表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紅の術者  作者: 結城光
第0章 異世界編
8/66

第5話 契約



とりあえず0章はコレで終わりです



「なんなのよ、もう//」


「お前の母さんはすごいんだな……」



さっきあった事で、ティアは赤くなっている。俺も少しは動揺したけど、ティアのお母さんは結構キャラが濃い人だという事が分かった



「言っておきますけど、ティア様とは結婚できませんからね? 身分的にも、顔的にも」


「まだその話し引きずってたの!? いい加減やめろよ」


「そ、そうよヨミ。私達はまだお互いの事を良く知らないから、そういう事はまだ……」



そういう事じゃないだろ!? 俺がコクって返事させてるみたいになってるし、ヨミは不思議な顔してるし不幸だーーー!!



「とりあえず、話を変えるぞ?」


「あっ、うん……」



少し顔を赤くしながらうなずくティア。まだコイツ引きずってんのか!? あー、可愛いやつだよもう



「この世界の事を教えてくれるか?」


「ええ」


「とりあえず地図を出しますよ? お嬢様」



ティアが頷くのを見て、ヨミが何処からとも無く地図を出す。そこに描かれているのは俺の見慣れた世界地図などではなく、地形や海の場所が全く異なる別のものだった





●紅の術者

第5話 契約





「この世界、つまりユーリスはいくつかの国で出来ているの。今私達が住んでいるのは、比較的治安のいいフレイスって国でここよ」



そういって地図の中心にある場所を示す。確かに国自体も、他の分かれている所より少し大きい。なにより中心にあることで貿易とか、移動とかでここを通る人が多いのだろう。



「この世界の国は5つ+2つで構成されてるの。火の国であるここフレイス、水の国であるワレット、風の国であるスキュート、土の国であるドレイグ、雷の国であるサイレル」


「待て、火の国とか水の国とかってどういうことだよ?」


「国には王宮に1つずつマジックアイテムが収められているのよ。この国では火のマジックアイテムが収めてあるから火の国ってわけ」



基本属性に合わせた国作りって訳ですね、わかります。にしたって国がマジックアイテムで決められてるって、かなり魔法に頼ってるんじゃないのか? この世界



「で、次の国の話をする前にもう少しだけ魔法の説明をするわ」


「まだ言ってなかった事があったのかよ!?」


「時間が無くって言えなかったのよ!! 別に忘れてたわけじゃないんだから」



忘れてただろ? 今話している最中に思い出しただろ?



「アンタに教えていない属性魔法は3つ、光と闇と虚神きょしん属性よ。光と闇は上級属性で、これは基本属性とは違って持っている人が極端に少ない。持っている人が居ても、扱えるかどうかはその人の技量次第って所ね」


「なるほどな、イメージがしにくい光と闇だから扱うのも難しいって事か」


「そうよ。で、最後の虚神属性は、はっきり言って誰も使えない魔法よ」



誰も使えない魔法!? そんな魔法なんてある訳無いじゃん。とうとうティアが壊れたみたいです



「ティアよ、一緒に病院に行こう」


「なっ!? アンタさては私の頭がおかしくなったと思ってるんじゃないでしょうね?」


「自覚があるならやっぱり一緒に行こう。これ以上ひどくならないうちに」


「頭がおかしくなったわけじゃないの!! 本当に虚神属性は使える人が居ないの」



そう怒鳴った瞬間、俺に一冊の本が飛んできた。当たる寸前にキャッチした俺は、飛んできた方向を見るとヨミが立っていたのだった。

やっぱりアイツは俺を攻撃して楽しんでやがる。それともティアをバカ呼ばわりした事に怒ったのか?



「そこの83ページ、読む」



そういって渡されたってか、投げられた本を開いてみる。そこには大きな絵と共に、1つの神話が載っていた。



『古来、神は世界を創造した。そこに沢山の生物と共に、1つの法則を創り出したのだったーーーそれが魔法。基本にして、生命の営みに必要な5つの魔法である基本属性。全てを作り出し、また全ての元である2つの上級属性。そして、神はもう1つ魔法を残していったのだ。それが虚神魔法。神と似た創造の魔法である。この世界に災いが起きようとする時、神から力を授かりし者にその力は与えられよう』



いや、俺神様に会ってるんですけど? てか、創造する能力持ってますけど……

もしかして、俺って何かさせられるためにここに来させられた?



「どう、分かったでしょ? 虚神属性とは言い伝えの中にしか存在しなくって、本当に使える人が居たら即刻王宮行きよ」


「そ、そうなんだ……」



こいつ等の前で、あの能力は絶対に使わないと決めました。王宮とかに行ったら絶対行動の束縛を受けたりするし、なにより災いを振り払えとか言われそうだし。



「そんな訳でその虚神属性の国は無くって、光の国であるアースラと闇の国であるブラッシュがあるのよ」


「なるほどね」


「別に国の名前が違うだけで、住んでいる人たちは同じ。エルフとか魔族とかも居るけど、別にそこまで差別は無いわ」



やっぱり居るんですか、エルフとか魔族とか…… ほとんど人間に近いような姿でありますように

だって軽く人外入っちゃってたら、ちょっとビビるじゃん



「とりあえずこの世界の簡単な説明だけしちゃったけど、他に聞きたいことある?」


「あえて言えば、通貨とか」



なんかあった時大変だし、これから使う事が絶対あるからな



「一応私のボディーガードをやるって言うから、お金には困らないはずだけど」



そういってヨミの方を見ると、ヨミは何処からともなくサイフを取り出しお金を机の上にばらまいた。俺はヨミのサイフが予想以上に可愛かったので噴出しそうになったが、物凄い勢いで睨まれた



「コレが銅貨よ。この世界の最低の金額であり、基準のものよ」



そして次の硬貨を掴む



「コレが銀貨、銅貨10枚分と同じ金額よ」


「なるほどね」


「で、コレが金貨。銀貨100枚分の金額よ。一応これらは7つの国で共通だから」


「ありがと、分かったよ」


「じゃあ、ハイこれ」



そういって黒いカードを手渡してきたティア。これって俗に言う……ブラックカード?



「とりあえず、それでなら何でも買えると思うから今から必要なものを買ってきなさい」


「お、おいコレって」


「あぁ、私のカードの1つだから大丈夫よ。ヨミ、出かける準備するから」


「かしこまりました。ほらイツキ、出て行く」



何の説明も無いまま俺だけ部屋から放り出される。仕方ないので外を見ていると10分位してから、2人が部屋から出てきた。



「街に行くわよ?」


「あっそ」


「アンタが行くのよ!!」



そういって半ば強引に引きずられながら、俺は街へと行ったのであった




~街~



街に着くと異様な光景が広がった。今まで見た事も無いような店が立ち並んでいた。見た事も無い果物、見た事も無い道具、そして武器などが普通に売っているのだ。

俺は出て行く前に制服を脱いで下に着ていたパーカーを着ているが、下はどうにもならなかったので家にあったもので代用した。



「で、必要なものってなんだよ?」


「ルビニアの制服と、武器。両方とも入学に絶対必要だからちゃんとしなさいよ?」


「制服は分かるけど、武器って……ティアは何を持ってるんだ?」


「私? 私はコレよ」



そういって背中につけた杖を見せる。しかしそれは木では出来ておらず、プラスチックかなにかで出来ていて、中心には赤い石がはめ込まれている。多分この石に魔力を注ぎ込んだりするんだろうな


「ちなみに私はコレです」



ヨミは腰にさしている2本の短剣を見せる。これも魔力を流すための紫色の石が入っている。



「てか、なんでヨミまで持ってんの?」


「私も魔術学校に行くからですけど?」



魔術学校に行くのね。だから武器が必要だと……



「って、お前もかよ!? てかお前ら何歳!?」


「「16だけど?」」



もっと年上かと思っていた…… ティアは同じくらいかと思っていたが、ヨミは絶対17以上だと思っていた。ヘタしたら20を超えているかもって……



「なにか今、失礼な事考えた」


「べ、別に」


「怪しい……」



やっぱりコイツ等思考透視でもあるんじゃないのか? てか普通にそういう魔法がありそう。属性魔法って言うより普通の魔法で。


とりあえず俺達が話をしていると目的の店に到着した



「ここよ。武器でも制服でもそろう便利な所なのよ」


「これはこれはティスティア様。今回はどういった御用でしょうか?」


「彼の制服を作って欲しいの。私のボディーガードとして学園に行く事になったから」


「しかし、ボディーガードならスーツの方がよいのでは?」


「ああ、彼は学生として学園に行って私を守るから制服なのよ」


「そうでしたか、これは大変失礼しました。ではそちらの彼、こちらに来てください。寸法を測ります」


「は、はい」





そういって奥に連れ込まれ、寸法が始まった。流石にティアがいい店って言うだけもあって、他の金持ちとかも来てんだろうな。手際とかがまるで違う。もはや職人の領域だ(本当に職人だけど)

寸法を測って10分。魔法とかの力も借りながら、ありえないスピードで作業を終わらせた店主が奥から制服を持ってた。



「こちらが完成品です」


「か、かっけぇ……」


「サイズはピッタリみたいね」


基本の黒と白。その中に5色の色が混ざっている。確かに魔術学園というだけあって属性魔法の色を使っている。さすがに虚神属性は見た事が無いので、胸のところには学園のマークが入ってる



「武器もお探しでしょう。こちらにいいものがあります」



次は武器選び。店主に連れられて通常販売している所の奥に連れて行かれる。そこは店頭で通常販売しているのとは質が違うのが、俺でもわかる



「剣から銃まで何でも揃っています」


「おい、これはなんだ?」



そういって1番奥に大切に飾ってあったリングとさまざまな武器を指した。そこからはあり無いくらいの魔力を感じる。


「それは古代から伝わる武器たちでどれも有名なものが作ったのですが、武器自体が適合者を選ぶみたいで……選ばれたものにはそのリングが反応して、武器全部を収納してくれるみたいなのですが……」




剣から銃まで確かに何でも揃っている。こいつを使えるようになれば、沢山の武器が使えるようになる。いっちょやってみるか? どうせダメでも創造して創っちまえばいいし、適合したら自分の好きな武器もしまっておける



「店主、俺が適合してるか確かめさせてくれ」


「よ、よろしいのですか!? 失敗したら、すごい事になりますよ!?」


「大丈夫だ、いいだろ? ティア」


「好きにしなさい」



その言葉と共に、俺は紅色に光るリングに触る。その瞬間からだの中に何かが流れこんでくる。しかし嫌な感じでは無い、むしろ俺の体から抜けていたものがピッタリかみ合ったような感じだ



(汝、我と敵対するものか?)


(いいや、俺はお前を貰いに来た)


(汝、我を使うと申すか?)


(ああ、そうだ)


(ならば問おう、汝は何のために我を欲する)


(なんとなくって言うわけにも行かないしな……)


(理由がない? 我を欲するものは皆力を求めた。しかし汝のような者は初めてだ)


(なんか持ってたら便利そうだし、俺の魔力にも耐えれるだろ?)


(ほう、これは……なるほどな、これほどまでの魔力を感じた事はない。汝、名をなんと申す?)


(ジングウジ・イツキ 覚えとけよ)


(我はガンドロフ。汝を主として認めようぞ!! さあ仲間よ、主は決まった!! 再び1つとならん!!)



その言葉と共にそこにあった古代の武器が、指輪の中に入っていく。そして全て入ったところで指輪はもう1度輝き、そして俺の手に飛んできた



「し、信じられん……」


「ホント、人外ね」


「怪人イツキ、ここに現る」



なんで、指輪との契約が成功したのにこんなにひどい事になってんだ? 武器が必要って言ったから、俺が選んだのにそんな不満があんのか? 便利でいいじゃねぇかよ。使いたい時だけ呼びだしゃいいし、いらない時は指輪の形。持ち運び便利だろ



「店主、いくらだ?」


「い、いえお代は結構です。それの適合者が現れるなんて、夢にも思ってませんでしたから」


「じゃあ制服代だけ」



そういって、さっき貰ったブラックカードを出し会計を済ませる。店主も顔が青くなっていたが関係ない。俺は俺のやりたいようにするさ




「そういえばさ」


「なによ?」


「学園の入学式っていつ?」


「明日だけど?」



えっ……何言ってんの? 明日って、時間的にもう何時間も無いだろ。日も沈みかけてるし

てか入学届け、書いた覚えないですよ?



「入学届けとかは全部やってしまったから大丈夫よ。向こうは全寮制だし、少しいるもの持って行けばあっちで全部もらえるわよ」


「明日は早いからお嬢様はすぐにお休みになられてくださいよ?」


「分かってるわ、ヨミ」


「イツキは寝坊したら、置いてく」


「起こそうな!? 起きてこなかったら起こしてあげようって思ってくれよ!?」


「ヤダ、部屋に入ったら襲われる」



襲うのはお前の方だろ。結局クダクダ話しながら家に帰り、俺は怖くなって早めに寝ることにしたのだった。






次回からはメインの学園編に入ります。

何人のキャラが出てくるかは……未定です(でもかなり多くなるかも)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ