーーー!!」



その言葉と共に俺達は光に包まれた。

なんで俺があんな言葉を叫んだかって? なんとなくです!!





~ルビニア魔術学園~



転送される事3秒。俺達はルビニア魔術学園の門に居た。なんでも電車が着いた瞬間もう1つの術式を発動させて、俺達をここに移動させたらしい。なんとも金がかかった話だ



「ここの学園には1学年あたり1000人程度の学生が居て、1~25までのクラスと特別クラスのSクラスがあるわ。アンタはもちろん私達と同じSクラスだけどね」



お約束のご都合主義キターーーー!! とりあえずかなり優遇された立場で始まる事間違いなし!!

俺の人生バラ色計画実施中



「とりあえず、職員室に行くわよ? 色々やらないといけない事があるし」


「了解!! さっさと行こうぜ!!」


「テ、テンション高いわね……」


「一緒にいると、バカがうつります」



ヨミに何を言われても関係ないさ♪

とりあえずルンルン気分で職員室に行き、勢いよくドアを開けた



「ゴメーン、待った☆」


全「………」


「スミマセン、ウチのバカが……」



ありえないくらいのシラケ具合。まさかこの人達ビリビリ知りません? あっ、ここ異世界だった……orz

必死に謝ってるティアを見ると、申し訳ない気持ちと悲しいキモチでいっぱいです……



「ティスティアさん、文は考えたの?」


「はい、一応」


「こっちはメイド兼学生のヨミさんね?」


「初めまして、ヤスラ先生」


「でっ、こっちは……」



おそらく20代前半だと思われる若い先生が俺のほうに詰め寄る。さっきシラケさしたばっかりだからかなり居心地が悪い。正直ここからすぐに逃げたい気分だ



「ああ、ティスティアさんのボディーガード兼なんか知らないけどSクラスにする事が出来た イツキ・ジングウジ君ね? よろしく」


「はい、よろしくお願いします……」


「私は1年の学年主任兼Sクラス担当の、ヤスラ・クレンドよ。ヤスラ先生って呼んでね?」



分かりましたからあんまり近寄んないで下さい。目のやり場に困りますから。見たところ、E……いや、Fの巨乳が俺の前でタプンタプン揺れている。今すぐダイブしたいが、さっきの空気+ティアの攻撃が絶対にあるので理性で抑えてるんです。その核兵器並の物をこれ以上近づけないで



「じゃあティアさん、講堂へ入りましょう? ボディーガードのイツキ君も一緒にね」


「はい」


「お、俺も!?」


「何言ってんの? ボディーガードなんだから当たり前でしょ? ティアさんに何かあったらどうするの?」



そういえば俺はボディーガードでした。しょうがなく俺はティアについていき、護衛をする事になった。しかしこの時は、まだ知るよしもなかった。その演説であんな事が起こるとは




~講堂~



「~~で、あるからして……」


かったり……何しにこんなじーさんの話を聞いてなきゃいけないんですか? こういう行事は俺は大嫌いなんだよ。帰りたいというのが正直なところ



「なのです。だからこれからルビニア魔術学園の一員として、しっかりと自覚を持ち、勉学に励むように」



やっと終わったかよ……

俺は一息つこうとイスから立とうとすると……



『次は入学生代表、ティスティア・ナフィーさんです』



オイ、今の俺の俺の気持ちを分かってやってんのか? ティア、引っぱんなよって……

俺は結局ティアと一緒にステージの上に上がったのだ




『おっと、紹介が遅れました。ティスティアさんのボディーガードの イツキ・ジングウジ君も一緒です』



言わなくても分かると思うけど、みんなの視線が痛い……

しかし、それだけならまだ良かったのだった……



「おい、なんでお前がボディーガードなんだよ!!」



1番前列の奴が俺に声を投げかけてくる。よく見ると、さっき本を持って立っていた男だった



「僕の名前はクロッド・テスタランだ!! 俺が本来ならティスティアさんのボディーガードになる予定だったのだ」


「ティア、アレ誰?」


「なんかお父様の知り合いの子供みたい。1度写真を見せられて断ったけど」



かわいそうに…… コイツのボディーガードをやるとか、物凄く大変だぞ? なんなら1回変わってみる? 本当にそんな事をしたらティアに殺されるけど……



「なぜって言われても……偶然?」


「偶然だと!? 何処までも僕を侮辱しやがって!!」


「イヤ、ホントだし……」


「いいだろう、ここで僕と決闘しろ!!」



いや、今入学式だし…… てか、決闘した所でティアのボディーガードになれるわけではないし、バカなの?


「イツキ、まずいわよ……」


「ん? 何が?」



俺が無視しようと決めた時に、ティアが青い顔をして話しかけてきた。しかもティアだけではなく、講堂にいる全員が青くなっているようだった。



「ここの校則で、決闘は求められた場合は拒否できないのよ。自分と同じクラスから上は絶対、下のクラスでも面子が潰れるから断らないのがここの校則なのよ」


「なんだその校則!?」



ーーーーーーー ルビニア魔術学園校則 10-3 ------


決闘を申し込まれた場合、いかなる場合でもその決闘に応じなければならない。断る事は絶対に許されない。

決闘は監督の先生が居なければやってはいけないが、敗者は勝者の言う事を1つ聞かなければならないのだ



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




『入学式の途中ですが、校則により決闘が始まります。皆さんは2階に集まりなさい』



オイオイオイ、なんでみんな避難していくんだよ!? 先生も止めて……っていないし!?

ティアもいつの間にか2階に行っており、クロッドと俺だけになっていた



『決闘上はこの講堂の1階全てです。勝敗はどちらかが戦闘不能になるか、ギブアップするまです。それではレディーーー』



「マジでやんのかよ?」


「無論だ!!」



そういってクロッドは、自分の武器である杖を取り出す



「クロッド・テスタラン。行くぞ」


「あーもう、イツキ・ジングウジ出る!!」



そういってガンドロフに念話を送る


(主、どんな武器で行く?)


(俺が好きな武器だ、銃に銃剣をつけたもので頼む)


(心得た)



そういうと指輪が一瞬光り、手に武器が納まる。名前は……また後だ!!

とりあえずクロッドにその銃を向ける



「行くぜ?」


「望むところ!!」



『ファイト!!』



その瞬間俺達は飛び出していた







次の話はクロッドとの決闘です!!

イツキの少し本気が見られるかも……(能力を使うかどうかは未定です)

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