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紅の術者  作者: 結城光
第0章 異世界編
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第4話 初めての戦闘

「あっ、そういえばさ」


「なによ?」


「さっき言ってた4つの詠唱呪文のうち、2つしか教えてもらってないのだが?」


「悪いけど私も上級呪文と古代呪文は使えないのよ。まだ見た事もないから」



あれの上には上級と古代魔法があるわけね。どうせ魔力もバカみたいに使うだろうし、ティアが見た事無いって言ってるんだからおっさんも使えないだろう



「ちなみに上級魔法、古代魔法は詠唱の長さが違うの。上級は対象の属性のまた1つ上げて、詠唱するのよ。でもここからは中級呪文とは違ってその呪文自体に意味があるようになっているから」


「ちなみに補足しますと、中級呪文までは人それぞれで詠唱が違っても同じ魔法が発動できますが上級からは無理です。いくらイツキがヘンタイでも、詠唱自体に意味が込められているので覚えるしかないのです」



やっぱりそうなのか。本当は初級からちゃんと呪文を覚えないといけないけど、俺は中級までそれをすっ飛ばしてきた。それは俺が頭の中でイメージできていたからだろう。しかし上級以上になるとそれが格段に難しくなってくる。威力が大きく、術式が複雑な分面倒な事が多い。だからちゃんとした詠唱をする事によって、それを補助してくれるのだろう



「そして古代魔法。これは使える人自体がごく一部なの。イメージのしにくさ、魔力の量、その他の理由からほとんど使えないのよ。ほとんどの人が上級呪文を極める事を目標にしているわ」


「そうなのか……」



頑張って覚えてみようかな?

どうせ魔力の心配しなくってもいいし



「あっ、着いたみたいよ」


「えっ……」



そこには瞑想をしているおっさんが居た



●紅の術者

第4話 初めての戦闘



「どうやら時間には間に合ったようだな?」


「当たり前よ。私達が逃げ出すとでも?」



俺はとりあえず逃げ出したいんですけど? 負けたら即効でこの世界での俺の人生終わるんだよな。こいつら人の人生をなんだと思っていやがる



「じゃあ始めましょ、お父様」


「まぁそう焦るな。言っとくが、ワシが戦うんじゃないからな?」



おい、あんだけ偉そうな態度を取っていたのに怖気ついたか、このやろう

この場で丸焼きにしてヤンよ



「お父様、ご自分で戦うのでは?」


「いや、ワシが相手を早急に用意した。もうそろそろ来るはずだが……」


「どういうことだよ、おっさん!? アンタをボコれるんじゃ無かったのかよ!?」


「ワシをボコす? 冗談は顔だけにしていろ。ワシが戦ったってお前ごときには勝てるが、より深くお前を絶望にたたき落とすのだ」



今すぐこの人をぶっ飛ばしたい。てかティアの父さんじゃなかったらぶん殴ってるところだぞ?



「ん? なんか異様に風が強くなってきたわね」


「来たか……」



彼方の空を見上げながらつぶやくおっさん。確かに風の向きとか、空気が変わったのは分かるぞ。でも、そんな格好つけてもあんまりかっこよくないわ。むしろヘンタイみたいなオーラが出てるし

しかし、おっさんの用意した奴はそれを越えていた



「フハハ、呼びかけにより参上」


「「「とりあえずチェンジで」」」



俺達は初めて心が1つになった



「なっ!? 貴様、俺の事を無視する気か?」


「いや、ぶっちゃけここでしか出ないモブキャラでしょ?」


「キャラクターのグラフィックないし」


「臭いです、寄らないで下さい」



ますます帰りたくなってきたぞ。とりあえず命の危険性は回避されたのは助かったけど

だってコイツに負けるわけ無いじゃん?



「こいつは……名前とか紹介はしないから、さっさと戦ってくれ。君も君でちゃんとしてくれなきゃ困るよ。」


「も、申し訳ありません」


「で、やるの? やらないの?」


「や、やるに決まってるだろ。あ、武器とか無しだぞ? 切れたりしたら痛いから」



おっさんは頭を抱え、ティアは馬鹿笑い。ヨミは何処からか出したハンカチ鼻を押さえていた。本当にコイツが相手で大丈夫か?



「とりあえず2人は離れてくれよ? 万が一当たったらシャレになんないから」


「そんな事言われなくっても分かってるわよ」


「イツキが死んでも、そんな事はありえない」




口では色々言いながらも、ちゃり避難する2人。俺は俺で、魔法を使った初めての戦闘が出来るからワクワクしてるんですけど



「準備はいつでもいい。どっからでもかかって来い!!」


「んじゃ、遠慮なく」



足に魔力を注ぎ込む。それこそゆっくりとしかし大量の

そして次の瞬間、思いっきり地面を蹴る



「ーーッ!? き、消えた!?」


「後ろだよっ!!」



一気に後ろまで回りこむ。体術で言えば、ちゃんとはしていないが俺もある程度できる。昔から絡まれる事が多かったから、自然と身についた。

とりあえず相手の足を払いのけ、自分に有利な状況を作ろうとする



『土よ 壁となれ 土の岸壁』



途端地面から土の壁が出来て、俺の目の前に立ちはだかる。しかし、俺の蹴りは止める事が出来ない。

魔法には魔法しか対応できない



ガツン


鈍い音が響き渡る。俺の脚が土の壁を蹴った音だ。そしてその衝撃も足に伝わる。

痛い。正直、肉体強化頼んでなかったら折れていたレベルだ



「この世界は魔法が使えるんだったな……危うく、いつもの通りでやっちまうとこだった」


「何を言っている?」


「こっちの話だよ」



俺は体の中の魔力を集める

その反動で周りが何か音を立ててるが関係ない。俺に授業をしてくれたお返しをしなくてはいけない



「なんだ!? この魔力は!?」


『雷撃よ、彼方を駆ける槍となれ 雷撃槍』



バチバチと音を立てながら槍が俺の手に現れる。普通だったらこんなものを持っている時点で感電するはずだが、魔法は使った術者には効果が無いみたいだ



「武器は無しって言っただろ!?」


「お前が使った魔法だろ? 形式を槍にしただけだ」


「そんなのありかよ!?」



そんな戯言を聞き流し、俺は力いっぱい槍を投げる。もちろんさっきの壁にめがけてだ

放った槍は、勢い良く壁を破壊して奴に当たっていく


「くっ『土よ 火よ 双方の力をかてとして、我が前に盾を創らん 炎土の盾』」



なっ!? 魔法を組み合わせた!? さっきよりも強度を増した盾が、奴の前に立ちはだかる

俺の放った矢は、盾にぶつかり相殺した



(イツキ、聞こえてる?)


(!? ティアか!?)



俺の頭の中にティアの声が流れてくる。多分……念話?



(そうよ、念話は心で思っただけで話せるからうかつな事は考えないほうがいいわよ)



おい、便利だけどやべぇ能力じゃねぇかよ? 使い方間違えれば……死ぬ



(とりあえずさっきのやつを教えてくれ)


(そうね、教えて無かったわ。あれも基本的な魔法の1つで、異なる属性を混ぜる事でより強力な魔術が完成するのよ。でも1つだけ気をつけて。相、反する魔法を混ぜる事は今のアナタでは絶対無理。魔力とかの問題じゃなくって、専用の術式が必要なの)


(火と水、水と土、土と雷ってとこか?)


(風だけはどれでも相性が良いから、やるなら無難に風と何かを混ぜて見なさいよ?)


(リョーカイ、忠告ありがとな)


(頑張んなさいよ)



とりあえず魔法は混ぜれますよってか? どっかのRPGだな

まぁこれはこれで、楽しいだろうけど




「どうした? 怖気づいて動けなくなったか?」


「いや、今から反撃してやんよ」



ゆっくりとだが、確実に言葉を紡ぎだす



『火よ 風よ 雷よ それは蛇炎、それは疾風、それは稲妻』



「ちょっと、アンタその呪文は!?」



適当に言ってますが何か? どうせ混ぜるならとことん攻撃に特化したものをつくりたいじゃん?

とりあえず形状は矢のような感じでっと……



『形式は矢、速さは疾風 蛇炎の雷風』



雷をまとった風が、蛇炎についてくる。そして1つとなり、けたたましい威力を発する



「冗談じゃない、俺はあんな攻撃見た事無いぞ!?」


「チェックメイトだよ」



次の瞬間、その咆哮が相手に当たる。完全に防御もしていなかったので、吹っ飛んでいってしまった

それは来た時と真逆の行動だった



「おっさん、これでティアのボディーガードに認めてくれるわな?」


「グッ、しかし……」


「往生際が悪いですよ、お父様」


「しかしな……」


「旦那様、机の下の引き出しのうしr「分かった、認めるからそれ以上言うな!?」分かっていただけて何よりです」



机の下の引き出しに何があるんだ? 今度探りを入れてみるか?

それよりとりあえずは、3食の飯と生活場所、そして魔術学園の入学が決定した。




「とりあえず戻るか」


そういってみんなの居る、おっさんの書斎に行った



~書斎~



俺はルンルン気分で書斎のドアを開けた

しかしそこには、知らない人が立っていた



「あら、アナタがティアのボディーガードになるって言うイツキさん?」


「えと、アナタは……」


「あら紹介が遅れたわね、私の名前はクラリス・ナフィー。ティアのお母さんです♪」


「お、お母さん!?」



ありえない、絶対にありえない。俺の目の前に立っているのは、せいぜい20代後半の女性だ。それがティアの母親だって!? ティアは……あっ、ティア何歳か知らんわ

でも1つだけ分かった。おっさんはロリコンだって事が!!



「わ、若いんですね……」


「あ~ら嬉しいわね。ボディーガードだけじゃなくって、ティアのお婿さんにしちゃおうかな~」


「「お、お婿さん!?」」


「ワシは認めんぞ、絶対にな。大体こんな貧乏そうな顔の男と、ティアがつりあうわけ無いだろ」


「いいじゃない、私はタイプよ?」


「なっ、何言ってんのよお母さん。恥ずかしい……//」



なんかこの家族キャラ濃いな……

俺はついていけません



「とりあえず紹介も済んだし、イツキに色々話す事があるから出てくわよ」



やっとこの世界の事を話してくれるのか? 長かったぜ神様。アンタがさっさと説明しておけばよかった物を戦いまでしてやっと教えてもらえるようになりましたぜ?



「話す事? ああっ、結婚式とかの事ね。お母さんは何処でもいいわよ~」


「「違います!!」」



そう言ってすぐに書斎を出て行った。遅れてヨミも一礼して、丁寧にドアを閉める

そして俺達はティアの部屋に行ったのだった




「母さん、さっきのは冗談だよな?」


「あら? 以外と本気よ?」


「はっ、はは……」



おっさんは1つ心配事が増えたそうな

紅 魔法辞典Vol.1



土の岸壁


魔力により、地面から土を壁の形に形成する魔法。魔力を入れているため、通常の攻撃なら防げる


使用者:モブ男



雷撃槍


展開した魔方陣から雷撃をまとった槍を召喚する。魔力量に応じて長さや太さが変化する。もちろんだが使用者の魔力で作っているので、放電していても使用者には効かない。イツキは最初この槍を握ったが、普段は手から数cm離れている


使用者:イツキ・ジングウジ



炎土の盾


土の岸壁の強化バージョン。土の壁に炎を纏わせる事で強度を増している。もちろんこの盾に攻撃しようとすると硬さと炎の熱さでやられてしまう


使用者:モブ男



蛇炎の雷風


2つの魔方陣を1つにして発動する魔法。1つは蛇炎の魔方陣、もう1つは

雷風の魔方陣を展開する。上級魔法であり、放電・かまいたち・熱風などの攻撃も含まれており避けるのは困難な技


使用者:イツキ・ジングウジ


彼はチート能力を持っていますが、まだ使う事はなさそうです

純粋な魔法を楽しんでるみたいな?


ちなみにイツキと戦闘した奴はマジでモブなので、名前はありませんww

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